15. 就職なんてしないと思ってた⑤

私が突然の就職を決めたことは、周りも驚いていた。

サークルの友達は、
「お前は絶対就職しないと信じてたのに」
「ずっとライブハウスいるんだと思ってた」
と言われた。

バイト先のライブハウスの人たちはあんまり就職に興味がないというか、最初からその発想がないタイプの人が多かったので
「ここから新卒採用する人いるのか」
「まじめだねー」
という感じだった。

就職を決めたイベント会社の人事の方にさえ、
「あなたが最初に内定辞退してくると思っていた」
と言われた。

私自身が一番驚いていたのだから、無理もない反応だった。

就職を決めた会社は初めて新卒採用をしたということで、私たちは第一期生と呼ばれた。
採用する側も初めてなので、内定者の集まりや研修などもとても手厚かった。

就職を決めてよかったと思ったことは、たくさんある。印象的だったのは「セクハラ問題や嫌がらせなどが発生した時は必ず守るから」というような話を最初にされたこと。
ライブハウスのバイト先では、例えば明け方に泥酔したお客さんが抱きついてきても、それを指差して笑うような人がたくさんいた。

もちろん会社の方が当たり前のことを言っているのだけれど、ライブハウスの方が異常なんだけど、当時は仕事中に起きることは我慢しないといけないことだと思っていたので、素直に感動したのを覚えている。
雇う側が守ってくれることってあるんだ、と。

どんな質問をしても、ひとつひとつを丁寧に回答してくれ、親身になってくれた人事の方々には、本当にお世話になった。

社長の話を聞くのもとても楽しかった。頭の中で無限に広がっていく夢を、話さずにはいられない人で、チケットの販売管理を中心にしている会社でありながらその枠を超えてエンターテイメント全般に仕事の内容を広げたいと話していた。

ライブハウスの中から飛び出して、イベント業界全体へ。
急激に広がっていく世界に、「ああ、人生始まったな」と思った。

一人で生きていける。
しかも大好きなイベントの仕事で。

こんなに嬉しいことはなかった。私の最初の夢を叶えてくれたのは、紛れもなくこの就職だったのだ。

#日記 #生き方 #起業 #ライター #モデル #フリーランス #焼き菓子 #イベンター #退職まで #パティシエ #振り返り #フードライター #フードアナリスト #仕事観 #大学時代 #アルバイト #ライブハウス #音楽業界 #イベント業界 #就活 #秋採用 #音楽事務所 #イベンター #プロモーター


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?