【簡単あらすじ】だからあなたは殺される【水生大海／光文社】
女子高生モデル惨殺事件を追う、刑事の兄と女子高生の妹。
登場人物それぞれに事情があります。
さあ、作中で一番悪いのは誰？
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『はじめに』
Noteで「読書の秋」コンテスト開催ということで、最近読んで印象に残ったり、買ったままで積んでいた本の感想を書いていこうと思います。
このレビューを読んだことで、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたいのですが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』がありますので、ご注意ください。
いきつけの本屋でレジ横の目立つ場所にあり、さらに目立つタイトルでもあったので手にした本でした。
初めて読む作者さんだったので、多少の不安もありましたが、結論から言うと読んで良かったと思います。
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この作品は、物語中に複数の殺人事件が発生します。
まずは「女子高生殺人事件」をめぐる動きを中心に進みます。
主人公の兄妹がそれぞれの気持ち・思惑を抱えながら事件の真相に近づいていきます。
さらにその途中で他の殺人事件が発生し、それに伴い新たな謎も出てきます。
主人公の一人がピンチになる場面もあり、さあどのように解決するのか、という感じで物語はスピード感を増し、どんどん進んでいきます。
物語中で発生する殺人事件の全てで、「殺される理由」が明記されており（＝だからあなたは殺される）、結末を迎えます。
私がおじさんだったこともあり、殺人事件の動機や人物の考え方については、少々納得がいかなかったものもありましたが、タイトルの『だからあなたは殺される』の通りに、最後にはなるほどと思えるまとめ方がされていました。
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主人公の一人である兄の正義は刑事であり、その妹の優羽が、正義が担当している事件に首を突っ込んでくるというのが大まかな流れです。
この物語は、某三毛ネコが探偵の有名長編シリーズと同様な流れかと、物語の途中から私が勝手にイメージしてしまったため、作中の兄妹のやりとりで少し引っ掛かる描写があっても、「まあ、あまり仲良くてもね。他の作品と差別化しないといけないし」というように勝手に自分に言い聞かせていました。
読後には、これも作者のミスリードだったと気づき、この部分についてはかなりスッキリしました。
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仕事柄、女子高生とコミュニケーションをとることが多くあり、私の知ってる女子高生たちが、この物語中の女子高生たちと同じ性質だったら嫌だなあと思わせるような締め方でした。
終盤の殺人事件の印象から、ハッピーエンド好きな私にとって、あー良かった・スッキリした。と終わらせることは出来ませんが、登場人物のうちの何人かは良い方向へ未来が進んでいきそうですし、きっちりと伏線を回収してくれて、納得の読後感でした。
前記したように、一部の登場人物の思考についていけない部分がありましたが、これからもこの作者さんの作品はチェックしたいと思わせるような、おすすめの一冊です。
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