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運命と私

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運命には逆らえない。運命に翻弄されながら生きた女性の一生。
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2020年3月の記事一覧

運命と私99( 飲み会)

運命と私99( 飲み会)

8月になりさらに暑い日が続いていた。

暑気払いは強制参加なので、
全員が参加した、
もちろん江藤も参加していた。

私と江藤は離れた席に座っていたけど、
中谷が私の隣に座り、
「江藤さんの近くじゃなくていいんですか?」と聞いて来た。

「なんで私と江藤さんをくっつけようとするの?
江藤さん奥さんいるでしょ!私も彼氏がいるんだから!」

「そうですよね・・・
実は私、だいぶ前に2人が一緒にいるとこ

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運命と私98( 不信感)

運命と私98( 不信感)

「川崎さん来週の金曜日って暇ですか?」

後輩の中谷が聞いて来た。

「来週?べつに予定は無いけど・・・」

「みんなで暑気払いをしようって社長が言ってて、
川崎さんも参加ですね。」

中谷は相変わらず少し変わっている。

私は参加するなんて一言も言ってない、
でも社長が来るなら強制飲み会なので欠席は許されない。

「この前、忘年会をやったお店に仕事が終わったら集合です。」

「うん、わかった。」

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運命と私97 (嫌いな自分)

運命と私97 (嫌いな自分)

私は家に帰ってお弁当を2個食べた。

お腹がいっぱいで苦しい・・・

祐一が嘘を付くなんて・・・
どこにいたの?
まさか女?
祐一に限ってそれはないよね?

何で家の前にいること言わなかったの?
何で何をしているのか聞かなかったの?
「どこにいるの?」の一言なのに、
その言葉が出て来なかった。

祐一が浮気してるなんて思えない、
何か理由があったのかもしれない。

でももし浮気していたらと考えると

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運命と私96 (動揺)

運命と私96 (動揺)

私は家に帰って来た。

お風呂に入り顔を見ると目が腫れていた。

「明日には腫れが引いてるといいけど・・・」

次の日はどうにか腫れをお化粧で誤魔化し出勤した。

江藤とはいつも通り目を合わせることもなく、
いつも通り仕事をした。

もう2人では合わないと決めたけど、
私は江藤と2人で会いたくて、
江藤とセックスがしたいと心の中では思っていた。

会ってはいけないと思うと余計会いたくなり、
忘れな

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運命と私95(本当の最後)

運命と私95(本当の最後)

今度の火曜日、
タクシー代を返すのが最後でもう会わない。

これで本当に最後だから、
もう会わないから、
最後にもう1度だけ会わせて。

私は心の中の自分の許しを請う。

心の中の私は無にも言わなかった。

火曜日の暑い夜に、
りょうさんのお店に行くと、
いつもの席に江藤は座っていた。

私は江藤の隣に黙って座った。

江藤は驚きもしないで、
「何飲む?」と聞いて来た。

「今日は暑かったからビー

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運命と私94( 反省)

運命と私94( 反省)

祐一が「結婚」なんて言葉を出すから、
おとうさんとおかあさんは私を無視して祐一と話し出した。

「みづきもいい歳だから結婚を考えてくれて嬉しいわ。
ねっお父さん。」

「うん、結婚を考えているなら早めに行動しないと、
あっという間に年月は過ぎるから。」

「はい、仕事がもう少し落ち着いたらって思ってました。
みづきさん優しくてマメな人で、家事は得意で料理もおいしいし、
働き物で真面目な人なので、理

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運命と私93( 結婚)

運命と私93( 結婚)

おかあさんとおとうさんは顔を見合わせていた。

「わかったみづきが言うなら今日はその話しはしないけど、
ちゃんと考えてよ。」

「わかってる。」

場の空気が重くなった。

少しして祐一が到着した。

「遅くなってすみません、
みづきさんとお付き合いさせて頂いてる、
北沢祐一です。」

「はじめまして、みづきの父です。」

「はじめましてみづきの母です。
随分男前だね、今日はお仕事だったの?」

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運命と私92( 私の気持ち)

