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「冷静でいられない話題」の無効化方法を探す話
「日本語はハイコンテキストな言語だ」という言説に、日本人は多くの場合誇りを覚える。ハイコンテキストであることは繊細で、高度なことだという感覚が強いことは、もはや語るに及ばないように思う。
勿論、ハイコンテキストな語彙・表現は会話内容の高度化を助け、文脈による繊細な表現を可能にする側面があることは間違いない。しかしながら、一般にハイコンテキストな会話は相互の暗黙の了解によって成立すると考えられてい
THE FIRST TAKEは「なにでないか」、或いは星街すいせいの話
自分自身迷子になりそうなのではじめに断っておくが、これはTHE FIRST TAKEの話であると同時にVTuberの話で、つまるところ自身のオタトークだ。これを念頭に書き始める。
THE FIRST TAKEの公式ページのアオリは「ありのままの自分を。ありのままの音楽を。一度きりにこめる。」なのだが、これは誤解を恐れずに言えば、通常の楽曲は「アーティストを通して曲が発信される過程」という側面が強
メディア特性を知ることは難しい、或いは「飲み会って大変だよね」という話
近代以降の技術によって成立した媒体において、その歩みは多くの資料ないし先人の分析を以て振り返ることができる。例えばアニメーションであれば『蒸気船ウィリー』のスクワッシュ&ストレッチのようにかなり早い段階から「既存の映画にはない、アニメーション特有の表現」への追求がおこなわれていたことがわかるし、映画についても、初期のものを「アトラクション映画」とガニングが定義したことは既に述べたが、最初期の、つま
もっとみる神の自由と科学的論理とインターネットアカウントの話
一部の神は自由を持たない「現象」であって、ある種妖怪のような存在とすら言える。大きな力を持ち、人間に(その気はなくとも)干渉してくるが、ここに気まぐれが発生することは認知されない。こういった神の社会構造中の特徴として、理解の及ばない、大きな力(例えば天気、或いは災害や病気)をコミュニティ内の汎ゆる人間の「責任」に転嫁する効果を持つ。彼らには「気まぐれ」のようなことが起きればその理由が考え出され、至
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