永月しおん

趣味で朗読をしています。 備忘録としてゆるゆると綴っていきたいと思います。

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マガジン

  • レオンファミリー

    • 7,574本

    共同マガジン|レオンファミリーの誕生日は2024年5月19日。 参加者は200名以上。 目的は愛を届けること。この一点。 トップの表示の文言やタイトル画面は変更しないでほしい。 変更された場合、予告なくマガジンから追放することがあるから注意。 詳しくはこちらから。 https://note.com/leon0812/n/ne50160a3b856?magazine_key=mfb3685bde725

最近の記事

中原中也 作『蝉』

https://youtu.be/6aukaKkuGC4 夏が来ました。 いつの間にやら蝉がわんわんと鳴いておりますね。 考えてみると、夏というのは不思議な季節だなと思います。 草木が濃く茂り、青空に入道雲が出ている様は非常に生命力を感じる夏の定番風景ですが、その一方で夏には儚い印象を抱くことも多いのです。 若くしてこの世を去った中原中也本人もまた、この『蝉』という詩や夏のイメージにぴったりと当てはまるような気がします。 短い命をパッと輝かせる蝉や蛍。 華やかだけど一瞬

    • 北大路魯山人 作『胡瓜』

      https://youtu.be/6y6XFnm5Vz4 毎日暑い日が続いていますね。 体の冷やしすぎもよくないですが、こんな時期はどうしてもトマトやキュウリなどの水分がたっぷり含まれた野菜が恋しくなります。キンキンに冷やして食べると、とっても美味しいですよね。 キュウリはどんな味付けにも合うシンプルな味と歯ごたえが魅力的で、季節を問わずよく食べられている野菜ではないでしょうか。 作中触れられているような漬物にすれば、ご飯のお供として毎日だって食べられそうです。 わた

      • 芥川龍之介 作『地獄変』

        俳優が時代劇に備えて乗馬を習ったり小説家が作品にリアリティーを持たせるため取材に赴くように、実際に見たり体験して自分がどう感じたかということは、表現活動において大きな力を持つと思います。 もちろん実際に体験出来ることばかりではありませんから創造力の豊かさは必要ですが、実体験に勝るものはないでしょう。 『地獄変』は、実体験によるリアルを求めるあまり身を滅ぼした絵師、良秀の物語です。 その目で見たものしか描けないと人を傷付け、ついには実の娘を見殺しにしてまで絵を描くことに没

        • 6月のまとめ

          あっという間に6月も終わり…! 梅雨に負けてダウンしている間に、もう今年も半分終わってしまったのかと思うと震えます。 気が付けばもう7月が来るなんて!熱中症対策をしっかりして、夏に備えたいですね。 そんな6月のまとめです。 竹久夢二 作『秘密』 少女たちの秘密の世界を描いた作品。 女の子は秘密を共有するのが好きですよね。 新美南吉 作『デンデンムシ』 雨の日と言えばカタツムリ。 世界の美しさを再認識できるお話だなあと思います。 中勘助 作『結婚』 ご縁というのは

        中原中也 作『蝉』

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          片山廣子 作『三本の棗』

          https://youtu.be/uX9Kh8KPNrI 育てている花が咲くといつも写真を送ってくれる母。 母は昔から植物が好きで、ベランダで色々と育てています。 わたしも小さい頃からどちらかというと植物は好きだったのですが、大人になるにつれて、より好きになっている気がします。母に似てきたのかな。 祖父母の家は、スーパーに行くにも山を下りないといけない田舎にあります。 自然に溢れた、というか自然しかないので、小さい頃祖父母の家に行くと、弟と家の周りをぐるぐる歩き回る遊びば

          片山廣子 作『三本の棗』

          林芙美子 作『着物雑考』

          夏祭りに行くと必ず見かける浴衣。 夏が近づいてきて、ショッピングモールなどでも浴衣の売り場を目にすることが増えてきました。 現代では夏を楽しむための一種のコスチュームのような存在になっている浴衣ですが、平安時代には入浴用の着物だったとか。 それが湯上りに着るものになり、就寝時に着られるようになり、江戸時代には外出もできるラフな着物の位置に落ち着いたそうです。 今の浴衣は、楽に着ることができるようにどんどん進化しています。 楽な服装がいくらでもある時代、着物はどうしても着る手

          林芙美子 作『着物雑考』

          豊島与志雄 作『ばかな汽車』

          https://youtu.be/7GPA79yasP8 現代では科学で説明がつくことでも、昔は妖怪や幽霊、キツネやタヌキの悪戯だとされていたことが沢山あると思います。 科学的に原因が解明されているのはもちろん安心できるのですが、なんだか少し寂しいなと思うのは私だけでしょうか。 不思議なこと全てに説明がつくよりも、分からないまま、不思議なままを楽しみたいというか。 幽霊や宇宙人についても、実際本当なのかどうなのか知りたいけど、現実的な答えが分かってしまうとちょっと寂しいな

          豊島与志雄 作『ばかな汽車』

          芥川龍之介 作『魔術』を朗読しました。

          https://youtu.be/fmxLBmCzKCk 誰しも一度は「魔法が使えたらなぁ」と思ったことがあるのではないでしょうか。 わたしの場合は、ドラえもんやハリーポッター、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの物語を読んで、そんな妄想をよくする子供時代を過ごしました。 芥川龍之介だと、この『魔術』の他に『杜子春』や『仙人』などの作品でも不思議な力に憧れる主人公が描かれており、今も昔も魔法に憧れる気持ちは変わらないんだなあと、なんだか面白いです。 『魔術』はタイトルの通り、

