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筑波山麓の雑木林に囲まれた山小屋で猫のピーと棲んでいます(二住生活)。 自然とくに植物…

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筑波山麓の雑木林に囲まれた山小屋で猫のピーと棲んでいます(二住生活)。 自然とくに植物と珈琲と本が好き。 ここでは自然の移ろいや日々の出来事をnoteします。

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記事一覧

週一日の珈琲マスター

僕は週に一日のコーヒーマスターである(笑)。8年ぐらい前に、お隣の奥さんから、今まで空家だった古民家をお茶でも飲みながら本が読める場所にしたいので、僕にコーヒー…

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3日前
34

ALL ABOUT COFFEE

昼食に何処かに行こうと小屋を出ようとしたら、郵便配達がウイリアム・H・ユーカーズの『ALL ABOUT COFFEE -コーヒーのすべて』(角川ソフィア文庫 2017)を届けてくれた。…

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9日前
24

雲が好きだ

僕は子供の頃から雲を見るのが好きだった。小学校の帰り道、雲を眺めては、似ている動物を当てはめて遊んでいた。この歳になっても、相変わらず青空に浮かぶ雲を眺めるのが…

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10日前
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柳田國男自筆 『原本 遠野物語』

先日(16日)、布川の「柳田國男公苑」を訪れたので、また彼の『遠野物語』をじっくりと読みたくなった。合わせて、最近、もっと自由にのびのびと万年筆で文字、特に漢字を…

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2週間前
24

「大人形」を見に

小屋を東に少し走ると霞ケ浦が横たわり、それに接するように関川地区がある。関川地区は、主要道路や交通機関から離れ、都市の喧騒からも隔絶されて昔からの暮らしが静かに…

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2週間前
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柳田國男の少年期

流山の自宅から八郷の山小屋へ戻る際に、東に大きく遠回りして、千葉県の布佐で利根川を渡り対岸の茨城県の利根町布川へ出た。ここは、僕が尊敬する柳田國男が多感な少年時…

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2週間前
19

川魚専門店 『川せみ』

田舎を走っていて、ふと、この道は、昔通ったことがあるかもと思った。昔とは4、50年ほど前の昔。まだ、息子が幼い頃、家族で宇都宮のおばあちゃんの家に行くのに何度か通…

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2週間前
19

小さな驚き 二つ

少し行った先に、「宮山」という周囲を田んぼで囲まれた島みたいなところがある。ほぼ全域が公園になっていて、南端には農産物直売所と「宮山観音堂」がある。観音堂の裏に…

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3週間前
23

真夏のマルシェ

神社前の広場で、小さなマルシェが開かれた。 強烈な真夏の光と子供たちの悲鳴が、 僕の憂鬱な気分を吹き飛ばしてくれた。 ありがとう マルシェ!

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3週間前
15

コーヒーの完全自家調達を目指して

約三年ほど前、小屋の部屋に緑が欲しくて小さなコーヒーの鉢を300円で買ってきて窓際に置いた。その後、コーヒーの木は冬の寒さにも耐えて、ぐんぐん大きく育ち、今では高…

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3週間前
34

夜刀神に会いに

『常陸風土記』の行方郡の段に、角を生やした蛇体の神の話が出てくる。その遺称地とされる夜刀神社と椎井池に行ってきた。神社は小高い丘の上にあった。丘の下は谷になって…

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4週間前
23

狐の剃刀(きつねのかみそり)

栃木県の山里を走っていたら、チラリと山の斜面に赤い花が咲いているのが目に入った。「ああ、きっとキツネノカミソリに違いない」と思ったが急いでいたので、帰りに確認す…

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1か月前
33

クサギの花

昔の金鉱山跡を探していたら、坑道の近くでクサギ(臭木)の花が咲いているのを見つけた。クサギは日本全国のどこでも見られるありふれた低木である。現代の分類法ではシソ…

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1か月前
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『八柱神社』あるいは『聖天堂』

昼食に隣町にある『べんがら庵』で「激辛トマト坦々麺」を食べた帰り、近くの『八柱神社』に寄った。ここには数年前にも訪れたことがある。参道の階段を登り、まず目につい…

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1か月前
33

ハスの花

茨城県は、レンコンの生産量が日本一である。霞ヶ浦に近づくにつれ次第にハス田があちこちに目立つようになり、湖畔近くになると見渡す限り一面のハス田が広がる。夏、今頃…

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1か月前
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真壁の祇園祭

益子に行った帰り、今日から真壁町の祇園祭が始まるというので五所駒瀧神社へ宮出しを見に行った。この神社は、創建が平安時代の長和3年(1014)というから相当に古い。承…

