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【簡単あらすじ】名探偵は反抗期・舞田ひとみの推理ノート(微ネタバレ)【歌野晶午/角川文庫】

水泳部をやめて、暇を持て余す中学二年生の高梨愛美璃はある日、ひょんなことから友人の家族を騙した募金詐欺師の女性を追跡することになる。

愛美璃の同級生の他に、小学生時代の旧友舞田ひとみも仲間に加わるが、その矢先にその女性は何者かに殺されてしまった!

直ぐに容疑者が浮上するも、現場を見たひとみの一言から事件は意外な展開へ…




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『はじめに』
暑い毎日もようやく落ち着き、noteで読書の秋2022が開催されるなど、読書がしやすい季節になりました。
ですので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んだりしていた本の感想を書こうと思います。
このレビューを読んだことで、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。

今作も前作(名探偵初心者ですが/舞田ひとみの推理ノート)と同様、

日常に絡んだ謎6つ「白+赤=シロ」「警備員は見た!」「幽霊は先生」「電卓男」「誘拐ポリリズム」「母」を、舞田ひとみと愉快な仲間たちが解決していくという作品になっています。



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1.白+赤=シロ

ある家で女性が何者かに殺された。容疑者を特定するカギは、インドネシアの国旗?

2.警備員は見た!

愛美璃の学校で部室荒らしが発生。警備員は、外部からの侵入者はいないと話すが…

3.幽霊は先生

突然激やせした英語の先生。その原因は幽霊に出会ってしまったから!?

4.電卓男

愛美璃の弟修人のケータイに残されている<むちはにらやな。らやなゆさみ>という謎の文章。愛美璃は母親から文章の解読を依頼される。

5.誘拐ポリリズム

修人が誘拐された!?本人からの電話を基に、修人を救出しろ!

6.母

交通量の多いバイパスの中央分離帯で踊っている女性。興味をもった愛美璃たちは理由を調べるが、そこでひとみに災難が降りかかる…

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「とにかくさ、人の秘密を探るというのは、それはもうわくわくするのだけど、いざ秘密を知ってしまったら最後、こっちまで大変なものをしょいこんでしまうんだよね。刑事とか探偵とか、普通の神経じゃとてもつとまらないよ」

P194/195

上記は、舞田ひとみがある事件の謎を解き明かした後に、一緒に動き回った同級生たちへ向けてのセリフです。

前作のひとみを知っている方なら、
「お前もこんなセリフが言えるほど成長したんだなあ(しみじみ)」
「前作、あんなことやこんなことしたお前がいうな(笑)」
などの感想を持ってしまうと思いますが、このセリフが、今作のキモになっていると思います。

私だけでなく皆さんもそうだったと思いますが、中学生はちょうど「成長の過渡期」にあたる時期なので、自分のことで色々悩んだことがある方が多いのではないでしょうか。

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前作は主人公舞田ひとみが小学生だったため、事件の舞台が小学校のことが多かったですが、今回はひとみ自身も同級生も中学生になっています。

小学生から中学生へ舞台を変更することは、ただ単に2~3歳年を取ったというだけでなく、中学生特有の悩みを持つようになる、ということです。

愛美璃が持っている悩みの一部は、今作中では解決されませんでした。
この悩みがこの先解決されるのかどうかということや、主要登場人物達の成長も楽しみですので、これは次作も読了しなくては!と思わせる作品でした。


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