永月しおん

趣味で朗読をしています。 備忘録としてゆるゆると綴っていきたいと思います。

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マガジン

  • レオンファミリー

    • 2,982本

    共同マガジン|レオンファミリーの誕生日は2024年5月19日。 参加者は200名以上。 目的は愛を届けること。この一点。 トップの表示の文言やタイトル画面は変更しないでほしい。 変更された場合、予告なくマガジンから追放することがあるから注意。 詳しくはこちらから。 https://note.com/leon0812/n/ne50160a3b856?magazine_key=mfb3685bde725

最近の記事

宮本百合子 作『雨が降って居る』を朗読しました。

6月と思えないような暑い日が続いていますね。 私の住んでいる地方では週明けからお天気の崩れる日が増えるようですが、皆さんのところはどうでしょう。梅雨、してますか? 近年は異常気象で、夏はどんどん暑くなるし、春と秋はあるんだかないんだか、そんな感じになっていますね。 自分から意識を向けないと四季が気付かず通り過ぎてしまいそうで、なんだか寂しいような気がします。 『雨が降って居る』には、室内から外の雨の様子を眺める様子が描かれています。 薄暗い書斎の机の前に座って、目の前の楓

    • 中勘助 作『結婚』を朗読しました。

      https://youtu.be/1LnTaDCYH_4 この『結婚』という作品は、障害を抱えた兄の世話を頼むために奥さんを貰うという、今の時代だと炎上間違いなしのエッセイ。 でも、「奥さんが可哀そう!」で終わらずにぜひ読んでいただきたい作品です。 お嫁さん探しを始めた作者。 知人から一人の女性を紹介されますが、その人とは初めて会ったはずなのに、実はちゃんとご縁がつながっていた出会いだということが分かります。 人と人の出会いの不思議さ、少しずつ親しくなっていく二人の様子が

      • 新美南吉 作『デンデンムシ』を朗読しました。

        https://youtu.be/p4SGN4MvLX0 6月に入り、そろそろ梅雨入りの季節ですね。 この時期の代名詞ともいえるのが、アジサイ、そしてカタツムリではないでしょうか。 カタツムリは呼び名が複数ある生き物で、「カタツムリ」「デンデンムシ」そして少数派として「マイマイ」という呼び方もあるそうです。 世代別で見ると「デンデンムシ」と呼ぶのは年配の方の割合が多いようですが、童謡の「かたつむり」にはデンデンムシが出てきますので、若い方にも馴染みのある呼び方ですよね。

        • 竹久夢二 作『秘密』を朗読しました。

          https://youtu.be/mTWih_REtzk 女の子というのは、秘密の多い生き物かもしれません。 交換ノート、授業中に作る可愛く折られた手紙、校庭の隅のひっそりとしたお気に入りスポット…。 大切なお友達と小さな秘密を共有するのが女の子の楽しみだけど、それは大人になると失われてしまう。何故でしょうね。 先生も、お母さんも、女の子だった時のことは忘れている。 女の子は、女の子の間だけ、小さな秘密を楽しんで生きている。 親にも先生にも内緒の、大切な友達に共有する

        宮本百合子 作『雨が降って居る』を朗読しました。

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        記事

          『天才になりそこなった男の話』を朗読しました。

          皆さんは「天才」というと誰を思い浮かべるでしょうか。 スポーツ選手、芸術家、作家、音楽家…。 秀でた才能を持つ天才はありとあらゆる分野にいますが、その中にはもしかすると、脳を損傷したことにより才能を開花させた人物がいるかもしれません。 頭とは少し違いますが…最近だと、ホークアイで有名なジェレミー・レナ―が事故で眼球が飛び出たことによって記憶力と視力が上がったというニュースがありましたね。 甥っ子を守るために除雪車の下敷きになり、そこから奇跡の回復を果たしたジェレミー。 無事

          『天才になりそこなった男の話』を朗読しました。

          5月のまとめ!

          今月もまたあっという間の一か月でしたが、皆さまいかがお過ごしですか? 雨が多い今日この頃ですが、このままぬるっと梅雨に移行するのでしょうか。 湿度が高くジメジメした日が増えていきますが、気分が滅入らないようにうまく気分転換していきたいですね。 そんな5月のまとめです。 岡本かの子 作『五月の朝の花』 5月一発目にピッタリの作品でした。 皆さんはどんなお花が好きですか? 竹久夢二 作『最初の悲哀』 初めて感じた悲哀…。 少しずつ世界が広がっていく少女のお話です。 片

          5月のまとめ!

          太宰治 作『女生徒』を朗読しました。

          先月からスタエフで更新していた『女生徒』ですが、無事に最後まで読み終えることができましたのでYouTubeにもアップしました。 『女生徒』は、ある女生徒の朝起きてから夜眠るまでを描いた作品です。 母親と二人で暮らす少女は、亡くなった父親に思いを馳せながら、少しずつ大人へと変わってゆく自分に嫌悪感を抱きます。 何も知らず無邪気だった昔の自分。 自分や周りの大人を汚らわしく思う今の自分。 子供でも大人でもない年頃って、すごく複雑なんですよね。 子ども扱いされたくないし、大人

          太宰治 作『女生徒』を朗読しました。

          夏目漱石 作『変な音』を朗読しました。

          入院中、隣の病室から得体の知れない音が聞こえてきたら…。 真夜中、しかも病院でそんな体験をしたら、どんどん怖い想像が膨らんでしまいそうですよね。 漱石は非常に病気の多い人生を歩んできたようで、亡くなるきっかけになったのも胃潰瘍でした。 様々な薬が開発されている現代では胃潰瘍は治せる病気であり、そこまで死に直面するようなイメージはありません。 ですが、かつては手術をするしか胃潰瘍を治す方法はなく、漱石も生涯で五回も胃潰瘍を発症していたのだとか。 この作品も入院中の体験を描い