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1か月前
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週一日の珈琲マスター

週一日の珈琲マスター

僕は週に一日のコーヒーマスターである(笑)。8年ぐらい前に、お隣の奥さんから、今まで空家だった古民家をお茶でも飲みながら本が読める場所にしたいので、僕にコーヒーを淹れてくれないかと言われた。僕も、「お茶を飲みながら静かに本が読める場所もいいかも」と思ったので引き受けることにした。もう、それから8年、真冬と真夏を除いて毎週一日、土曜日だけオープンして、自分で焙煎した豆でコーヒーを淹れている。

その

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ALL ABOUT COFFEE

ALL ABOUT COFFEE

昼食に何処かに行こうと小屋を出ようとしたら、郵便配達がウイリアム・H・ユーカーズの『ALL ABOUT COFFEE -コーヒーのすべて』(角川ソフィア文庫 2017)を届けてくれた。この本は以前から読みたいと思っていたが入手困難とかで、なかなか実現しなかったのだ。忘れかけていた今頃になって届いた。早速、昼食が済んでから、市立図書館に持ち込んで読み始めた。ここは冷房が効いているので(小屋にはクーラ

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雲が好きだ

雲が好きだ

僕は子供の頃から雲を見るのが好きだった。小学校の帰り道、雲を眺めては、似ている動物を当てはめて遊んでいた。この歳になっても、相変わらず青空に浮かぶ雲を眺めるのがたまらなく好きだ。ふと見上げた空に美しい雲が浮かんでいるのを見つけると、実際に行ったこともないのに、「この雲は地中海の小さな漁村の空に浮かんでいたな〜」とか、「アメリカの草原のはるか遠くの地平線上にもあった」、「北欧の冷たい海の上に浮かんで

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柳田國男自筆 『原本 遠野物語』

柳田國男自筆 『原本 遠野物語』

先日(16日)、布川の「柳田國男公苑」を訪れたので、また彼の『遠野物語』をじっくりと読みたくなった。合わせて、最近、もっと自由にのびのびと万年筆で文字、特に漢字を書きたいと思っていた。昔の人は、速くスラスラと書くために行書や草書を日常的に使っていたのだろう。僕もそれを真似したくなって、テキストとなる本を探していた。

たまたま、この二つを同時に叶える本を見つけた。2022年に岩波書店から発行された

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「大人形」を見に

「大人形」を見に

小屋を東に少し走ると霞ケ浦が横たわり、それに接するように関川地区がある。関川地区は、主要道路や交通機関から離れ、都市の喧騒からも隔絶されて昔からの暮らしが静かに営まれている。
 この関川地区では、江戸時代から地域の人々によって、毎年、盆明けの16日に「大人形」作りが続けられている。今年も行ったが、見たのは長者峰集落の一体のみで、代田集落は今年から作るのを止めたようだ。
集落の辻の角に、昨年のが朽ち

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柳田國男の少年期

柳田國男の少年期

流山の自宅から八郷の山小屋へ戻る際に、東に大きく遠回りして、千葉県の布佐で利根川を渡り対岸の茨城県の利根町布川へ出た。ここは、僕が尊敬する柳田國男が多感な少年時代を過ごしたところである。彼は、明治二十年(1887)に兵庫県神崎町から、長兄の鼎(かなえ)を頼って家族から離れて一人でこの地にやってきた。すでに兄は布川の小川家の離れで医院を開業していた。この時、柳田國男は13歳。その頃の肖像写真を地元の

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川魚専門店 『川せみ』

川魚専門店 『川せみ』

田舎を走っていて、ふと、この道は、昔通ったことがあるかもと思った。昔とは4、50年ほど前の昔。まだ、息子が幼い頃、家族で宇都宮のおばあちゃんの家に行くのに何度か通った。
しばらくしたら「川魚専門店『川せみ』」の看板が現れた。これを見て、「間違いなく昔通った道だ」と確信した。当時、街を抜けた田んぼの中に、一軒だけポツリと小さな店があったのを覚えている。手前には川が流れている。店の名前が『川せみ』とい

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小さな驚き 二つ

小さな驚き 二つ

少し行った先に、「宮山」という周囲を田んぼで囲まれた島みたいなところがある。ほぼ全域が公園になっていて、南端には農産物直売所と「宮山観音堂」がある。観音堂の裏には5世紀早期の「宮山観音古墳」という前方後円墳がある。それを横切るように北に向かって鹿島神社の参道が伸びている。まず、僕が驚いたのは、その鹿島神社の裏手の小高い山頂(標高48m)にある「宮山石倉遺跡」である。

宮山石倉遺跡は、南北7m(?

