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価値観を人に押し付けてはいけない-『女王の教室』に学ぶ“正義の使者”の危うさ

ぼくには、自分の価値観や考えを人に強く押し付けるところがある。 そのせいで友達が何人か離れていったし、ネットでも多くの人から叩かれてきた(ややマシになってきているが今も叩かれている)。 ぼくは訳が分からなかった。人や社会を良くしたいと思っているだけなのになぜこんなに嫌われてしまうのか? 間違っているのは向こうなのに、なぜぼくが悪く言われなければならないのか? ずっとそう思い続け苦しんできたが、半年前にあるドラマを見て自分が悪かったのだと気づかされた。『女王の教室』である

    • 『嫌われる勇気』 第一夜 感想

      読書会まで時間がないので雑に書く。一言で言うと、 「自分なら『納得できない!暴論だ!』と反発しまくるかと思いながら読んだけど、第一夜はそんなに反発するところがなくむしろ同意できるところが多かった」 という感想になった。 本としての出来についてまずは内容の前に本の出来について語る。 なんだこの表紙は。一行目が「嫌」の一文字で不自然に改行されているのが気になって仕方がない。「嫌わ」「れる」「勇気」の方がまだ読みやすくないだろうか。 ひらがな3文字を一行に並べたいのなら、

      • 作品の批評はどのようにすべきか?

        ぼくはこれまでツイートや配信などで漫画や映画やドラマなどの作品の批評を度々行ってきたのですが、その度に「何言ってんだお前は」と大ブーイングの嵐が起きていました。 毎回批判ばかり起きるということは何か問題があるのかなと考え、最近作品批評についてのあり方を見直して整理してみたので、記事にまとめてみます。 作品の評価には2つの軸があるまず、作品には「好き,嫌い」という軸だけでなく、「良い,悪い」という軸も存在すると思います。 「いや、好きか嫌いかしかないんだ」という意見もよく

        • くぼたか史を振り返っての考察まとめ

          考察と言ってもそんなに大したことはないですしあまり興味も持たれないと思いますが、せっかくep14までしっかり書いたので、くぼたか史から考えられることを一応まとめておこうと思います。 自意識のないep1を除くと、くぼたか史で書いた部分は大きく 幼少期(ep2) 小学生(ep3〜ep7) 中学生(ep8〜ep14) の3つの時期に分けられると思うので、それぞれの時期ごとに見ていきます。 幼少期この時期に関してはep3の後書きですでに分析結果を書いているので、それをそのまま

        価値観を人に押し付けてはいけない-『女王の教室』に学ぶ“正義の使者”の危うさ

          くぼたか史 おまけ(資料公開)

          ぼくは今の家に引っ越す前からくぼたか史を書いたり自分の人生を見つめ直したりすると決めていたので、引っ越しの際に昔書いた作文などの資料をたくさん持ってきました。 それらは当初はくぼたか史を書く前に見る気だったのですが、カウンセリングの時にめんたねさんのそのことを話したら、「見ない方がいいよ。いま残っている記憶がどういうものかというのを考えるのが大事だから」と言われたので控えていました。 でもさっき中学校編まで書き終わったので、「もういいか。忘れていた記憶も見ておきたいな」と

          くぼたか史 おまけ(資料公開)

          くぼたか史 ep14 空っぽ

          卒業文集の原稿を前に、ぼくは重い気持ちになっていた。小学生の時のように立派な卒業文を書きたいけど、書くことがない。中学校の3年間では何も頑張ってこなかったし、望月さんと川端とのことでは色々な気づきやドラマがあったけど、あんなプライベートなことは文集には書けない。これはもうどうしようもないんじゃないか……? いや、諦めてはいけない。何か書けることがあるはずだ。ぼくは中学校での思い出を1つ1つ思い出していくことにした。 まずは体育祭。クラス対抗の大縄の朝練や放課後練を毎日頑張

          くぼたか史 ep14 空っぽ

          くぼたか史 ep13 疑問

          若森先生がギターを弾きながら熱唱する。ぼくは音感が分からないから上手いかどうかは判断できないけど、めちゃくちゃカッコいい。なんでこんな人がこんな仕事をやってるんだろう。 塾での受験本番直前の決起会は異様な熱気だった。先生たちが心から全力でぼくたち受験生にエールを送ってくれているのがビシビシと伝わってくる。 こうなるのが分かっていたから、ぼくはこの会に参加するのを迷っていた。予想通りかなり居心地が悪い。 ぼくはここの誰よりも勉強していない。推薦受験を狙っていたぼくは3年生に

          くぼたか史 ep13 疑問

          くぼたか史 ep12 決着

          「では班の人を褒めてみてください」 先生の指示にげんなりする。国語の授業で褒め方を習い始めてきた時からこういう展開になったら嫌だなと思ってたけど、マジで想定していた通りになるとは……。 川端が「ほら」と言ってニヤニヤした。「早く俺を褒めろよ」 この野郎、本当に意地が悪いな……。ぼくは少し考えてから、素っ気なく言った。 「お前を褒めるぐらいだったら、そこら辺の石ころを褒める方がマシだよ」 決まった。我ながら素晴らしいセリフだ。ハリー・ポッターがよくマルフォイに言うよう

