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【簡単あらすじ】長い家の殺人(微ネタバレ)【歌野晶午/講談社文庫】

大学生バンド「メイプルリーフ」が、解散ライブの練習のために訪れたペンションで殺人事件が発生する。

何とかその事件を乗り越えたメンバー達だったが、その後に開催した解散ライブでも事件は発生し…



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『はじめに』
季節が変わり、読書の秋ではないですが、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいた本の感想を書こうと思います。
このレビューを読んだことで、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたいのですが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』がありますので、その点にご注意ください。

歌野晶午さんのデビュー作です。

以前読了した、「名探偵・初心者ですが 舞田ひとみの推理ノート」

で興味を持った作家さんで、さらに、帯の「新本格派渾身の完全密室殺人劇」というフレーズにも興味をそそられたので購入しました。

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主要登場人物が所属する、学生バンド「メイプルリーフ」のメンバーは、

1.戸越伸夫

リードギター、年代物のギターを所持。エフェクターを使うこと風潮を良しとしない。皮肉屋。

2.武喜朋

コーラスやエコーマシンなどのエフェクターを使いこなす。リードボーカルも執っている。常に冷静で人との和を保つことが上手。

⇒この二人は、音楽についての考え方や外見的特徴・人との関係性など、多くのことで対照的。ただ、この二人の絡みがメイプルリーフの魅力でもある。

3.山脇丈広

ベース担当。練習時には、理に適った注文を各メンバーに行う。少々陰にこもりがちである。

4.三谷真梨子

キーボード担当。自らの技量を過信するところがあり、自主練習をサボりがちという欠点あり。

5.駒村俊二

ドラム担当。将来的にはプロになりたいという意思を持っている。他メンバーとは学年が一つ下だが、天真爛漫なところも手伝い、加入当時と比較すると驚くほどレベルアップしている。

6.市之瀬徹

楽器を持たない写真家。ミーティングだろうと合宿だろうと、どこにでも顔を出し写真を撮り曲に対して批評する。

という5人のバンドメンバー+一人の写真家で成り立っています。

このメンバーがラストライブのために、越後湯沢のペンションで合宿を行いますが、その合宿中にあるメンバーが死んでしまいます。

その事件は乗り越えることが出来、何とかラストライブを開催するのですが、今度はそのラストライブでも…

という作品です。

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久しぶりに、作品内に記述されている「ペンション内部の配置図」や「容疑者のアリバイ」を細かく見ながら・見返しながら、最後まで読了するようなミステリー作品を読了しました。

作品は、ある人物の独白(読み返してみるとほぼネタバレ)から始まったのですが、私に様々な分野の知識が無かったため、犯人を言い当てることは出来ませんでしたが、トリックに大きな矛盾点はなく(ギターコードについては、音楽に詳しい方でないと分からないと思いますが)、一気に読んでしまうほど面白かったです。

今回分かってしまったのですが、このタイプの小説は、読んでいて頭が疲れてしまい、同タイプの作品を続けて読むことは出来なくなってしまいました。

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本作の最後には、歌野晶午さんと島田荘司さんとの初めての出会いからの交流についても掲載してあり、こちらも読む価値がある内容になっております。


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