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【簡単あらすじ】偽りの私達(微ネタバレ)【日部星花/宝島社文庫】

高校二年生の土井修治が綴った手記には、「七月十七日から七月八日に時間が巻き戻っている」という信じがたい現象が描かれていた。

この現象は、都市伝説として囁かれる「まほうつかい」が引き起こしたものなのか…?

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『はじめに』
季節が変わり、読書の秋ではないですが、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいた本の感想を書こうと思います。
このレビューを読んだことで、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたいのですが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』がありますので、その点にご注意ください。

以前レビューしました、

を書いた日部星花さんの過去作であり、「第十七回、このミステリーがすごい!」の二次選考作品になります。

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前作においては「呪い×クローズドサークル」、今作においては「都市伝説?の【まほうつかい】」という、どちらの作品も非現実的なテーマが中心のため、物語に入り込みにくいかもしれないと感じる方も多いかと思いますが、作品に上手く落とし込んでいるので違和感を覚えませんでした。

今作は、各章ごとに、

一章.土井修治の手記
二章.桐島七瀬の記憶
幕間.とある【まほうつかい】の一人語り
終章.渡辺百香の独白

という題名が付いているように、中心人物となる四人各人ごとの視点で、物語が進められています。

「手記」「記憶」「一人語り」「独白」という題名にはなっているものの、各章ごとに、巧みに「嘘と真と各人がわざと表にだしていないこと」がちりばめてあります。

私は、ある女性の「歪な感情」を理解出来なかったため、それ見抜くことが出来ませんでしたので、終章においての答え合わせの段階で、なるほどとなりました。

終章を読んでから読み直してみると、様々なところで意味が変わってくる表現が多かったところが私好みでした。

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私は結構なおじさんでありますが、学習塾長等で学生と交流を持ち、現在の学校に着いてある程度の知識を持っておりますので、今作品のような「女子生徒の視点での高校生活」(=女子生徒同士の上下関係やスクールカーストなど)を読むと、様々な感情が混じり胃袋がキュッと縮んでしまうのですが、そういった表現も今作においては必要な要素ということもあり、一気に読了出来ました。

筆者さんは、今作のようなミステリーだけでなく、児童向けのファンタジーや様々な分野に才能を発揮しており、これからが楽しみです。

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同作者さんは、下記の作品も投稿しておりますので是非どうぞ。






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