sodaame

文章書いてます。

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  • 炭酸ソーダの水荘|交換日記

    • 22本

    世界の終りと平成ノート・ワンダーランド|平成最後の五月雨が降る日、僕らは遺書みたいに濡れて空を見る。これは、僕らが書く交換日記だ。|ツイッターの文章書き達がnoteで描く珠玉のエッセイ集|#交換エッセイ集

最近の記事

生活は器で、感性は水だ。

生活は器で、感性は水だ。 生活をしなければ崩れてしまうけれど、 感性を養わなければ干からびてしまう。 20代は感性を養うことに全力を尽くしきたけれど、生活がまともではなくて、器がポロポロと崩れては震えていた。 30代になり生活を整えようと、「生活!金!生活!金!」と奔走しては、綺麗な器ができたけれど、干からびてしまって、生きている目的がよくわからなくなってしまった。 理由はいらないけれど、目的はほしい。 なぜは問わないけれど、願望はほしい。 生まれてきたことに理由は問わ

    • もうずっと逃げるために

      生きているような気がするけれど、何から逃げているのか分からない。きっとよく分からない理不尽や、当たり前だと押し付けれるような正義とか、健全だと言って貼られる推奨の札や、そんなものから逃げて、流れ着いた場所だ。 よくわからない人たちが逃げてきた場所にはよくわからない人がきっと大勢いて、きちんと選べるような場所でもなかったのなら、余り物みたいな余生を分け合っている。あなたがいつか残したものとか、いらないと言って見なかったものや、気にも留めなかったものたちの残骸も、そんな風にどこ

      • 才能の手紙

        「才能なんて有るのだろうか。その切符が無ければ、これ以上書いていいのか分からない、無いならそれでやめておきたい、だけれどどうせ諦められないなら才能があって欲しい。才能分析をしなければ、性格テストを受けなければ、占いで運勢を見なければ、向いている? 才能は? 本当に? それでもまだ信じられない。そして例え才能が、性格が、資質が、もしも本当にないのだとしても、占い的に紙類はNGとか言われても、そんなことで諦められない」 「10年書き続けているそこの君、そう君だ、木星人は紙がNG

        • 羊文学と氷のホテル

          声は透き通るように響いて、今日も一日が終わるように、あなたのことだっていつか忘れる。だから今日のことをどうか、覚えないでいて。 ○ 最近音楽をあまり聴かなくなってしまって、代わりに延々と羊文学のアルバムを流している。「音楽を聴かない」という言い方は、一時期浴びるように音に触れて音楽が無ければどこにも出かけることのできなかった頃からすれば、随分と日常の音に紛れてしまったという意味だ。 音楽が救いだった。そこに溢れる感傷や琴線や想像力だけが、唯一の大人になる為の儀式だ。そうでは

        生活は器で、感性は水だ。

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        • 炭酸ソーダの水荘|交換日記
          22本

        記事

          7月が終わった。

          だからきっと、夏を逃げ切るのに忙しかったのだと思う。 ○ ちゃんと逃げ切れたかどうかの自信はないけれど、ちゃんと生き延びた自信はある。 なにせこうして文章を書いている。良かった、まだ人として息をする元気はあったのだ。ソーダ水は炭酸も抜けてぬるま湯になる。コーヒー牛乳を下さい。この夏は暑すぎるのです。 ○ いまだかつて継続できたものが息をすることしかない。それは流石に嘘だとしても、文章を書くことだけはどうやらなんとか途切れ途切れに息を継ぎつつやっているように思う。本当だろうか、

          7月が終わった。

          梅雨空グッドバイ

          最後の梅雨が終わってしまった。 だから、僕は鎌倉に行くことにした。 ○ まだ、きちんと紫陽花も見ていなかった。 まともに梅雨を味合わずに、会社と家の往復であった気がする。私はただ生きていたが、きちんとものごとを消化して、吸収して、栄養素を蓄えてはいなかった。ただ、排泄していた。 ここには雨の匂いがある。 そう信じて訪れる場所がある。 傘と「橋」を捕まえたら、私にとってその場所が梅雨だった。「橋」とは、ここではどんなものでもよい。向こう側へ行くための切符。キーとなる、ト

          梅雨空グッドバイ

          幕間 宝石の海岸

          □死に絶えた金魚と声のない人魚 ベッドにはもうはだけたあの子が泣いている。 網膜には金魚が泳いでいる空の青さとか。 死にたくなる日のラブホテルや、 声を失った人魚みたいに 何も言わないあの子。 もう悲しみが広がっている水槽や、 死んで魚が浮いている海岸とか。 ここは東京、新宿。 人が死んでいるように生きている街。 ○ 打ち付けられるように雨が降り続いていた。 もう紫陽花だって死にたくなるような孤独や、 土砂降りみたいで道路に跳ねている水音とか。 温度が溶けていくよ

