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通訳ガイドのこぼれ話

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通訳案内士の経験からのエピソードや外国人案内に役立つ話をまとめてあります
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#全国通訳案内士

日本は終わってないよ。自己紹介代わりに。

日本は終わってないよ。自己紹介代わりに。

通訳ガイドのぶんちょうです。
正式名称は「全国通訳案内士」です。外国から日本に来た旅行者に付き添って各地を案内する仕事をしております。

この職業はあまり知られてないようなので、ざっと書いておきますね。

ガイド期間は、数時間から数週間位まで。案内人数は、1人から数百人位までと色々です。あまり人数の多い場合はガイドが複数つきます。徒歩と公共交通機関の組み合わせや、専用車のみでの移動、団体を率いて大

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外国人もはまる芸者さんとのお座敷遊び

外国人もはまる芸者さんとのお座敷遊び

通訳ガイドのぶんちょうです。

お客様の案内で、久しぶりに東京で芸者さんとの宴に同席しました。
都内某所で3人の芸者さんと6人のお客様です。

朝から都内の観光地を精力的に回ったお客様は一旦ホテルに戻りました。
夜の宴席のためにドレッシーな服に着替えて登場した時は、男性も女性も文字通り見違えるほどで、私もドライバーさんも一瞬、別の方たちかと思ったくらいです。皆さん、50代から60代の方たちです。

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ガイド、お客様の依頼に…

ガイド、お客様の依頼に…

通訳ガイドのぶんちょうです。
通訳案内士にならなかったら、行ってないだろうなと思う場所にも色々と行き、経験させていただきました。

東京生まれで、今まで東京周辺の土地を離れて住んだことがないのですが、人の集まる場所にあまり興味がないせいか、好んで出かけるのはいつも田園風景の広がる田舎でした。

ガイドになって初めて、混雑極まる観光地、渋谷、原宿、新宿、浅草、築地などにしょちゅう出向くことになりまし

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ガイドのカバンの中

ガイドのカバンの中

通訳ガイドのぶんちょうです。
「スマホ、財布1、財布2、式次第」これは、そそっかしい私が仕事前に声に出して持ち物チェックする品物たち。

これさえあれば何とかなる。財布が二つあるのはプライベート用の財布とツアーで使う預かり金の入った財布を分けているから。「式次第」と言うのは、本当はツアーの旅程表のことで、つまり、その日、どことどこに、どの順番でお客さんを連れていくか、その他、大事なことを書きこんだ

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歌舞伎町ではちゃけたガイド

歌舞伎町ではちゃけたガイド

通訳ガイドのぶんちょうです。
「旅は楽しんだもん勝ち」の記事に登場した、めちゃくちゃ旅の楽しみ方を知ってるゲストの話の続きです。

さて前日は竹下通りで、食べ歩きしまくりの楽しいの中年グループさんたち。本日は新宿は歌舞伎町へと繰り出しました。

暮れかかる頃の新宿は、昼間とも夜とも違う微妙な雰囲気を醸し出してくれます。

昼間の東新宿はクセが強すぎて私は苦手。また、どっぷり暮れた後の、真夜中に向か

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通訳ガイド 中山道、鳥居峠を歩く

通訳ガイド 中山道、鳥居峠を歩く

通訳ガイドのぶんちょうです。
鳥居峠はかつて中山道で1番の難所と言われた場所。中山道の藪原宿と奈良井宿をつなぐ山道です。ゆっくり歩いて2時間強のハイキングコースです。

