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出かけられない世の中で、日々の楽しみをどう発信するか

女性誌を開けば、新生活への期待膨らむキラキラした情報で溢れかえる季節。
四季折々の中でも春の雑誌を読むのが一番の楽しみだったけれど、今年はそんなキラキラもトーンダウンせざるをえない状況に陥っている。

卒入学や入社式、花見、歓迎会など春ならではのイベントはすべて中止。
学校もいつまで休校が続くかわからないし、会社もリモートワークを推進するところが増えてきた。

「出かける予定」が奪われると、人は装うことに関心を示さなくなる。

1日中家にいるのであれば毎日部屋着でも構わない人が多いだろうし、近所に買い物にいくためだけにフルメイクをするのも億劫だ。

女性誌のほとんどは、デートやイベント、通勤服など出かけることを前提に作られてきたコンテンツである。
「出かけられない」状態になってしまった今、コンテンツづくりの抜本的な見直しに迫られている雑誌が多いのではないかと思う。

とはいえ、人はどんな状況でも楽しみを見出したい生き物でもある。

外出が禁止された中国やイタリアのバルコニーで歌ったり踊ったりする住民たちの動画が話題になったように、たとえ気軽に外出できなくなったとしても、今できる範囲で楽しめることを探したいと誰もが熱望している。

食品や日用品などの必需品に比べたら洋服やコスメは生きるために必要ではない贅沢品かもしれない。
しかし本当の意味で「生きる」ということは、美しいものに触れたりそれを身につけることで豊かな気持ちになることとでもあるのだ。

そんな今の世の中に求められるコンテンツは
・おこもり美容
・こだわり自炊レシピ
・おうち時間の過ごし方

あたりなんじゃないかと個人的には考えている。

特に美容はこの2、3年の中で大きなトレンドとなり、特にメイクアップよりもスキンケアが盛り上がりを見せている分野でもある。
誰にも会わない日々が続いてしっかりメイクはしなくなっても、スキンケアは毎日の積み重ねであり、手を抜くことはできない。
むしろメイクアップ用品を買わずにちょっと高いクリームや美容液に手を出してみたいという潜在意識を持つ女性も多いのではないかと思う。

また、リモートワークや休校の影響で家にいる時間が長くなると、ちょっと手の込んだごはんに挑戦しやすくなるため、自炊系のコンテンツも需要が増えるはずだ。
そして普段自炊しない人がやや手の込んだ料理を作ると大抵の場合SNSにアップしたくなるので、映えるうつわやその選び方の情報も欲しがる人が増えるのではないかと思う。
インテリアやうつわに興味を持つのはアラサー以降のことが多いが、カフェに行きづらくなった若者世代が家で楽しめるものとして興味をもつ可能性も大きいのではないかと思う。

おそらく、向こう3ヶ月ほどは各雑誌ともにこうしたおうち時間をメインにしていくことになるだろう。
どこかに遊びに行ったという投稿がしづらい今、SNSに投稿したくなるくらい楽しく充実した時間を過ごすためのTIPSを、多くの人が求めているからだ。

このあたりのコンテンツは&premiumやMart、HERSあたりが得意とする分野な気がするので、来月以降のコンテンツを楽しみにしたい。

ちなみに、私はこの一連の騒動がファッション誌と消費行動に与える影響は一過性のものではないと予測している。
中国ではすでにアスレジャーブランドのジャージやスウェットが売れているらしいと先日耳にしたのだが、これを機にカジュアル化がさらに強まる可能性もあるし、そもそもリモートワークが定着すればオフィスファッションという概念が根本から揺らぐ。

「人からどう見えるか」よりも「自分がどう考えているか」によって選ぶことを優先したブランドが、今後増えていくのではないかと思ったりもする。
ブランドアイコンよりも着心地、トレンドよりも納得感、というような。

今私たちが直面しているのは、「乗り越えるべき一過性の危機」というよりも、「シフトチェンジのための歴史的瞬間」なのかもしれないと思うのだ。

***

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