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余談的小売文化論

「知性ある消費」をテーマに、現代の消費行動や理想論と現実的な問題のギャップについて考え、言語化しています。「正解」を語るのではなく、読み手が自分なりの正解を見出すための一助になる… もっと読む
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2018年11月の記事一覧

「現場を知らない人間にはなるな」という教えに導かれて #えぶりツアー

「現場を知らない人間にはなるな」という教えに導かれて #えぶりツアー

もう1年半以上も前のことだけど、『創造する未来』を書いた尾原容子さんのお話を生で聞く機会があった。

『創造する未来』はいまだにいろんな人におすすめしている本で、ファッションや人がものを買うことの本質に迫りつつ具体的な事例を噛み砕いて説明しているそのバランスが絶妙だと読み返すたびに思う。

そして尾原さんご自身も豊富な経験と最先端の情報のバランスが理想的で、直接お話したことはないけれど尊敬する人の

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私たちが、いま岡山に行く理由。 #えぶりツアー

私たちが、いま岡山に行く理由。 #えぶりツアー

突然ですが、今週末私が運営している『店舗メディアの作り方』コミュニティのみんなで岡山に行ってきます。

といっても単なる旅行ではなく、もちろん小売に絡んだ視察ツアー!

岡山といえば・・・

そう、「デニム」ですよね!仲良しのデニム兄弟ことEVERY DENIMの島田さんアテンドのもと、岡山のデニム工場を巡るツアーに行ってきます。

ことの発端は、夏にEVERY DENIMの2人がこんなクラウドフ

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今週読んだ記事と私的見解(11/25)

今週読んだ記事と私的見解(11/25)

今週読んだ英文記事の紹介と私の雑感をまとめています。

読んだ記事の大半はNewsPicksでもピックしてコメントしています👇

今週読んだのは8本の記事。

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「ファッション」が私たちにもたらすもの

「ファッション」が私たちにもたらすもの

『衣食住』の中で、一番贅沢品とされがちなのが『衣』、つまりファッションという分野なのではないかと思う。

もちろんどれも最低限必要なものだし、食事も住居も豪華にしようと思えばどこまででもお金をかけられるものであることに違いはない。

でもなぜか『食べること』『暮らすこと』に比べて、『装うこと』は余剰で贅沢なことだとみなされがちな気がしている。

それはパリコレをはじめとするコレクションブランドの煌

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『店舗』というメディアの意義は、異世界へのなめらかな移動にある

『店舗』というメディアの意義は、異世界へのなめらかな移動にある

『店舗はメディアである』と言い続けて早7年以上が経ちますが、『メディア』の中でも私が好きなのは店舗や雑誌、本といったフィジカルなメディア。

こうした身体的接触性の高いメディアがWebメディアやアプリなどのデジタルメディアと大きく異なるところは、あとから削除や修正がしづらい『不可逆性』にあるのではないか、ということに最近気づきました。

IT出身の人とメーカーや小売などリアルなものを扱ってきた人と

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今週読んだ記事と私的見解(11/17)

今週読んだ記事と私的見解(11/17)

最近英語の勉強をいちからやり直していたので海外メディアのチェックは最小限にしていたのですが、勉強がだいぶ落ち着いてきたので以前と同じくらいのペースでのチェックを復活しました。

せっかくなので読んだ記事のまとめと個人的な見解をメモ程度にまとめていこうと思います。

読んだ記事の大半はNewsPicksでもピックしてコメントしています👇

今週は6本の記事をチェックしました。

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組織を強くするのは『仲のよさ』ではない

組織を強くするのは『仲のよさ』ではない

『仕事仲間』と『友人』の違いは、一体どこにあるのだろう。

社会人になって早10年。それぞれの違いをなんとなくは感じつつも、明確に言語化できずにいたのですが、最近『キングダム』を読む中でその2つの違いは一緒に信じるストーリーがあるかどうかなのではないか、と思うようになりました。

そして同時に、友人として仲がいいということと職業人として相性がいいということが必ずしも重ならないのは、信じる世界の方向

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多様性を育むための『隔絶』を『断絶』にしてしまわないために

多様性を育むための『隔絶』を『断絶』にしてしまわないために

今期のNewsPicksアカデミアゼミでは高橋祥子さんの『生命科学から読み解く未来』を担当しているのですが、その中で「多様性を育んだのは『隔絶』」という話がでてきました。

▼元ネタはこちら

簡単にいうと、人類は単一集団から始まったという定説を覆し、実は同時期に複数の集団がアフリカ全土に広がっていた可能性があり、しかもそれぞれの集団が1000年以上交流しなかったことによって多様性が生まれたという

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これからのコンテンツは「短編集」になっていく

これからのコンテンツは「短編集」になっていく

私は以前からドラマと消費行動の相関性に興味を持っているのですが、最近朝ドラにハマったことで改めて『15分』という尺の絶妙さを感じています。

そして今後動画の再生端末に占めるスマホの割合が高くなっていく中で、この『15分』という尺はひとつのフォーマットになっていくのではないかなと。

ちょうど半年ほど前も同じようなことを考えてつぶやいたりnoteに書いたりしたのですが、1時間でもなく30分でもなく

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いい戦略家は『2番』を作る

いい戦略家は『2番』を作る

最近ヤマト運輸の元社長・小倉昌男の「経営学」を読んでいるのですが、その中でこんな言葉が出てきました。

「何でも『第一』の社長は『戦術的レベル』の社長である。うちの会社の現状では何が第一で、何が第二、とはっきり指示できる社長は『戦略的レベル』の社長である」

そしてこの言葉を見て、長年『とりあえずやってみよう』という言葉に感じてきたもやもやを言語化できるようになりました。

▲ちなみに「プ

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数字はすべてを癒すが、魂は救えない

『売上はすべてを癒す』という有名な言葉がある。

売上だけではなく、スポーツであれば勝利だったり、勉強であれば合格だったり、達成による喜びはたしかにそれまでの苦労すべてを癒す。

でも、ひとつのハードルをクリアしたことによる喜びはレッドブルのようなもので、ずっとそれだけで走り続けることはできない。

ハードルを飛び続けた先に何があるのか、自分はどこに向かっているのか。走りながらいつかはその問いにぶ

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