11. 就職なんてしないと思ってた①

ライブハウスでの日々は、音楽に関しては最高だったが少し問題があった。それは人である。

チーフと呼ばれるドリンクのまとめ役が、少し年上の男性だった。それに昔からいる主のような先輩。このあたりが今後のことや改善点などを話し合い決めてくる、つまり指導者なわけだが、とにかく性格が悪かった。

新人の悪口を言う。自分の自慢話をする。理不尽にキレる。

私は今よりもっと社交的でなく、仕事以外で職場の人と仲良くなることは滅多にないタイプだったのであまり標的になることはなかったが、「できる限り触れたくない」という嫌悪感は常にあった。
人使いの荒さ、そして比例しない給料にたくさんの善良な同僚が辞めていった。

大学4年生になる頃、私は悩み始めた。

働き始めたときから、ずっとライブハウスにいられたらそれで幸せだと思っていたのに。

このままいくつかのライブハウスを経験したあと、最終的に自分のライブハウスをやるのだと思っていたのに。

本当にそうしたいのか分からなくなってしまったの。少なくとも今のライブハウスにずっといるのは無理だと思った。

周りは絶賛就活中。今までバンドしかやってなかったようなサークルの同期が、スーツを着て「えっそんな業界に興味持ってたの?」と驚きの決断を下し転身を遂げていく。

私も最初は「新卒採用って言う人生に一度だしやってみるか」の精神でいくつか就活らしいことをしたのだが、音楽業界の募集はほぼなかった。なんとなく隣接してそうなITサービスなどを受けたものの、情熱と働きたい実感がなさすぎて面接で悉く落ちた。

周りの視野の広さと、もっといろんなことできると思っていた自分への軽い失望を持ち、夏は自分のバンドに明け暮れて、気付けば秋になっていた。

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