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ご自愛エッセイ

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特に人気だった作品です。弱さも、強さもひっくるめてどうぞ。あなたにそっと寄り添う言葉たち。
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2023年6月の記事一覧

今日がクライマックス

今日がクライマックス

この人生が、ドラマだとして。
私は、今どんなシーンにいるのだろう。

少し前までの私は、いつもそんなことばかり考えていた。あとどれくらい頑張ったら社会に賞賛される?あとどれくらい頑張ったら「当然っすよ」と胸を張れる?あとどれくらい頑張ったら、自分は自分のことを認められるのだろうと。そもそも。この「今」を、笑って振り返る日が来るのだろうか?それとも、全てが無駄になってしまうのだろうか?って。
そんな

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価値観の違いとかいうあれ

価値観の違いとかいうあれ

どうしても、許せないことがあるとして。

許せないことの正体は、私のこだわりなのか?それとも、相手のこだわりなのか?よく考えるようになった。

結論を先に言うと、大体のことはそのどちらかなんだ。ならば「許せないこと」に対して、百歩譲れるのは私か?はたまた相手か?一歩も譲れないのが私か?相手か?何歩なら譲れるんだ?歩み寄れる?譲れない原因はなんなんだ?と。そんなとこまで考えるようになった。なぜかって

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戦争とマスコミと私

緑も、青も。財も、愛も。ビルも、家屋も。
自らの在り方や、立ち上がり方さえも。
その全ての輪郭が無くなって、真っ黒の煙に包まれてしまう。この瞬間。人生をかけて、大切にしてきたものが、自分の目の前で意味を奪われ、空に舞う。そんな現実に何度も何度も何度も途方に暮れて。涙を飲み干して。亡くなって、逝く。現実。
日本の少し遠くでは今日も、生き残るための争いがあるんだ。意思とは別物の自分が、人を殺める使命に

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育児という無理ゲーに対して思うこと

育児という無理ゲーに対して思うこと

こどもとの時間は、夢のように過ぎていく。

そう分かっていてもだ。子供が散らかし放題のリビングを見てはイライラして、子供がご飯を残すたびに腹が立つ。「ご飯を残すなら、お菓子はなしだからね。」なんて。我が家は息子が痩せ型だからって、365日ピリピリしてる。心配をいいことに、小さいことですぐ追い立てるのが私だ。毎度「ダメ親が言う!子供に言ってはいけないセリフ◯選」でいうところの殿堂入り「早くして!」「

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「自死」と日本の風景

「自死」と日本の風景

⚠️描写につらい内容を含みます。
繊細な方は、お控えください。 

これは中学二年生の女子が書いた詩の一編。
彼女は、学校の3階、渡り廊下から
飛び降り自殺という形でこの世を去った。

とても詩的なこの詩は、彼女が最後までこの世の不条理を解いた、必死の叫びだったと私は思う。彼女は生きるためにペンを走らせたのだろう。わずかでも生きる理由を探していたのだ。誰よりも生きたかったのだ。

死にたくて、死ん

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うつの治し方

うつの治し方

「何かあったら、また来てください」

真面目そうなドクターは言った。
散々、弱音を吐いて「辛いんです」と嘆いたところで何かが治るわけではないのに、私は一年以上、精神科へ通い続けた。そして次の週もまた次の週も。

「何かあったら、また来てください」

私があの頃に貰っていたお薬は、「不安な時に飲んでください」ってお医者さんが言っていたのだけど。もしあれが薬じゃなくて、ラムネだったとしても気が付かなか

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