見出し画像

noteというダイイングメッセージ

――どれだけ時が過ぎようと、僕がいつかこの世を去ろうと、記事は残ります。記事に託した思いは、ダイイングメッセージとして残り続けるんです。


人生は物語。
どうも横山黎です。

今回は「noteというダイイングメッセージ」というテーマで話していこうと思います。


📚ダイイングメッセージ

ダイイングメッセージ。

誰しも一度は耳にしたことがあると思います。被害者が死に際に犯人の名前を書き遺す、あれです。ミステリー作品でよく登場しますよね。一目みて分かってしまったら謎でもなんでもありませんから、暗号のようなメッセージが遺されていて、それを解き明かしていくのが探偵役の仕事だったりします。

僕はこの1,2年、ダイイングメッセージというものと向き合ってきました。今日は改めてそれを振り返ると共に、noteに紐づけてまとめていこうと思います。


📚ダイイングメッセージへの疑問

僕はダイイングメッセージにかねてから疑問を抱えていました。それも、2つ。

「なぜ、暗号のようなメッセージを書くのか」
「なぜ、犯人の名前を書くのか」

前者は、書いた本人が意図した前提の話ではありますが、多くのダイイングメッセージが謎めていており、その謎をつくっているのが被害者自身です。エラリークイーンの『Xの悲劇』では、「死の直前、比類なき神々しいような瞬間が訪れるから、奇抜なメッセージを遺せる」という話が登場しますが、僕から言わせれば言い訳のようにしか聞こえません。

確かにミステリー業界でひとつの文化を築いているくらいだから魅力も認知もあるけれど、現実で謎めいたダイイングメッセージを遺すなんて事例は聞いたことがありません。死の直前を経験したことがないから断言はできないけれど、比類なき神々しいような瞬間が訪れるとは到底思えません。


それから、どうして犯人の名前を書くんだって話。犯人のせいで自分の人生が突然終わってしまうから憎いのは分かるけれども、自分が死んだら犯人が捕まっても捕まらなくても関係ないじゃないですか。ならば、人生最後なんだから、犯人の名前よりも本当に伝えたいことを伝えた方がいいじゃないですか。

現実におけるダイイングメッセージって、死を悟り、家族に向けたビデオレターとか、手紙とかそういうものじゃないですか。そこには本当に伝えたいメッセージがあります。ダイイングメッセージのあるべき姿とはそういうものじゃないですか。

一般的なダイイングメッセージは、「謎めいていて犯人の名前を遺すもの」。しかし、僕の思う理想的なダイイングメッセージは、「シンプルで本当に伝えたいことを伝えるもの」。後者を実現したらとても素敵な物語になるのに……と思ったので、僕は自分でつくることにしました。


それが、僕の初書籍『Message』です。

本書の中では、「110」というダイイングメッセージが登場します。謎めいてはいますが、謎めく形になってしまった理由付けがされています。ダイイングメッセージの謎が明かされたとき、限りなくシンプルなメッセージだと分かります。

さらに、少しネタバレになってしまいますが、犯人の名前を表しているわけではなく、被害者が本当に伝えたいことを伝えているんです。

小説『Message』は、「シンプルで本当に伝えたいことを伝える」を追求した物語なのです。


📚noteというダイイングメッセージ

小説『Message』を誰かに届ける作業を繰り返しているうちに、僕は多くの人にダイイングメッセージを遺しにいっているような感覚になったんです。

作品は時を超えます。一生残るものです。どれだけ自分が老いろうとも、自分の命を閉じてからも、作品は生き続けます。死後にも生者に対して伝え続けるのが作品です。作者の死後に作品を通して作者のことを研究したり、作者のメッセージに心を動かされたりするじゃないですか。

作品はダイイングメッセージに成り得るものなのです。


もっといえば、僕たちは常に死に向かっているじゃないすか。生きるとは寿命を削ることですから、死ににいっていると考えることもできます。死を悟って遺すものがダイイングメッセージならば、僕らが未来に向けて遺すものは全て、ダイイングメッセージといえるのではないでしょうか。


僕は毎日noteで記事を書いて発信していますが、そのひとつひとつもダイイングメッセージです。noteというプラットホームが消えない前提の話にはなりますが、どれだけ時が過ぎようと、僕がいつかこの世を去ろうと、記事は残ります。記事に託した思いは、ダイイングメッセージとして残り続けるんです。

それを思うと、noteの記事ひとつとっても生半可な気持ちで書きたくはありません。自分に正直に、ちゃんと日々と向き合って、その姿勢と、思考の過程と、明日につながる学びを書き留めていこうと思いました。

最後まで読んで下さりありがとうございました。

20230223 横山黎



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?