今回のルートは私にとって初めてのコース。しかも調べた限り、なかなか手強い山道であるらしい。まずはコースの下見、そして日をあらためて本番と2回の峠越えをしました。

スタートは中山道の薮原宿近くの薮原駅。ここから鳥居峠を越えて奈良井

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のんびりツアー願望

のんびりツアー願望

通訳ガイドのぶんちょうです。
先日の観光客はブラジルからでした。
朝の待ち合わせはホテルのロビー。

約束の時間に近づくと、そろそろ現れるはずのお客様を迎えるべく、ロビーでキョロキョロと辺りを見回します。

今日は6人家族のはずだから見逃すことはまずない。むしろ目立つはず。でもいない…。

ガイドが不安になるのは、約束の時間になってもお客様が現れない時です。

ひょっとしてホテルが違っていないか、

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アニメ聖地巡礼ツアーの下見

アニメ聖地巡礼ツアーの下見

通訳ガイドのぶんちょうです。
結局キャンセルになったのですが、アニメ聖地巡礼の仕事が初めて来ました。その下見で発見した聖地巡礼とは…。

外国人の入国制限下で、いつもと違う仕事に翻弄された今年の夏~初秋でしたが、振り返れば新しい場所を知ったりと、いい刺激になることが多く、ありがたい経験でした。

約一週間の東京ツアーをいただいたのは初めてのエイジェントさんからでしたが、ガイドし慣れた都内観光なので

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今、来日している観光客はどんな人?

今、来日している観光客はどんな人?

通訳ガイドのぶんちょうです。
6月から外国人観光客の受け入れが一部緩和され、街で外国人旅行者を見かけることが増えましたね。

私もガイド中に、お客さんを連れた同業者をちらりほらりと見るようになりました。

今、日本に来ている外国人観光客が、コロナ前に比べてラッキーなことは、とにかく「空いてる日本」を体験できていることです。主要な観光地はどこへ行っても、混雑し、何時間も並び、予約も取れない、乗り物も

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通訳ガイドの春夏秋冬

通訳ガイドの春夏秋冬

春の書入れ時

通訳ガイドのぶんちょうです。通訳案内士にとって一番の繁忙期は桜の咲く春。各国から「あの有名な日本の桜を見ようじゃないか」とやってきます。インバウンド業界の書き入れ時と言えるのが3月から4月にかけてでしょう。

ガイドは出払い、エイジェントも予約のタイミングの遅いゲストはツアーを断わらざるを得ません。知り合いのガイドいたら紹介してとエイジェントが悲鳴をあげる季節です。

エイジェント

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全国通訳案内士試験

全国通訳案内士試験

今週末は全国通訳案内士試験という国家試験が行われます。私もこの資格でガイドの仕事をしているのですが、世間一般には、あまり知られてい試験ですよね。

試験科目は五科目。「外国語」(私は英語です)「地理」「歴史」「一般常」「通訳案内の実務」です。1次試験は全て筆記で、科目によって差がありますが、目安として7割くらい取れると合格です。1次に合格すると2次試験に進めます。2次試験は口述(面接)のみです。2

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通訳ガイドは何でも屋さん(団体編)

通訳ガイドは何でも屋さん(団体編)

外国人のガイドをしているとよく「添乗員さーん」とか「ツアコンさーん」とか「通訳さーん」と呼ばれます。厳密には全く違う職業なのですが、ガイドは添乗員の仕事も通訳者の仕事も兼ねています。

添乗員はツアーコンダクターとも言い、資格は「旅程管理主任者資格」が必要です。通訳者になるには必須の資格はありません。旅程管理主任者資格はバスなどで団体を案内するときに必要な資格なので、おそらく多くのガイドは通訳案内

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ガイドの食事場所選び

ガイドの食事場所選び

通訳案内士としての大事な仕事の一つはレストラン選びです。しかも、これが結構、難しい時もあるのです。好み、アレルギー、宗教による制約、場所、さらに人数が多いほど、これをクリアする条件に合うレストランは絞られていきます。そして、なるべく和食を選ぶようにします。

例えば、4人家族の案内をしている場合、お父さんは肉だめ。お母さんは エビ、カニなどのは甲殻類だめ。息子ナッツアレルギー。娘ベジタリアン。など

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外国人の好きなランチ、ベスト3

外国人の好きなランチ、ベスト3

来日外国人の一番人気の食事は何か、一通訳ガイドとして勝手にベスト3を選んでみました。ちなみに私の場合は欧米の方が多いです。

来日の目的が「食べること」という人はかなり多く、特に若い人の食に対する期待は高いです。「食べ倒して帰るぞ」という意気込みを感じます。それだけ日本食はバラエティに富んでいるのですね。

ガイドの苦労のひとつが食事場所選びです。それについての記事はこちらです。https://n

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