多文化共生社会をどう実現するのか、異文化理解をどう進めていくのかについて研究中です。学…

多文化共生社会をどう実現するのか、異文化理解をどう進めていくのかについて研究中です。学生です。

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台湾と日本 〜私たちが知っておくべきこと〜

まえがき こんにちは、初めまして。私は外国語・多文化共生・国際関係について大学で学びたいと考えている高校生です。今回この場をお借りして、皆様に台湾のことを発信できればと思います。この投稿は、皆様に発信するとともに、私自身の知識整理のためのものだということをご理解いただけるとありがたいです。長くなってしまいましたが、一読していただければ、必ずや皆様の台湾に対する見識を変えられるだろうという思いで書いたので是非読んでいただければ。  さて、私が台湾のことについて勉強し始めた発

    • 文化相対主義の扱いについて

      はじめに  世界には様々な文化があり、それには多くの種類と形があるが、馴染みがなく理解し難い文化と遭遇した時、我々はどういった態度をとれば良いのだろうか。海の向こうで行われている行為であり直接対峙することはないのだから、気にする必要はない、理解しなくてもよいことだと、我々は高を括っているのではないか。しかし、世界ではグローバル化が進んでいる。日本においても、留学生や海外からの移住者の数が、今後ますます増えていくと予想されている。それは、一つの国にたくさんの文化が一堂に会する

      • 国連の仕組みを今一度撃つ

         パレスチナ問題、ウクライナ問題、どちらも戦闘が始まってしばらく経った。両問題も、事態は刻一刻と変わるものの、改善に向けた大きな一手は打たれてこなかった。なぜなのか。それは、国連の仕組みそのものに限界があるからだと私は考える。  話を進める前に、国連の決議案がどのように採択されるか見ていく。国連はアメリカ・フランス・ロシア・中国・イギリスの常任理事国5カ国と、それ以外の非常任理事国で構成される。そして、決議案が採択される場面は大きく二つに分かれている。一つは国連総会。全加盟国

        • SDGsについて

           近年、あちらこちらで目にするSDGs「持続可能な開発目標」。環境問題、飢餓や貧困、さまざまな問題を解決するための行動指針として発表され、2030年までの達成を目指している。しかし、疑問に思ったことはないだろうか。エコバッグやマイボトルを持つよう促され、実践してはいるものの、実際のところ効果はあるのか。問題は縮小しつつあるのか。この、実態を知らずして、あたかも環境に良い行動だと無批判に受け入れてしまっている状態を私は危惧する。    そもそも、環境問題が騒がれだしたのはいつ頃

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        台湾と日本 〜私たちが知っておくべきこと〜

          外国人技能実習生のために

           外国人技能実習生の数は年々増加傾向にあるが、それがいつまで続くか私は危惧していた。これまで、彼らが働く環境やシステムは、最善の形態とは言い難かった。しかし、今回、新制度の案の記事を見かけたので、それがどのようなものか説明していきたい。  外国人技能実習生とは、日本にやってきて、技能や技術を身につけた後再び自国へ戻り、培った技術を母国へ還元しようとする人々のことを指す。これまで、技術の養成のためにはある程度年月がかかるものとして、転職は許されていなかった。しかしこれが仇となっ

          外国人技能実習生のために

          中国の社会情勢

           今回は、現代の中国社会を紐解いていきたい。共産党のトップ習近平の目指すところはどこか。将来の日中関係、中ロ関係を考察したい。  習近平の動向は世界各国が兼ねてから注目してきたが、現在では特に台湾や香港への高圧的な姿勢や、原発処理水の排出に対して異様なまでの反発心を見せるなど、とどまることを知らない。今こそもう一度目を向けるべき時ではないか。  習近平は何を目指しているのか。それは、中国を再び大国へのし上げることだ。清朝時代、中国は広大な土地を有しており、当時世界一のGDPを

          中国の社会情勢

          中国人のスピリッツを問う

           私は以前、自分が中国と日本のハーフだとお話をしました。日本では彼らに対する見識が浅いのと同時に、煙たく思っていることはあからさまです。それは私の経験上言えます。たとえば、最近でいうと、中国の動向は国際間で緊張を呼んでいます。しかし、だからといって中国の国民が悪いのかというとそうではありません。しかし、その国に対する悪いイメージを、その国民全般に当てはめようとするのが日本の良くないところだと思います。先に述べておきますが、決して中国人を擁護しようとも日本を批判しようとも思って

          中国人のスピリッツを問う

          文化だからといって全てを見過ごして良いのか

           私が一貫して主張することは、もうみなさんお分かりの通り、相手の文化を否定したりしてはいけないということです。私たちの価値観をもってして、異なる価値観を持つ異文化を評価したりすることはできません。これは、食文化に関しては、広く当てはまるのではないでしょうか。  例えば、中国では一部地域でイヌを食べる習慣があります。これはたしかに私たちには理解し難いかもしれませんが、日本にはそれが文化として成立しなかったので当たり前です。一方、日本においてはクジラを食べますが、私たちが、イヌを

