【東京スカイツリー謎解き】時を超える手紙の謎を解いてきた。
ーー解き明かされるのが宛名だからこそ、投函する手間を用意するからこそ、「手紙」がテーマの謎解きイベントとしての体験的価値が高まるんですよね。
人生は物語。
どうも横山黎です。
作家、木の家ゲストハウスマネージャー、FMぱるるんのラジオ番組「Dream Dream Dream」のパーソナリティーとして活動しています。
今回は「全ての要素が収束するように、物語や体験を設計する。」というテーマで話していこうと思います。
🏨郵政博物館が舞台の謎解き
先日、東京スカイツリーの麓にある東京ソラマチの9階にある郵政博物館で開催された謎解きイベント「郵政博物館と時を超えた謎の手紙」に参加してきました。
これは、郵政博物館の館内を歩きながら時空に迷い込んだ手紙の謎を解き明かしていく周遊型の謎解きイベントです。博物館のなかにある展示物をみないと解けないんです。謎解きを入り口に、手紙や郵便の歴史を知られるというわけです。
エントランスでキットを受け取ったら、公式LINEを登録します。提示される選択肢をどれか選んでいくと物語が進んでいくのです。
謎を解く鍵は郵政博物館の館内にあります。展示されているポスト、銅像、切手などを手がかりに、郵便配達人として、時空に迷い込んだ手紙を元の時代に戻してあげる任務を遂行していくのです。
結論からいうと、めちゃくちゃ満足度が高かったんです。難易度がちょうど良くて、体験としての価値がすごく高くて、手紙好きにとっては最高の演出が最後に待っていました。
なかでも、満足度が高まった要因として、「すべてが手紙に集結していったから」が挙げられると考えます。
🏨「宛名」と「投函」
さっきも触れましたが、謎も演出も物語も「手紙」や「郵便」ならではなんです。あんまり詳しく語るとネタバレになっちゃうし、これに関してはできる限り何も知らずに参加してほしいから最小限に済ませますね。
一つ目の手紙の謎を解くと明らかになるのは、その手紙の宛名です。で、その手紙を郵政博物館のなかにあるポストに入れる指示が出るんですね。そのポストのところに行き、正しく宛名を打ち込むと、そのポストが開くんです。開いたポストのなかには手紙ひとつぶんの穴が空いているので、謎解きをした手紙を投函するんです。で、新しい手紙を受け取って次の謎解きに進むという流れなんです。
ここで注目したいのが、「宛名」「投函」という単語。言うまでもなく、手紙にまつわる単語ですよね。それを謎解き体験のなかに組み込んでいるのが、このイベントの魅力だと考えます。
別に謎解きの答えはなんだっていいわけじゃないですか。別の単語でも、短い文章でもいい。謎を解いた手紙を投函する手間をつくらなくたっていいんです。でも、解き明かされるのが宛名だからこそ、投函する手間を用意するからこそ、「手紙」がテーマの謎解きイベントとしての体験的価値が高まるんですよね。
🏨全ての要素が収束するように
今回、郵政博物館の謎解きをしにいったのは、今度謎解きイベントを開催するからです。僕と、僕の後輩で、泊まれる謎解き「花火の幽霊~木の家ゲストハウスからの脱出~」という謎解き体験コンテンツをつくるんです。
僕の職場の木の家ゲストハウスを舞台にして、「花火の幽霊」にまつわる真実を解き明かしていく体験型のイベント。シナリオを僕が担当して、謎制作を僕の後輩が担当しているんです。
ふたりで一緒にあれこれ議論しながら進めているんですが、そのときに僕が意識していることが、「どうすれば全ての要素が収束していくか」です。
郵政博物館の謎解きでいえば、「手紙」の物語だから、謎の答えが宛名であり、謎が解かれる度に手紙を投函するという手間が用意されていたわけじゃないですか。ひとつひとつの細かい謎も、最後に解きごたえのある大謎も、全部手紙にまつわる要素が絡んでいました。
「花火の幽霊」の物語をつくるときも、後輩と謎の打ち合わせをしているときも、僕は常に、既にある要素とどう絡めるのかを考えているというわけです。「花火」や「幽霊」といった要素とどう絡めるか、ストーリー的にどんな演出がいいのか、それを意識しているんです。
だからこそ、降りてくるアイデアもあるし、見たい景色も増えていきます。おかげさまでいいコンテンツになりそうです。
泊まれる演劇「花火と幽霊~木の家ゲストハウスからの脱出~」は8月19日~20日にプレ公演を行います。まだ粗削りな部分もありますが、宿泊しつつ謎解き体験もできるので、是非、ご参加ください! 最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
20240726 横山黎
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