          くぼたか史 ep12 決着

          くぼたか史 ep11 絶交

          休み時間に学校の廊下を歩いていると、望月さんが前からこちらの方向に歩いてくるのが見えた。まずい、避けなければ……。ぼくは何かを思い出したように向きを変えて教室に戻った。ふうっと息を吐く。良かった、これで望月さんと鉢合わせしなくて済む。 告白の返事をもらってからというもの、ぼくはずっとこんなことを繰り返していた。 「ストーカーはやめてください」 返事の手紙に書いてあったこの一文がぼくをものすごく苦しめていた。しばらくはどうしてストーカーだと思われていたのかすらずっと分から

          くぼたか史 ep11 絶交

          くぼたか史 ep10 告白

          放課後の美術室で、ぼくは自分の作品に集中しているフリをしながら、望月さんのことばかりチラチラ見ていた。 まさか美術の居残りで望月さんと一緒になれるとは。トロいという自分の欠点が功を奏した。望月さんと少し話せるかもしれない。 ぼくは、望月さんに恋をしている。大好きだ。 中学に上がったぼくは、入学式の日にクラスメイトを見渡してすぐ、望月さんを好きになると決めた。ダントツで可愛かったからだ。こんなに可愛い人は見たことがない。小柄で髪が長くて肌が綺麗で目がパッチリしている。性格

          くぼたか史 ep10 告白

          くぼたか史 ep9 ONE PIECE

          ーーーーー 中学1年の春、ぼくはなかなか学校に行けなかった。持病が悪化していたからだ。家のベッドで暇をしている毎日だった。 そんな時、小学校からの同級生である奏太という友達が、両手に何やら大きな手提げ袋を持って家に訪ねてきてくれた。 「暇だろうから、これ貸してあげるよ。面白いよ」 そう言われて手提げ袋の中身を見てみると、そこにはONE PIECEという漫画がギッシリ詰まっていた。なんと、1巻から45巻まである。 奏太にお礼を言ってから、ぼくはONE PIECEを読ん

          くぼたか史 ep9 ONE PIECE

          くぼたか史 ep8 入院

          黒い液体の入ったピンクのトレーを見つめる。もう嫌だ……。 しばらくじっと耐えていると、またあの衝動が来た。ああ、吐く! あごが外れるのではないかと思うぐらい大きく口が勝手に開き、トレーの中に盛大に吐いた。黒い胃液だけがピンクのトレーを満たす。胃に食べ物が全くない。 中学1年の夏休み、ぼくは小学校を卒業する直前から悩まされていた持病の悪化の手術のために入院していた。手術は10日前に無事に終わったけど、その後がかなり辛い。麻酔があるから痛みはないんだけど、麻酔の副作用で気持ち

          くぼたか史 ep8 入院

          くぼたか史 ep7 気づき

          いつもと変わらない学校の20分休み、ぼうっとしていたぼくの頭にふと、ある疑問が湧いた。 「ぼくがこの世で生きているのって当たり前のことなのかな?」 2年前の4年生の時、道徳の教科書か何かで全然当たり前のことじゃないと習った記憶を思い出す。ぼくのお父さんとお母さんが出会う確率、さらにぼくのお母さんのお母さんとお父さんが出会う確率……と考えていったらものすごいことなんだって教科書に書いてあったなぁ……。 その授業の時はその話に全然興味がなくて教科書を折って遊んでいたくらいだ

          くぼたか史 ep7 気づき

          くぼたか史 ep6 5年生

          笠松くんが奥田くんを引きずっているのを見た平岡先生が、信じられないことを言った。 「その辺にしておきなさい」 ぼくは思わず平岡先生の方をまじまじと見た。「その辺にしておきなさい」? 笠松くんが奥田くんに何かをされてその仕返しで引きずっているとかなら分かるけど、奥田くんは何もしてなくて一方的に酷い目に遭ってるのに、なんでそんなことを言うんだ? 教師なら「やめなさい! 何やってるの!」って叱るべきだろ。 40代のおばさんである5年2組の担任の平岡先生にはいつも本当にがっかり

          くぼたか史 ep6 5年生

          くぼたか史 ep5 初恋

          「小野歩美さんへ。 突然こんな手紙をもらってきっと驚いているだろうと思います。実は、小野さんに伝えたいことがあってこの手紙を送りました。 ぼくは、小野さんのことが大好きです」 ここまで書いてから、やっぱダメだと思って今書いていた紙をくしゃくしゃにした。1番大事な「大好きです」の字が上手く書けていない。 30分前にラブレターを書き始めてからもう5枚も失敗している。完璧なクオリティのものを書きあげなければならないという強迫観念に囚われていた。 もう1度書き直したら、今度

          くぼたか史 ep5 初恋

          くぼたか史 ep4 当たり前

          「はい、山口菌〜」 給食の時間に、田中さんが右手を森さんの二の腕に擦り付けながら言った。森さんは「ちょっとやめてよ!」と半笑いしながら言って二の腕の触られた部分を右手で拭き、その右手を同じように田中さんの二の腕に擦り付けた。田中さんは「ちょっと返さないでよ〜!」とか言って笑っている。何度見てもくだらない光景だ。 山口菌というのは、山口くんの菌という意味だ。山口くんには山口菌という菌があって、山口くんが触ったところには山口菌がついて汚れてしまうらしい。そしてその菌は手で取っ

          くぼたか史 ep4 当たり前