          文化だからといって全てを見過ごして良いのか

          文化相対主義をどう考えるか

           今一度、文化とは何かを考え直さなければならない時期に来ていると私は思う。文化の違い乗り越え、共生するための努力を継続する姿勢を未来に繋げることが今とても重要だと考える。   それぞれの国や民族が持つ文化は等価値で、外からの価値観によって優劣をつけることができないとする文化相対主義という考え方がある。一見万能な考え方のように思えるが、しかし中にはそれだけでは捉えきれない問題もあるのだ。例えば、私たちが当たり前だと思っていることは、他の国には当てはまらない場合がある。つまり、文

          文化相対主義をどう考えるか

          ステレオタイプがいかに恐ろしいものか

           ステレオタイプはこれからのグローバル社会においては弊害となり得る。異文化との共生が不可欠となるこれから、特に日本においては外国人に対して正しい認識をしなければならない。アメリカは、一部の人は、今でも日本にはサムライと相撲取りがたくさん居て、皆日常的にスシを食べているというイメージを持っている。一方で私たちはアメリカ人に対して、皆ラフでテキトーな格好をしてHIPHOPを好み、ファーストフードばかり食べているというイメージをもっている。ヨーロッパ人に対しては、落ち着いた雰囲気で

          ステレオタイプがいかに恐ろしいものか

          国籍は思ったよりもずっと重いもの

           私は改めて問いたい。国籍や文化とは何を意味するのか。「〇〇人」を「〇〇人」たらしめる所以はどこにあるのか。様々なルーツを持つ人々が共存する現代において、そうした模索をする姿勢を、未来に繋げていくことが必要だと思う。  社会がいかにグローバル化しても、あるいは自分の文化やルーツを断ち切ろうしても、どこかしらで自分が生まれ育った文化を人は背負い続ける。しかし、生まれ故郷を離れ、異国の地で育ち、その地の言語と文化を、現地人と同等に身につけたとき、ある問いが生まれる。  小説家で、

          国籍は思ったよりもずっと重いもの

          もっと台湾という国を知ってもらうために

           さて、今回は台湾語について書きます。多民族との共生を認めない、日本を含めた国民国家というシステムが今や現代の基本であるとされる中、台湾という国家は今でも、様々なルーツを持つ人が共存し、國語・閩南語・客家語・原住民族言語、少数ですが日本語が飛び交っています。  よく我々は、台湾は中国であるとみなしてしまいがちですが、その判断基準はやはり彼らが國語を喋っているという点にあると思います。國語とは、大陸では「普通語」と呼ばれ、いわゆる標準語です。台湾では國語と呼ばれます。我々が思い

          もっと台湾という国を知ってもらうために

          青木保氏の『多文化世界』5

          さて、多文化共生について色々考えてきましたが、もちろんのこと自分たちの国の文化も絶やす訳にはいきません。青木保氏は「歩ける街」を強く主張しますが、その訳を考えます。  文化や歴史は形として残って後世に伝えられていく訳だが、筆者は街の景観そのものが文化を表すと考える。それはつまり、歴史的建造物が残っているかどうかという話かと思うが、どうやらそれだけではないらしい。  筆者は「歩ける街」を主張する。文字通り、歩くことが可能かということだ。その国の文化や歴史を知る一つの方法として

          青木保氏の『多文化世界』5

          青木保氏の『多文化世界』4

           前回までを振り返ります。1では、なんとなく国際社会化することは良いことだという私の考えが甘いということが分かりました。そこで2では、国際社会化よりも具体的な多文化共生について考えみましたが、これについても問題点がありました。3で、1.2を通して、多文化共生社会の具体的な実現方法を考えてみました。今回4では、その実現に際しての注意点について考えます。  かつて、アイザイア・バーリンという思想家がいた。彼は、われわれ人間の問題に対して、一つの解決方法しかない、それが「究極の解

          青木保氏の『多文化世界』4

          青木保氏の『多文化世界』3

          さて、1.2を通して得られた結論として、「国際社会化」という表現と考えの脆弱さ、それに変わるものとして多文化共生を取り上げた訳ですが、これについても問題点が見られました。次の段階として、では結局多文化共生をどう実現するのかについて考えます。※メモをそのままコピーしてますので状態文です。  次に具体的に多文化共生社会を実現するために何が必要なのか考える。筆者は人間を「人」と捉えるか「族」すなわち集団として捉えるかが最も重要だと考える。  かつて国家の形態として「帝国」が存在し

          青木保氏の『多文化世界』3

          青木保氏の『多文化世界』2

          今回は続きです。こちらもメモをそのままコピーしてますので常態文になっています。ぜひ1の方もよろしくお願いします。 1で私は、世界が一様にして国際社会化することは決して良いこととは限らないと気づいた。そこで、1の最後に「多文化共生」を目指すと書いたが、今度は「多文化共生」の問題点はないか考えてみた。  日本を含めた近代の国民国家とは、国内に自立した民族共同体の存在を認めない、つまり、方の下の平等で個人が国民として国家に所属することが前提としている。多民族・多文化社会のための

          青木保氏の『多文化世界』2