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大学生作家が本を出版する夢を叶えるまで

――僕は新人賞を狙いにいくこともなく、ニーズにこだわらず、自分の書きたいことを書きたいように書きたいだけ書いて、それを本にしようと決めました。


人生は物語。
どうも横山黎です。

今回は「大学生作家が本を出版する夢を叶えるまで」というテーマで話していこうと思います。

毎月最終日には需要とか無視して、僕が残しておきたい自分のことをつらつらと書いた記事を投稿しています。今月もその日がやってきました。すっごく個人的な話ですので、あらかじめご容赦ください。


◆小学生の僕は夢を見る


小学5年生の頃、小説を書き始めました。初めて書いた作品は何だっただろう。タイトルも内容も忘れました。ただ、作品のために地元の神社を訪ねたことは覚えています。僕は東京都北区西ヶ原の出身なんですが、家のそばにある平塚神社という場所があるんですね。そこを友達を連れて訪ねた記憶があります。

たぶんミステリー作品を書こうとしていましたが、話もまとまらず書き出すこともなく、頓挫したはずです。だからこんなにも忘れているのでしょう。僕の初めての小説体験は、取るに足らないものでした。


それでも書くのは好きになったので、続けていました。

中学受験のときのことです。僕が受けようとしていた学校は適性試験の形式だったのでめちゃくちゃ書かせます。それに慣れておこうと思い、日々のニュース等について自分が思うことをルーズリーフ1枚に収まるように書いていました。

小学校6年生の時は受験組の配慮もあって、課せられる宿題はほぼなかったんですが、僕は自主学習としてそのルーズリーフを提出していました。先生はちゃんとコメントを書いて返してくれて、褒められたコメントがあるとそれを読んで一人にたにたしていました(笑)


小説の話と少しずれてしまいましたが、「小説」とか「物語」以前に、僕は言葉や文章が好きだったし、小学生の頃から、自分の伝えたいことを伝える行為を重ねていたのです。

きっとそこに生きる上でのヒントが隠されていて、僕はその道を歩いていこうと、当時からぼんやりと考えていたんだと思います。


そんな僕が卒業文集に書いた、将来の夢は……。

小学校の卒業アルバム


◆中学生の僕は夢を望む


中学生になってからも僕の小説に対する情熱は変わらずにあって、日々小説を書いていました。

「正義」がテーマの長編小説を書いたこともありました。読んでくれた親友から「最後、泣いた」っていう感想が送られてきたっけ。それくらい心を揺さぶる物語が書けたことに素直に喜んだことを思い出します。


さて、中学2年生のときのこと。

さっきも触れましたが、僕は東京都北区という町で暮らしていました。その北区が主催する「北区内田康夫ミステリー文学賞」という文学賞があります。中学2年生の僕はその存在を知り、『王子の月』という作品を書いて提出しました。

王子というのは、北区の地名です。北区を舞台にすることが条件ではないし、採点の対象外ではあるんですが、この際だし北区を舞台にしようと決め、王子を舞台に警察ものを書きました。


数か月後、北区のホームページを見て、中間結果を見てみました。

僕と僕の作品の名前が、そこにはあったのです。


応募数は200程度。そのときの1次選考を通過したのは13作品でした。もちろん、その文学賞は中学生だけの公募でありません。なんならおじいちゃんおばあちゃんばかりが応募者の印象です。そんな中で、中学2年生の僕の作品が、1次選考を通ったという形で大人から認められたことに、僕は胸を躍らせたのです。

結局2次選考は通りませんでしたが、「この夢の先をもっと見たい」と思うには十分すぎるほどの経験でした。



◆高校生の僕は夢を掴む


高校生になり、僕は文芸部に入部しました。いろんな人の作品を読んでみたいと思ったし、そういうコミュニティに属していたいと思ったからです。

3カ月に1度、部誌の発行があり、それに向けてみんな新作を書き下ろすのが定例でした。よって、コンスタントに小説を書いていました。しかし、それとは別に、僕は夢の続きに関心があったので、新人賞用の作品も書いていました。


