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【簡単あらすじ】密室殺人ゲーム王手飛車取り(微ネタバレ)【歌野晶午/講談社文庫】
奇妙なニックネームを持つ5人は、ネット上で殺人推理ゲームを出題しあい、知恵を絞り、仲間と議論を戦わせながら解答までたどり着く。
ただ、この5人と普通の殺人推理ゲーム愛好者たちとの違いは、ネット上で5人が語る殺人事件が、全て出題者によって実際に起こされた殺人であるということだ…
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『はじめに』
季節が変わり、読書の秋ではないですが、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいた本の感想を書こうと思います。
このレビューを読んだことで、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたいのですが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』がありますので、その点にご注意ください。
私の中での歌野晶午さんは、以前レビューしました、
に代表されるような、ちょっとほのぼの系の作家さんというイメージだったのですが、このようなシリーズも書かれています。
この作品では、「頭狂人」「044APD」「ザンギャ君」「aXe」「伴道全教授」という、ネット上での奇妙なニックネームの五人が、それぞれ自作の殺人ストーリーに合わせて殺人を行い、そのトリックや出題者の問題提起に対して、他の四人が推理・回答していきます。
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当然、登場人物それぞれ性質が違いますから、
Q1「次は誰を殺しますか?/aXe」
のように、6月27日から翌年2月14日まで、被害者は九人(内二人は死亡せず)ということもあれば、
Q2「推理ゲームの夜は更けて/伴道全教授」
のように、あっさりと鉄道トリックを見破られてしまったものもあり、
多くの殺人事件・殺人トリックを楽しめるところがおススメの内容です。
このように淡々と書いてきましたが、殺人推理ゲームとして殺人事件を発生させている性質から、回答者が真相にたどり着くためのヒントとして、もしくは出題者が意図するものを完成させるために、どんどん人が殺されてしまいますし、内容の見栄えを良くするために、当然殺し方(殺され方)も残虐なものを選択されがちです。
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私は、基本的に、ホラー小説や残虐な表現が含まれている作品は苦手なのですが、この作品は、完全にゲームとして殺人事件を扱っているからか、拒否反応はさほど起こりませんでした。
また、こういった浮世離れした設定だからこそ、
最終章「誰が彼女を殺し(救え)ますか」
の流れや終わり方も納得出来ましたし、私のような性質を持っている方でも最後まで読むことが出来る作品とも言えます。
ホラー作品が苦手な方でも楽しめる作品です。
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