【簡単あらすじ】最後のページをめくるまで（微ネタバレ)【水生大海／双葉文庫】
ベスト本格ミステリ2018の一編に選ばれた「使い勝手のいい女」、を含む合計5編を収録したミステリ短編集です。
また、ほんタメ「15分で5冊を好きに選んでください」の回でも紹介された作品です。
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使い勝手のいい包丁とは、良く切れて手入れが楽な包丁のこと。
使い勝手のいい店とは、自宅から近くて品揃えの良い店のこと。
では、「使い勝手のいい女」とは何を表す？
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『はじめに』
季節が変わり、読書の秋ではないですが、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいた本の感想を書こうと思います。
このレビューを読んだことで、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたいのですが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』がありますので、その点にご注意ください。
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水生大海さんは、以前に
をレビューしましたが、とても印象的な結末・まとめ方でしたし、「社労士のヒナコ」シリーズを書いていた方でもあり、かなり気になっていた作者さんです。
そんな中、行きつけの本屋のレジ脇の特設コーナーでこの表紙が目に留まり、購入した次第です。
また、2024年には、新作「あなたが選ぶ結末は」が発売されていますので、こちらもどうぞ。
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１．使い勝手のいい女
勤めていた会社が倒産したため、年中無休のホームセンターでバイトとして働く長尾。
休日に魚を捌こうと包丁を研いでいると、元カレや元カレを奪った友人がアパートを訪ねて来て…
２．骨になったら
開業医の花沢は、妻が亡くなり、ある葬儀場で弔問客を相手に頭を下げている。
妻が骨になるまでは、あと18時間弱。
早く時間が過ぎてくれないかと祈りながら…
３．わずかばかりの犠牲
一浪一留で大学二年生・22歳の諒は、ある詐欺の手伝いをしている。
諒は、公園で知り合った笠井老人が、まさに詐欺に騙されようとしているところを目撃し助けたが…
４．監督不行き届き
ある玩具メーカーの係長である加藤。
ある日の通勤途中、城田という女性から「あなたの旦那さんと、今度結婚します」と告げられ…
５．復讐は神に任せよ
前年に夫を亡くし、八カ月前には息子の琳をも亡くしてしまった新里。
しかし、息子の死につながった原因に納得出来ない点があり、その真実を突き止めようと様々な行動を起こす。
という五話からなる作品です。
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上記の簡単なまとめを見るだけでもお分かりのように、各話、とても気になる設定になっていますし、各話50ページ前後の短編集の為文章に無駄な表現がありません。
それにも関わらず伏線やミスリードを上手く混ぜこんでいるため、多くの方が一気読みしてしまう可能性大の良作品です。
個人的には、第三編の「わずかばかりの犠牲」が良かったです。
私だけでなく皆さんも、日常生活で「〇〇なんだから、ちょっとだけ我慢しなさい」のような表現を、お子さんや他の方に使っている場合があると思います。
ただ、本作「わずかばかりの犠牲」を読んだ後は、その表現を使う際に色々と考えるようになってしまうかもしれません…
日本語にとって、「主語」と「目的語」はとても重要です。
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本作は、ちょっとした休憩中や寝る前など、少しの空き時間に読書をしているという方にとてもおススメです。
作者インタビューでも話されていましたが、単行本の文庫化ということでページ数や文字数が変化するため、「最後のページをめくった後の展開」が単行本と文庫本では違っているということです。
ですので、単行本と文庫本を見比べながら読み進めるのも楽しみの一つだと思います。
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