          芥川龍之介 作『魔術』を朗読しました。

          宮本百合子 作『雨が降って居る』を朗読しました。

          6月と思えないような暑い日が続いていますね。 私の住んでいる地方では週明けからお天気の崩れる日が増えるようですが、皆さんのところはどうでしょう。梅雨、してますか? 近年は異常気象で、夏はどんどん暑くなるし、春と秋はあるんだかないんだか、そんな感じになっていますね。 自分から意識を向けないと四季が気付かず通り過ぎてしまいそうで、なんだか寂しいような気がします。 『雨が降って居る』には、室内から外の雨の様子を眺める様子が描かれています。 薄暗い書斎の机の前に座って、目の前の楓

          宮本百合子 作『雨が降って居る』を朗読しました。

          中勘助 作『結婚』を朗読しました。

          https://youtu.be/1LnTaDCYH_4 この『結婚』という作品は、障害を抱えた兄の世話を頼むために奥さんを貰うという、今の時代だと炎上間違いなしのエッセイ。 でも、「奥さんが可哀そう!」で終わらずにぜひ読んでいただきたい作品です。 お嫁さん探しを始めた作者。 知人から一人の女性を紹介されますが、その人とは初めて会ったはずなのに、実はちゃんとご縁がつながっていた出会いだということが分かります。 人と人の出会いの不思議さ、少しずつ親しくなっていく二人の様子が

          中勘助 作『結婚』を朗読しました。

          新美南吉 作『デンデンムシ』を朗読しました。

          https://youtu.be/p4SGN4MvLX0 6月に入り、そろそろ梅雨入りの季節ですね。 この時期の代名詞ともいえるのが、アジサイ、そしてカタツムリではないでしょうか。 カタツムリは呼び名が複数ある生き物で、「カタツムリ」「デンデンムシ」そして少数派として「マイマイ」という呼び方もあるそうです。 世代別で見ると「デンデンムシ」と呼ぶのは年配の方の割合が多いようですが、童謡の「かたつむり」にはデンデンムシが出てきますので、若い方にも馴染みのある呼び方ですよね。

          新美南吉 作『デンデンムシ』を朗読しました。

          竹久夢二 作『秘密』を朗読しました。

          https://youtu.be/mTWih_REtzk 女の子というのは、秘密の多い生き物かもしれません。 交換ノート、授業中に作る可愛く折られた手紙、校庭の隅のひっそりとしたお気に入りスポット…。 大切なお友達と小さな秘密を共有するのが女の子の楽しみだけど、それは大人になると失われてしまう。何故でしょうね。 先生も、お母さんも、女の子だった時のことは忘れている。 女の子は、女の子の間だけ、小さな秘密を楽しんで生きている。 親にも先生にも内緒の、大切な友達に共有する

          竹久夢二 作『秘密』を朗読しました。

          『天才になりそこなった男の話』を朗読しました。

          皆さんは「天才」というと誰を思い浮かべるでしょうか。 スポーツ選手、芸術家、作家、音楽家…。 秀でた才能を持つ天才はありとあらゆる分野にいますが、その中にはもしかすると、脳を損傷したことにより才能を開花させた人物がいるかもしれません。 頭とは少し違いますが…最近だと、ホークアイで有名なジェレミー・レナ―が事故で眼球が飛び出たことによって記憶力と視力が上がったというニュースがありましたね。 甥っ子を守るために除雪車の下敷きになり、そこから奇跡の回復を果たしたジェレミー。 無事

          『天才になりそこなった男の話』を朗読しました。

          5月のまとめ!

          今月もまたあっという間の一か月でしたが、皆さまいかがお過ごしですか? 雨が多い今日この頃ですが、このままぬるっと梅雨に移行するのでしょうか。 湿度が高くジメジメした日が増えていきますが、気分が滅入らないようにうまく気分転換していきたいですね。 そんな5月のまとめです。 岡本かの子 作『五月の朝の花』 5月一発目にピッタリの作品でした。 皆さんはどんなお花が好きですか? 竹久夢二 作『最初の悲哀』 初めて感じた悲哀…。 少しずつ世界が広がっていく少女のお話です。 片

          5月のまとめ!

          太宰治 作『女生徒』を朗読しました。

          先月からスタエフで更新していた『女生徒』ですが、無事に最後まで読み終えることができましたのでYouTubeにもアップしました。 『女生徒』は、ある女生徒の朝起きてから夜眠るまでを描いた作品です。 母親と二人で暮らす少女は、亡くなった父親に思いを馳せながら、少しずつ大人へと変わってゆく自分に嫌悪感を抱きます。 何も知らず無邪気だった昔の自分。 自分や周りの大人を汚らわしく思う今の自分。 子供でも大人でもない年頃って、すごく複雑なんですよね。 子ども扱いされたくないし、大人

          太宰治 作『女生徒』を朗読しました。

          夏目漱石 作『変な音』を朗読しました。

          入院中、隣の病室から得体の知れない音が聞こえてきたら…。 真夜中、しかも病院でそんな体験をしたら、どんどん怖い想像が膨らんでしまいそうですよね。 漱石は非常に病気の多い人生を歩んできたようで、亡くなるきっかけになったのも胃潰瘍でした。 様々な薬が開発されている現代では胃潰瘍は治せる病気であり、そこまで死に直面するようなイメージはありません。 ですが、かつては手術をするしか胃潰瘍を治す方法はなく、漱石も生涯で五回も胃潰瘍を発症していたのだとか。 この作品も入院中の体験を描い

          夏目漱石 作『変な音』を朗読しました。