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真夏のマルシェ

神社前の広場で、小さなマルシェが開かれた。
強烈な真夏の光と子供たちの悲鳴が、
僕の憂鬱な気分を吹き飛ばしてくれた。
ありがとう マルシェ!

コーヒーの完全自家調達を目指して

コーヒーの完全自家調達を目指して

約三年ほど前、小屋の部屋に緑が欲しくて小さなコーヒーの鉢を300円で買ってきて窓際に置いた。その後、コーヒーの木は冬の寒さにも耐えて、ぐんぐん大きく育ち、今では高さが1メートルにもなった。四季を通して、みずみずしい濃緑の葉を繁らせている。喜んでいるのは僕だけではない。雨蛙もすっかり葉の上が気に入ったようだ。

コーヒーの木が、僕のところに来るまでには長〜い歴史がある(笑)。
コーヒーは、少なくとも

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夜刀神に会いに

夜刀神に会いに

『常陸風土記』の行方郡の段に、角を生やした蛇体の神の話が出てくる。その遺称地とされる夜刀神社と椎井池に行ってきた。神社は小高い丘の上にあった。丘の下は谷になっていて、そこに椎井池がある。池と言っても泉で、底からコンコンと澄んだ水が湧き出ている。少し先には木々に囲まれたどんよりとした沼がある。あたりは椎や白樫の巨木、竹、杉などが鬱蒼と繁って薄暗く、あまり気持ちの良いところではない。もちろん誰もいない

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狐の剃刀(きつねのかみそり)

狐の剃刀(きつねのかみそり)

栃木県の山里を走っていたら、チラリと山の斜面に赤い花が咲いているのが目に入った。「ああ、きっとキツネノカミソリに違いない」と思ったが急いでいたので、帰りに確認することにした。

やはり、そうだった。斜面一面にキツネノカミソリが咲いていた。春先にいち早く球根から細長い葉を出してしげらせるが、他の草が繁茂する夏には枯れて、今度は花茎を伸ばしてお盆の頃に鮮やかな橙色の花を咲かす。名前の由来は、花の色がキ

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クサギの花

クサギの花

昔の金鉱山跡を探していたら、坑道の近くでクサギ(臭木)の花が咲いているのを見つけた。クサギは日本全国のどこでも見られるありふれた低木である。現代の分類法ではシソ科クサギ属に入れられている。気の毒な名前の通り、葉に独特の臭いがある。しかし、長いおしべを突き出している花は、甘い香りがして意外に美しい。よく大型のチョウやガが訪れている。

秋に熟する果実はもっと美しくて、赤い萼の上に藍色の丸い液果を乗せ

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『八柱神社』あるいは『聖天堂』

『八柱神社』あるいは『聖天堂』

昼食に隣町にある『べんがら庵』で「激辛トマト坦々麺」を食べた帰り、近くの『八柱神社』に寄った。ここには数年前にも訪れたことがある。参道の階段を登り、まず目についたのはケヤキの巨木である。胴回りは9mぐらいあろうか?樹齢は不明だが何百年だろう。すでに主幹部分が腐って空洞になっていて、外側の樹皮部だけで生きている。その姿はこの場所に相応しく、魁偉というか神々しい。ケヤキからすれば当たり前だが、以前僕が

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ハスの花

ハスの花

茨城県は、レンコンの生産量が日本一である。霞ヶ浦に近づくにつれ次第にハス田があちこちに目立つようになり、湖畔近くになると見渡す限り一面のハス田が広がる。夏、今頃は花の季節。白やピンクの花や蕾が、濃緑の大きな葉の間から首をもたげている。時折吹く風が葉をそよがせて、葉裏の薄緑色をチラリとのぞかせる。

ハスは、魅力的で神秘的な植物である。原産地はインド亜大陸とその周辺で、それが中国を経由して日本に帰化

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真壁の祇園祭

真壁の祇園祭

益子に行った帰り、今日から真壁町の祇園祭が始まるというので五所駒瀧神社へ宮出しを見に行った。この神社は、創建が平安時代の長和3年(1014)というから相当に古い。承安年間(1171)に、真壁城の初代城主の平長幹の一族が鹿島神宮の祭神武甕槌命の分霊を勧請したという。以降、真壁氏の氏神として崇められて、江戸時代には笠間藩主の祈願所でもあった。神仏混淆の時代にも、神道祭儀一筋を守り通してきたそうである。

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