運命と私92( 私の気持ち)

予約したお店は、駅の近くにある料亭で、
個室になっていて落ち着いたお店だった。

「いいお店ね、良く来るの?」

「ううん、始めてだよ。
ねえ、彼とまだ結婚の話しとかしてないから、
あんまり結婚の話ししないでね。」

「そうなの?
あんたは結婚する気は無いの?」

「わからない、もう少し付き合ってから考えようと思って・・・」

「考えてるような年齢じゃないでしょ?
子供が産めなくなるよ。」

「わ

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運命と私91( 小さな2人)

運命と私91( 小さな2人)

次の日の夜、私は祐一に母のことを話した。

急な話しだから断られるかと思っていたら、
「いいよ、あいさつしないといけないって考えてたんだ。」

「無理にいいよ。」

「無理じゃないよ。」

「あっそう・・・」

祐一は何を考えているのかな?

両親と会うってことの意味わかっているのかな?

そして土曜日の夜、

私の両親と祐一とで会食することになった。
和食のお店を6時に予約した。

両親には5時

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運命と私90(断れない私)

運命と私90(断れない私)

「もしもし。」

「みづき?おかあさんだけど。」

「おかあさん?こんな夜にどうしたの?」

「みづき、かずこおばちゃん覚えてる?」

「覚えてるよ、おかあさんのおねえさんでしょ?」

「かずこおばちゃん入院したんだって。」

「えっ?どうしたの病気?」

「階段から落ちて骨折したんだって、
おかあさんとおとうさんで週末お見舞い行くんだけど、
みづきの家の近くの病院だから、
帰りにみづきとご飯食べ

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運命と私89( 天使と悪魔)

運命と私89( 天使と悪魔)

「私には彼氏がいるけど他に好きな人がいます。」

「最悪?」

「人を好きになる気持ちは自由でしょ?
すべての人の心は自由じゃなの?」

「はい?自由って意味間違えてない?
あなたのは自分勝手な行為で、人を傷付けてるよ。」

「誰も傷付いてないよ、
祐一にバレなければいいんでしょ?」

「それでいいの?心が痛くないの?」

「祐一だって私に嘘を付いてる。
話のつじつまが合わないことが多々あるし。」

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運命と私88( 甘い味)

運命と私88( 甘い味)

私たちは夜道を散歩しながら祐一の家に向かった。

祐一の部屋はいつもより綺麗だった。

私は紅茶をいれてアップルパイをお皿にに取り分けた。

「長野のお土産?でも男の人にアップルパイをワンホールって
めずらしいお土産だね。」

「彼女さんと食べて下さいってくれたんだよ。」

「そうなんだ、優しい人だね。」

アップルパイを一口食べると、
甘すぎないでしっとりしたおいしいアップルパイだった。

「昨

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運命と私87 (悪魔の割合)

運命と私87 (悪魔の割合)

会社に行くと江藤も眠そうだった。

中谷が私と江藤のことをチラチラと見ていたのが気になった。

なんで中谷は江藤の奥さんのことを知っていたのか?

私は睡魔と戦いながら仕事をしていた。

職場ではもちろん江藤と話しはしなかった。

仕事が終わり私は駅に向かいながら、
祐一にメールをした、
「今から電車に乗るけど、祐一仕事終わった?」

「俺も今から電車に乗る、駅に着いたら電話して。」

「了解!」

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運命と私86( 無感覚)

昨日の夜は・・・?昨日じゃなくて今日の明け方、
ホテルからタクシーで家に帰って来た、
江藤がタクシー代と言って1万円を私に手渡した、
「いりません!」
そう言ったけど江藤は別のタクシーに乗り込んで帰ってしまった。

タクシーの中で携帯を見ると、
祐一からメールが来ていた。

「同僚からおみやげにアップルパイもらったんだけど、
賞味期限が明日なんだ、明日会社の帰りに食べに来ない?」

行くの面倒だな

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