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星のクラフト(骨子連載)

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星のクラフト(骨子連載中)
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2023年12月の記事一覧

連載小説 星のクラフト 2章 #1

 先程まで中に居たはずの建物が、目の前で一枚の絵画と木製のオブジェへと化したのをすぐには…

米田 素子
6か月前
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連載小説 星のクラフト 2章 #2

 ランとナツは樹木にもたれかかって座り込んでいる女の子に近付いていった。 「ナツから鍵の…

米田 素子
6か月前
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連載小説 星のクラフト 2章 #3

 ランは、ナツとその家族、鍵を失くしたと訴えたリオ、そして共に移動してきたパーツ製作員た…

米田 素子
6か月前
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連載小説 星のクラフト 2章 #4

 たった一人であるにも関わらず、ランの部屋は異様に広かった。第一、寝室、応接室、リビング…

米田 素子
6か月前
3

連載小説 星のクラフト 2章 #5

 ランがリオの部屋を訪れた時、すでに司令長官がソファに座っていた。 「ラン、今回の出奔成…

米田 素子
6か月前
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連載小説 星のクラフト 2章 #6

 リオは自身のパソコンを立ち上げ、鍵の写真が保存されているファイルを探し始めた。 「あら…

米田 素子
6か月前
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連載小説 星のクラフト 2章 #7

「わかっている範囲だが、さっきも言った通り、地球は0次元から21次元まである。そしてここは21次元だ。0次元で立体に見えていたものは2次元に見える。建物は絵画になってしまっただろう?」  司令長官はリオが部屋に持ち込み、壁に立て掛けている絵画を指した。 「あれは建物、そのものですか」 「その通り」 「建物を描いたもの、ではなくて?」 「ここでは絵画のように見えてしまっているだけだ。あれは事実として、君たちが存在していた建物だ。今ではもう、誰もいないが。ラン隊長の手腕で全員をこ

連載小説 星のクラフト 2章 #8

 司令長官はリオからオブジェを受け取った。  オブジェは白い屋根の平屋で、窓や出入口らし…

米田 素子
6か月前
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連載小説 星のクラフト 2章 #9

 思いも寄らない結果に、三人はしばらく黙り込んだ。 「ブラックホールが一体どういったもの…

米田 素子
6か月前
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連載小説 星のクラフト 2章 #10

 ランはソファに刺さった鍵の持ち手にそっと触れた。  ――これ、抜いても大丈夫だろうか。 …

米田 素子
6か月前
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連載小説 星のクラフト 2章 #11

「結局、リオの鍵は見つかったのか」  ナツはソファの上で胡坐をかいた。 「いや。司令長官の…

米田 素子
6か月前
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連載小説 星のクラフト 2章 #12

 ナツが帰って行くと、ランは窓を開けてテラスに出た。  テラスからは地平線が見える。その…

米田 素子
6か月前
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連載小説 星のクラフト 2章 #13

 大広間には、ラン、ナツ、リオ、パーツ製作員たち、そしてその家族たちが集められた。  司…

米田 素子
6か月前
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連載小説 星のクラフト 3章 #1

《ローラン、食べ物をちょうだい》  ローモンドの声で目が覚めた。声と言っても、私の中で響く声。 「食べ物って?」  彼女がどんなものを食べるのか知らない。 《その前に、まずはテーブルと椅子。ローランの心の中には食事の為のテーブルと椅子もないのよ》 「そんなはずはないけど。私、寝っ転がって食事をしたりしないわよ」  心外だった。 《でも、ないんですもの。ひょっとしたら、子供の頃にどんなテーブルと椅子を使っていたか知らない、とか》  ローモンドの声は少し憐れんでいるかのように聞こ