マガジンのカバー画像

飲食店アルバイト50代お局様

20
私が働いていたちょっぴり民度低い飲食店での経験をまとめた連続小説です。
運営しているクリエイター

記事一覧

飲食店アルバイト50代お局様‼第20話 お局の標的が現れた

飲食店アルバイト50代お局様‼第20話 お局の標的が現れた

ついにお局一号さんにキレた私だがそれが原因で余計につらく当たられる。私の怒りは一時的に発散されたが仕事中わからないことが出てくるとそれを聞けるのはお局一号だけ。結局仕事を円滑に回すには私が折れるしかない。謝った後はひたすら後悔していた。

一方一号さんの対応は一気に軟化しニコニコしてまたどうでもよいこと話しかけてくる。
一号「ねえ、〇卓の客気持ち悪い。ずっとこっち見てる。」
はあ・・・確かに見てる

もっとみる
飲食アルバイト50代お局様!!第19話 キレたはいいがわからないときは誰を頼れば?

飲食アルバイト50代お局様!!第19話 キレたはいいがわからないときは誰を頼れば?

ついにお局様にキレてしまった・・・
それにしても狭いパントリーですれ違うたび「ちょっとじゃま!」「どいてくんない?」と怒気をはらんだ声で当たってきて仕事しにくいったらありゃしない。
怒りと恐怖で手が震えてトレンチが持てない。
トレンチをひっくり返してソファーから床まで水浸しで余計な仕事が増える。
所詮お局の才能がある人に対抗しても凡人の私は平常心も保てない。
情けない。帰りたい。もう仕事したくない

もっとみる
飲食アルバイト50代お局様!第18話 人が失敗するのを見張ってるお局 ついに私はキレた   

飲食アルバイト50代お局様!第18話 人が失敗するのを見張ってるお局 ついに私はキレた   

 日曜日人が足りないので入ってくれと頼まれシフトを入れた。
憂鬱だ。一号さんがいる。また怒られたらどうしよう。
朝から店内はけっこうな賑わいを見せている。
職場の人たちに挨拶する。
会ったこと無い男性がキッチンにいる三十代半ばの浅黒い肌で黒髪の男性。バングラの人かな?
挨拶して自己紹介も簡単にした。男性はニコニコしていて感じがいい。
良かった。
「おおー、救世主。」
私を見てそう言う一号さん。この

もっとみる
飲食アルバイト50代お局様!!第17話 仕事そっちのけで私の悪口言ってるお局 大変不快と言われ・・・

飲食アルバイト50代お局様!!第17話 仕事そっちのけで私の悪口言ってるお局 大変不快と言われ・・・

洗い場に下げ物を出すときキッチンの熊田さんと一号さんが話しているのが聞こえる。
「・・・・すっごい気が強い・・・・」
あ、私の事を話している。
でもテーブルには下げ物が溜まっているので私はホールの片づけを続ける。格好のネタになっているんだな。
私が仕事している間ずっとおしゃべりに興じている。
私のネタで盛り上がってる。

一号さんから受ける指導はメニューの略称の事だったか、レジの事だったか覚えてい

もっとみる
飲食アルバイト50代お局様‼第16話 お局のパワハラを副店さんから社長に伝えてもらった結果…

飲食アルバイト50代お局様‼第16話 お局のパワハラを副店さんから社長に伝えてもらった結果…

ある日私の出勤と副店さんと休憩が重なったので一号さんの指導がキツイことを話した。相談できる人がいなくて悩んでいる。二号さんは一度いじめられてるからもちろん信用できない。副店さんは信用できそうだと思ったからだ。
副店さん「ああ・・・あの人、若い子にはきついんだよね。二号さんも腹黒いからね。わかった。社長に言っとく。」
私若くないんだが・・・副店さんは二号さんは腹黒いのご存じなんだね。まあいいや。この

もっとみる
飲食アルバイト50代お局様‼第15話 優しくなったのは一度だけ、また元に戻った件

飲食アルバイト50代お局様‼第15話 優しくなったのは一度だけ、また元に戻った件

翌日二号さんとアルバイトに入ったが嫌な事言われなかった。単に機嫌が良かったのかな?それとも、もしかしたら一号さんが手をまわしてくれたのかも?ひょっとしたら本当に一号さんは頼りになる人物なのかもしれないぞ?

今日のシフトは一号さんの日だ。「この間マナさんが二号さんに注意してたからもしかしたらコマ井さんに対する態度があんまりだと思ったんじゃないかな?」と伝えられる。
「それとね、門野さんって知ってる

もっとみる
飲食アルバイト50代お局様‼第14話 怒る、イジる、仕事丸投げ…さすがに気持ちを伝えさせてもらう2 

飲食アルバイト50代お局様‼第14話 怒る、イジる、仕事丸投げ…さすがに気持ちを伝えさせてもらう2 

「あのね、でも私は良くないところは言っていくからね。コマ井さんの良くないところは人の話を聞かない、社長に対してハイハイって言うこの二点!これはダメです。絶対に!」
反論は許さないという威厳が感じられる。ていうかこの人本当に何者なんだ?バイト長?じゃあ、私もあなたの悪いところ言ってやりたいけどなぜか自分の意志に反して従順で当たり障りのない返答しかできない。
私「はい・・・悪いところは善処していきます