高校2年の夏頃、「北区内田康夫ミステリー文学賞」にリベンジしようと決め、新作を書くことに決めました。

実は、『王子の月』が1次選考を通ったとき、北区の方から審査員による作品へのコメントを郵送してくださいました。確か3人の方からコメントを頂いたんですが、その中の一人が「身の丈に合った作品を書いた方がいい」という指摘がありました。つまり、自分の年齢に近いキャラクターをメインに据えるべきで、大人の世界を描くよりも、自分の見ている世界を描いた方がいいということです。

その指摘を思い出した僕は、青春ミステリーを書くことにしました。タイトルは『秘密を夜に閉じこめて』。心霊騒動の真相を突き止めるべく真夏の夜の校舎に忍び込む中学生の男女2人の物語です。


伏線にもこだわったし、タイトルにもこだわったし、読後感を大事にしたいから物語の終わり方にもこだわりました。当時の僕の「面白い」を詰め合わせた物語を提出しました。

結果、奨励賞受賞


1次選考を越え、2次選考を越え、最後残った5作品の中から、『秘密を夜に閉じこめて』は奨励賞を勝ち取ったのです。

高校2年の最後の月、授賞式がありました。各賞を獲得した人への表彰や選考委員からの講評がなされます。まだ薄寒い頃でしたが、僕には確かに春が訪れていました。

同じ受賞者の方々と昼食を共にする機会にも恵まれました。見知らぬ人から「これからも頑張ってください」と声をかけられたこともありました。叔母からは祝福の席を用意してくれて、銀座の高級レストランに招待されたこともありました。


「文学賞で賞を取る」というひとつの夢を叶えた僕は思いました。

夢を叶えるって、なんてステキなんだろう。


叔母が用意してくれたお祝いのケーキ


◆大学生の僕は夢を見続ける


大学生になった僕は、ついに本を出すことを決めました。

今や「本を無料で出版できる」時代で、Amazonのペーパーバックのサービスを使えば、コストゼロで本を出版することが叶うのです。僕はそれを知ったとき、文学賞のための小説だけを追求する必要はないのだと気付かされました。

本を出すだけなら、誰だってできるのです。新人賞で大賞を獲って書籍化を待つよりも、ずっと確実です。自分が動けば、本を出せるのです。成功確率は100%です。


ってなわけで、僕は新人賞を狙いにいくこともなく、ニーズにこだわらず、自分の書きたいことを書きたいように書きたいだけ書いて、それを本にしようと決めました。



紆余曲折はありましたが、無事、2022年6月29日に僕の初書籍を出版することが叶いました。タイトルはMessage。僕の20年分の思いを込めた集大成です。

成人の日の夜に亡くなった青年が遺した「110」というダイイングメッセージの謎を解くヒューマンミステリーです。ここまで綴ってきた僕の歴史が全部ここに詰まっています。Amazonにて1100円で販売しています。是非、手に取ってみてください!

ちなみに、まだ無名の僕が本を出したところで売れないのは百も承知だったので、毎日のように手売りをしています。手売りの際は1000円で売っているので少しお得です(笑)もし直接僕から買っていただける方は、コメント欄で教えてください。可能な限り、跳んでいきます(笑)



小説『Message』の舞台は、僕の地元、東京都北区。実在の施設や駅名が出てきます。物語キーとなる歩道橋は、僕の実家のすぐ近くです(笑)

でも、今こうして振り返ると、小学5年生と変わらないことをしています。

「地元を舞台に物語にする」

僕の初めての小説経験で成し遂げることができなかったことを、今、成し遂げることができました。小5の僕に胸を張って言えます。


大丈夫。

君が今手にした夢は、

ちゃんと叶う。


しかし、僕はまだ小学生の頃の夢の半分しか叶えられていません。本を出したから胸を張って「作家」とか「小説家」と言うことはできるけれど、「売れる」とはまだ言えません。


大学生の僕は、夢を見続けます。

あの日の僕の夢を、叶えにいきます。


最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

20220731 横山黎


小説『Message』手売り41.42冊目!
高校の同級生!真ん中は表紙を描いてくれた人!😁

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