          幕間 宝石の海岸

          交換日記2(1)宝石の鍵

          <2週目のお題「宝石の」> ある国の宝石の指輪は、手に入れた人が次々に死に絶える曰く付きの指輪だった。その指輪の持ち主であった王女は、裏切りの末に血縁にあったものに殺され、無念の宿った指輪は、次々と身に付けたものに不幸を授けている。 宝石には意味があるらしい。花言葉に意味があるように、誕生石に種類があるように、石にも効能や解釈があって、その中でも特に希少な石については、この世の中でも最上位の価格に設定されている。 「宝」であるなら、公共的な希少価値だけでなく、僕らの記憶

          交換日記2(1)宝石の鍵

          文系でもわかるITエンジニア概論|エンジニアとエントロピー

          1|□ 工学とエンジニア エンジニアリングは日本語で工学と訳す。 工学は理学と対になる学問である。 理学は「自然の原理を見つけ説明する」学問。 工学は「事物や環境を構築する」学問である。 エンジニアは「事物や環境を構築する」職業。 エンジニアリングとは「曖昧な不確実性を減らして行く過程のすべて」である。 「具体性・明確さを増やして行く」ことで、事物・環境の構築が完成する。 「決まっていないもの・具体的でないもの・確実でないもの」がエンジニアの敵である。

          文系でもわかるITエンジニア概論|エンジニアとエントロピー

          花咲病棟のアリス|(1)ネモフィラ

          母は花に包まれて死んだ。だから私は同じように、全身を花に埋め尽くされて、消えるように死にたい。そして花嫁のブーケみたいに、神様と結婚式をするのだ。その神様がだれかなんて、もうとうの昔に忘れてしまったけれど。 ○ 父と出会った時、母の左目は、すでにネモフィラが咲いていた。青く白い、美しく澄み切った花だ。父がその咲いた花に触れると、母は恥ずかしくなって俯いて、父の頬にキスをした。 「触ることは楽しいよ」 「いやです、恥ずかしいのだから」 「だけれど綺麗だよ」 「こんな

          花咲病棟のアリス|(1)ネモフィラ

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          炭酸ソーダの水荘|表紙

          炭酸ソーダの水荘|表紙

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          鉱石病棟のジョバンニ|外伝

          カンパネルラと僕がまだ一緒に遊んでいた頃、つまり父さんがまだきちんと僕の側にいてくれて、母さんも元気で、僕もお仕事をしていなかった頃、僕とカンパネルラはよく森の秘密基地で遊んだ。 その頃の僕たちは、森に点在する鉱石を集めては、父さんの所へ持っていき、その鉱石の名前や、組成分、硬度を聴いては、なるほどと頷いて笑った。なんだか賢くなったみたいで嬉しかった。 ◯ ある時、森でとても良く光る鉱石を見つけた。鉱石角灯は、鉱石を入れると反応して光る不思議のランプなのだけれど、その時

          鉱石病棟のジョバンニ|外伝

          炭酸ソーダのRPG心理学|入門|(2)

          RPG性格 基本|人間のMPの流れには外向と内向がある。 外向はMPが外へ内向はMPが内へ向きやすい。 視野|人間の視野は五感と直観がある。 五感は直列と感性、直観は並列と概念である。 思考|人間の思考は理性と感情がある。 理性は歯止と論理、感情は円滑と波動である。 判断|人間の判断は計画と柔軟がある。 計画は時間と進捗、柔軟は時流と気持である。 性格要素 外向E|剣士| : 内向I|杖士| 五感S|錬金|:直観N|魔法| 理性T|黒| : 感情F|白| 計画J|前中衛|:柔

          炭酸ソーダのRPG心理学|入門|(2)

          炭酸ソーダのRPG心理学|入門|(1)

          人間のあらゆる精神的な活動にはMPを使う。 MP|マジックポイント。精神力。気。念。 人間の基本活動はコミュニケーションである。 話す|MP消費1 対象にある情報を伝える。 笑う|MP消費1 対象のMPが1回復する。 聞く|MP消費1 対象からある情報を得る。 黙る|MP消費1 対象との話を遮断する。 スキル|MPを駆使した特殊な技能 書く|MP消費2 媒体に意思を伝達する。 描く|MP消費2 媒体に形象を伝達する。 撮る|MP消費2 媒体に瞬間を記憶する。 歌う|MP消費2

          炭酸ソーダのRPG心理学|入門|(1)

          炭酸ソーダのRPG心理学|目次

          目次

          炭酸ソーダのRPG心理学|目次

          炭酸ソーダのRPG占星学

          ヨーロッパの中世の時代、医師は占星学を学んだ。人間の身体は宇宙のサイクルと関連付けられて、病気や体調も読み取れる世界だった。 月日は流れ人間は科学的な知見以外を捨て去る様になり、医師は星座や宇宙のサイクルを学ぶことはなくなった。今は時刻の機構だけ残る。 僕らは時刻という無機質な事実とサイクルの歯車だけでなく、そこに解釈と意味を読み取る術を思い出す必要がある。かつて江戸末期に禁呪とされた陰陽師の六壬神課だけでなくて、忘れられ、捨て去られた知見は無数にある。 我々はここに、

          炭酸ソーダのRPG占星学