もっとみる
飲食アルバイト50代お局様‼第13話 怒る、イジる、仕事丸投げ…さすがに気持ちを伝えさせてもらう1

飲食アルバイト50代お局様‼第13話 怒る、イジる、仕事丸投げ…さすがに気持ちを伝えさせてもらう1

ひたすら下げものしてはスタンバイ。フロアを走り回る私。「お?コマ井さん動きが速くなってきたぞ。」と一号さん。
「え?そうですか?いつもと同じですよ。」と私。
「コマ井さんて面白いねー、あーおかしい。」と笑う一号さん。うん、私嫌われてない。一号さんは怒ってたかと思うと上機嫌で話しかけてきたり不思議な人だ。
フロアからバックヤードに戻ると副店さんと一号さんがずっと話してる。私を見てクスクス笑ってる。そ

もっとみる
飲食アルバイト50代お局様‼第11話 妹や夫に意見を乞う

飲食アルバイト50代お局様‼第11話 妹や夫に意見を乞う

一連の話を妹にした。
「飲食店って野性的な人が多いよね」との答えが返ってきた。居酒屋でバイトしてた時怒鳴る人がいたとか。確かに肉体労働だから野性的になるのかもしれない。今までの仕事を振り返るとコールセンター、事務の仕事ではキツイことは言われても乱暴な言い方はなかったように思える。でも漫画家のアシスタントでは修羅場ともなると先生が怒鳴りだす現場もあったか・・・

 夫のコマ男にも聞いてみることにした

もっとみる
飲食アルバイト50代お局様‼第12話 先輩はお客様ではない

飲食アルバイト50代お局様‼第12話 先輩はお客様ではない

一号さんは面倒見が良いタイプで本当に私の事をよく見ていた。
客席に行くときに忘れているものがあると「ちょっとちょっと、忘れてるよ」と言って渡してくれる。
そういうときの口調は子供に忘れ物を渡すお母さん風。三人も息子がいるからそういう言い方になるのかもしれないけど。
ただ機嫌が悪いのか、意地悪なのか言い方が嫌だった。
「しっかりしてください」「ちゃんとやってね」と付け加えて言われるのが嫌だった。指摘

もっとみる
飲食アルバイト50代お局様‼第10話 50代になりたくない

飲食アルバイト50代お局様‼第10話 50代になりたくない

お局2号さん
カウンターにアイスコーヒーが置かれている。これ、持って行った方がいいのかな?でも私が取ったオーダーじゃないし・・・と考えているうちに二号さんがやってきて自分のトレンチにアイスコーヒーを乗せて言う。
「あのさー、なんでドリンク来てんのに持ってかないの?」
うわぁ・・・怒ってる!
やっぱり私が持っていくべきだったんだ。
「あ・・・すみません。私が持っていきましょうか?」と二号さんに聞く。

もっとみる
飲食アルバイト50代お局様‼第9話 うるさいな平常心でいこう

飲食アルバイト50代お局様‼第9話 うるさいな平常心でいこう

一号さんの指導うるさい。
ちょっと間違えると飛んできて「ちゃんとやってね!」「ほら、これもでしょ、もー」配膳の際ダスター忘れたりすると「ほらほら忘れてるよ」
どんな細かいことも拾って指摘してくる。指摘してくれるのはいい。普通に言ってくんないかな?わざわざ怖く言って委縮させてどうしようというのだろう?
っていうかこういうの俗にいうお局様ってやつ?会社に長年いて新人をいびり倒すというあれか?思い返すと

もっとみる
飲食アルバイト50代お局様‼第8話 労働者の楽しみを減らされて悲しかった件と同調圧力と余計な遠慮

飲食アルバイト50代お局様‼第8話 労働者の楽しみを減らされて悲しかった件と同調圧力と余計な遠慮

「コマ井君、休憩入って」と社長に言われいつものようにパンと卵とカフェオレのセットをキッチンに入っているマナさんにお願いしようとしたらマナさんがこんなことを言い出した。

マナさん「コマ井さん、今日は3時間なので飲み物だけで・・・。」
私「え・・・?」
マナさん「今日は3時間だけなのでフードはちょっと・・・飲み物だけで・・・ええ、はい・・・」
こちらをじっと見つめ、うなづきながら語尾を濁している。

もっとみる
飲食アルバイト50代お局様‼第7話 朝から叱られて謝罪のピタゴラ装置発動した件

飲食アルバイト50代お局様‼第7話 朝から叱られて謝罪のピタゴラ装置発動した件

家から近い職場のはずだがついギリギリ到着になってしまうことが多かった。私はADHDの疑いがあり時間の先読みが苦手なのだ。
予定時間に間に合わせようとすると私の場合はかなり余裕をもって準備しなくてはならないのだがこの日は遅刻してしまった。
ほんの数分だが私は大きな声で「遅れてしまい申し訳ございません!」と謝罪し頭を下げた。
一号さんに「遅刻?気を付けてください。ちゃんと余裕を持って家を出ましょうね。

もっとみる