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余談的小売文化論

「知性ある消費」をテーマに、現代の消費行動や理想論と現実的な問題のギャップについて考え、言語化しています。「正解」を語るのではなく、読み手が自分なりの正解を見出すための一助になる… もっと読む
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#雑誌

これから「支持される雑誌」に必要なこと

これから「支持される雑誌」に必要なこと

外出自粛によって軒並み店舗が閉まり、出勤する人も大幅に減少した。
このあおりを強く受けているのがファッション誌である。

大口の販売チャネルである書店が閉店していることに加え、人と会う機会が減ったことでおしゃれへの関心も低下。
販売どころか次号に向けた撮影もままならず、苦肉の策として6・7月を合併号にする雑誌も出てきた。
ファッションブランドも軒並みダメージを受けているため、今後広告もガクッと減る

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出かけられない世の中で、日々の楽しみをどう発信するか

出かけられない世の中で、日々の楽しみをどう発信するか

女性誌を開けば、新生活への期待膨らむキラキラした情報で溢れかえる季節。
四季折々の中でも春の雑誌を読むのが一番の楽しみだったけれど、今年はそんなキラキラもトーンダウンせざるをえない状況に陥っている。

卒入学や入社式、花見、歓迎会など春ならではのイベントはすべて中止。
学校もいつまで休校が続くかわからないし、会社もリモートワークを推進するところが増えてきた。

「出かける予定」が奪われると、人は装

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「応募者プレゼント」をプロモーションに変える方法

「応募者プレゼント」をプロモーションに変える方法

今月の「大人MUSE」を読んでいたら、プレゼントの応募スタイルが「このページをインスタにアップ」に変わっていて驚いた。

雑誌のプレゼントページといえば、これまではがきにアンケートや希望商品を書いて郵送するのが当たり前だった。

もちろん今もほとんどすべての雑誌が同じスタイルを踏襲しているはずだ。

しかし、年賀状ですら出さない人が増えている今、わざわざ官製ハガキと切ってを購入して必要事項を記入し

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雑誌は時代の変化を写す鏡 #女性誌研究

雑誌は時代の変化を写す鏡 #女性誌研究

土曜日は「女性誌研究」をテーマにしたイベントを開催しました。

15年近く女性誌を定点観測してきた女性誌オタクの私と、Web編集者として長年コンテンツを作ってこられた桜川さん、食トレンド研究家の渥美さんとともにひたすら『雑誌』をテーマに語り続けた4時間(!)のイベント。

それでも個人的にはまだまだ語りたいことがたくさんあって、時間が足りないくらいでした!!!

今回お二人それぞれとお話しして改め

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ビジネス視点で見る女性誌の読み方

ビジネス視点で見る女性誌の読み方

今週末はいよいよ『ビジネス視点で読み解く女性誌のイマ』の開催日。

当日は、それぞれ具体的にこんな質問項目をもとにトークを展開していきたいと考えています。(絶賛資料作成中!)

第一部:「ビジネスパーソン的雑誌の読み方と雑誌の未来」
①編集的雑誌の読み方
・雑誌をチェックするタイミング
・注目している雑誌
・ファンの多い雑誌は何が違う?
・雑誌の知識を仕事に生かすコツ
②雑誌から読み解く最近のトレ

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「年齢不詳系雑誌」が増えている理由

「年齢不詳系雑誌」が増えている理由

先週書いた『紙とWebにおける決定的な違い』に続き、またもや雑誌の話。

最近雑誌を見ていると、対象年齢が広くなり、年齢という境界が曖昧になってきたように感じる。

この傾向は『"ワンテーマ"の時代』を書いた3年前から感じていたことではあるけれど、雑誌を読んだ感想を毎月言語化するようになってさらに確信を深めたことでもある。

中でも、変化をもっとも強く感じたのがminaだ。

minaはもともとカ

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紙とWebにおける決定的な違い

紙とWebにおける決定的な違い

高校時代から雑誌を読むのが好きだったのだけど、ここ最近は消費文化総研の定例で『雑誌を深める会』を毎月開催していることもあって、いち消費者としてだけではなくビジネス視点で雑誌を読むことも増えた。

その中でも、VERYは毎号気づきと発見がある、という話はこれまでにもnoteやTwitterで散々書いてきた。

VERYのすごさは他にもいろいろあるのだけど、直近半年のVERYを読んでいて、『これは紙だ

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「うつわ」は変わる。でも、必要とされる「役割」は変わらない。

「うつわ」は変わる。でも、必要とされる「役割」は変わらない。

普段ニュースを見ていると、やれ小売業の不振だ、出版不況だという暗いニュースがたくさん目に飛び込んできます。

他にも、大企業の給与カットや早期退職、業績不振による事業譲渡などの話題も度々目にします。

しかし、かたや私が日頃仕事をしているコミュニティ内では、誰かが起業したり、新しいブランドを立ち上げたり、Webメディアを軸に新しい雑誌を創刊したり、というニュースもよく見聞きします。

つまり、世の

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【図解】赤文字・青文字はもう古い。細分化される私たちの新しい「カラー」

【図解】赤文字・青文字はもう古い。細分化される私たちの新しい「カラー」

「赤文字系」「青文字系」という言葉をご存知でしょうか。

古くからある女性誌の分け方のひとつで、端的にいうとモテ系か否か、というざっくりした区分です。

赤文字系で代表的なのが、CancamやJJなどのモテ系女子大生向け雑誌。
彼女たちにとっては、「かわいい」が最高の褒め言葉です。

対して、青文字系は「Zipper」や「Cutie」など、個性的な装いを好みます。
洋服選びのポイントは、男性からの

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