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【簡単あらすじ】石黒くんに春は来ない(微ネタバレ)【武田綾乃/幻冬舎文庫】

学校の女王・京香に告白し振られた石黒くんは、スキー合宿中に意識不明の重体で発見された

クラス全員に失恋をバラされたショックによる自殺未遂と思われたが、学校は関与せず。

しかし事件の半年後、名ばかりの偽善グループライン「石黒くんを待つ会」に、病院で眠り続けているはずの石黒くん本人が参加し大混乱に

グループラインに参加した理由は、復讐? それとも…



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『はじめに』
私は自他共に認める出不精です。さらに冬の寒さをひしひしと感じ、外出する頻度が減っているのですが、それに反比例して読書量は増加しています。
ですので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいた本の感想を書こうと思います。
このレビューを読んだことで、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。

以前読了しレビューしました、

と同じように高校が舞台です。

今回は、学年単位や仲良しグループで運用しているLineを中心に物語が進んでいきます。

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匿名性のあるLineだからこその物語の展開やまとめ方が面白かったです。

登場人物の中で一番誰が悪いのか・考え方や行動がヤバい生徒は誰かというのが、物語を読み進めるごとに・シーンが変わるごとに・視点が変わるごとに変わっていく展開がとても好きです。

人が十人いれば、十通りの正義がある訳で、その正義も「誰が言っているのか」「自分とその人との関係性はどうなっているのか」などによって、受け取り方や結果は全く変わってしまうということが良く分かります。

本作品のように、現代の高校生活を舞台にした作品については、毎回「スクールカーストって怖い/なるべく関わりたくない」と言いながら、今回もまた自分から進んで怖さを味わいに突撃し、読了してしまいました。

こういう行動や心理を「怖いもの見たさ」と言うのでしょうか笑。

恐らくですが、私の高校時代(男子校)には味わえない雰囲気の物語について、また読んでしまうのだろうなあという予感だけは確かにしております。

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冒頭の、

青春は美しくなんかない。世界は狭く、現実はおぞましい


この一文が全てを表していました。
青春の裏側を包み隠さず表現した作品です。



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