          夏目漱石 作『変な音』を朗読しました。

          室生犀星 作『洋灯はくらいか明るいか』を朗読しました。

          https://youtu.be/FdEeewlDW4M 『洋灯はくらいか明るいか』は、室生犀星が東京に出て来た初日の様子を描いた作品です。 初めて東京に降り立った時の駅のホーム。電車。賑やかな雑踏。そして、華やかな東京で必死に生きている、決して豊かとはいえない人たちを見ます。 彼らは将来の自分です。 東京の片隅で必死に『洋灯はくらいか明るいか』を歌う詩人も、かつては自分と同じように将来への希望や都会に対する漠然とした憧れを持って上京してきたのです。 いったいどれだけの人

          室生犀星 作『洋灯はくらいか明るいか』を朗読しました。

          林芙美子 作『梟の大旅行』を朗読しました。

          https://youtu.be/MIQqY2rZfvw 昼間でも暗い森の中で、一羽のフクロウが楡の木に「君の見たいろんな世界の話を聞かせてくれ」と頼まれ、身の上話を始めました。 人に飼われて狭い籠の中に暮していたフクロウは、ある日籠を出て、初めて広い世界を目にします。 茄子色の空に大きく光る月、露に濡れて光る庭の木、広い広い海…。 世界は驚くほど綺麗で、しかし危険も多いものでした。 フクロウは長い旅を経てこの森に辿り着いたのです。 森は静かで、平和で、住み心地の良い所で

          林芙美子 作『梟の大旅行』を朗読しました。

          宮沢賢治 作『ひのきとひなげし』を朗読しました。

          https://youtu.be/sa8e573v9wE 春になり、アスファルトの隙間や空き地などにナガミヒナゲシが咲いているのをたくさん見るようになりました。 ナガミヒナゲシはオレンジ色の可愛い花ですが、その見た目とは裏腹に有毒成分を持つケシの一種です。 見つけても決して素手で触らないように気を付けましょうね。 今回の『ひのきとひなげし』に登場するのもヒナゲシの花です。 ですがヒナゲシに麻薬成分はないので、この物語に登場するのはアヘンを作れるケシの花のようです。 もちろ

          宮沢賢治 作『ひのきとひなげし』を朗読しました。

          片山廣子 作『乾あんず』を朗読しました。

          https://youtu.be/nSM6SyZ8AqU 皆さんは雨の日をどう過ごしていますか? わたしは外に出る趣味を殆ど持っていない完全インドア派なのですが、外飲みや友人とわいわい過ごすのが好きだったり、レジャーが好きだという人にとっては、雨の休日は退屈なものかもしれません。 『乾あんず』は、雨の日にお茶の香りを楽しみながら、お茶請けに出した乾あんずから過去の人たちに思いを馳せるお話です。 楊貴妃がライチを愛していたというように、大抵のフルーツは長い歴史を持ってお

          片山廣子 作『乾あんず』を朗読しました。

          竹久夢二 作『最初の悲哀』を朗読しました。

          https://youtu.be/Qu-Dfmh0Q4o 小さい頃は誰でも、人を疑わず、自分と自分の好きなことに自信をもっているものです。 世の中が必ずしも自分を肯定してくれるものではないと気付いたのは、いったい何歳の頃でしょうか。 『最初の悲哀』では、そんな大人になりかけている少女の切ない感情が描かれています。 主人公である街子は絵描きである父親を尊敬していますが、世間の人々は必ずしも父の描く絵を認めてくれるわけではありません。 竹久夢二本人も画家であったため、認めら

          竹久夢二 作『最初の悲哀』を朗読しました。

          岡本かの子 作『五月の朝の花』を朗読しました。

          五月に入りました。 どんどん春めいてきて、なんなら暑いような日もあって。 でも気温が安定せずに雨も多くて…。気が滅入ったり自律神経が乱れるようなことが多い時期ですね。 新生活を送っている人にとっては、毎日必死であっという間に日々が過ぎていく時期でもあるでしょう。 そんなこんなであらゆる人にとって余裕のない今の季節ですが、会社や学校への行き帰り、買い出しの途中、お子さんの送り迎え、そんな時に、ちょっとだけお花を探してみませんか。 マンションの花壇、近所の公園、力強い野生の

          岡本かの子 作『五月の朝の花』を朗読しました。

          4月のまとめ。

          桜は散ってしまいましたが、ツツジやネモフィラなど、可愛いお花が沢山咲いて外を歩くのが楽しい季節ですね。 さて、少し遅くなってしまいましたが、4月のまとめです。 紫式部 作  与謝野晶子 訳 『源氏物語 空蝉』 空蝉は紫式部が最も自信を投影していると言われている登場人物だそうです。 横光利一 作『笑われた子』 思いがけない体験が職業選択のきっかけになったという人も多そうですよね。 宮沢賢治 作『マグノリアの木』 不思議で心地よい世界観を味わえる短編です。 太宰治

          4月のまとめ。

          宮本百合子 作『妙な子』を朗読しました。

          https://youtu.be/rkFwn_HFlwA 皆さんは、小さい頃、どんな子でしたか? わたしは理屈っぽく、幼稚園の頃にはお遊戯を「子供っぽくて嫌だ」「くだらない」と思っているような可愛げのない子でした。 ちびまる子ちゃんには非常に親近感を覚えたものです。 そんなわたしは、間違いなく「妙な子」「育てにくいお子さん」だったと思います。 人が考えなくてもできるようなことでも、一々立ち止まって考えて、納得しないと進むことができないので、「どうして一々難しく考えるの」

          宮本百合子 作『妙な子』を朗読しました。