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余談的小売文化論

「知性ある消費」をテーマに、現代の消費行動や理想論と現実的な問題のギャップについて考え、言語化しています。「正解」を語るのではなく、読み手が自分なりの正解を見出すための一助になる… もっと読む
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2018年4月の記事一覧

なぜ「CM」よりも「ドラマ」を作るべきなのか

なぜ「CM」よりも「ドラマ」を作るべきなのか

ここ最近ずっと『動画』が注目を浴びていますが、私は数あるジャンルの中でも『ドラマ』にこそその可能性があるのではないかと考えてきました。

これまでファッションとドラマの関係といえば、テレビ局が企画した番組の中で衣装協力をして、店頭で『◯◯さん着用アイテム!』と宣伝したり、SNSで紹介する程度でした。

飲料や化粧品などの広告宣伝費がたっぷり使える業界であれば、ターゲットが見ていそうな番組の広告枠を

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若手が組織の中で自分の意見を通すために必要なこと

若手が組織の中で自分の意見を通すために必要なこと

『誰が言うかではなく、何を言うか』

理想の組織のあり方としてよく語られることです。

しかし実際には、企業に限らず、人間社会というものは圧倒的に『何を言うかより、誰が言うか」が重視されます。

それは必ずしも責められることではなく、同じ商品でも友達からおすすめされたときより、自分の憧れの芸能人やインフルエンサーが勧めたものの方が欲しくなるのは当たり前のこと。

発言の価値は、常に人の信用と紐づい

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ものを作る責任と、売る覚悟。

ものを作る責任と、売る覚悟。

先日、とある経営者の方と話していた時に言われて衝撃を受けた言葉。

「先輩経営者から、『百貨店のオリジナルには関わるな』って言われてるんですよねぇ」

これを聞いたとき、百貨店出身の私が言うのもおかしな話だけれども、これはひとつの真理だと思いました。

とはいえ、百貨店を悪者にしたいわけではなく、ましてや担当者個人を非難することなんて到底できません。

では、何が問題なのか。

それは組織の構造上

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どこかに行くための、お洋服。

どこかに行くための、お洋服。

私は常に『着て行きたい場所』と『着て行きたい洋服』はセットだと思っていて、その考えは1年半以上前に書いた「これからの時代、洋服を売る上で必要なこと」からほとんど変わっていません。

『着て行きたい場所』というのは単にきらびやかなレストランやおしゃれなカフェといった物理的な場所だけではなく、気になる人との初デートとか、失敗できないプレゼンとか、『綺麗になったね』と言わせたい勝負のときといった "シー

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握手の数しか、票は増えない。

握手の数しか、票は増えない。

政治の世界で有名な「握手の数しか票は増えない」という言葉。

最近、この言葉は何にでも当てはまる汎用性の高いものなのではないかと思い始めました。

人は、直接会った人のことをそう簡単に悪く言えないようにできています。

そして、はじめは何とも思っていなくても、会ったときの印象がよければその感動を他の人にも伝えたくなるもの。

握手によって相手に好印象を残すことは、その一票だけではなく、相手の後ろに

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媚びることなく"同志"になれ。これからの時代を生きる女子の社交論

媚びることなく"同志"になれ。これからの時代を生きる女子の社交論

男女雇用機会均等法が施行されてから早30年以上の年月が経っていますが、組織の行く末を決める会議にずらりと並ぶのはいまだにおじさまたちばかり。

その光景は、政治の世界も民間企業も変わりません。

シェリル・サンドバーグが2010年のTEDトークの中で「会議に出席した際、女性用のお手洗いの場所を聞いたら誰も答えられなかった」という冗談のようなエピソードを披露していましたが、そこから10年近く経った今

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「思考の外」へのストレス耐性

「思考の外」へのストレス耐性

リーダーの資質とされるものは多々あるけれど、最近思うのは突き詰めるとメンタルの強さがすべてなのではないかということです。

決断において最後は自分が責任をもつという胆力、批判にさらされてもめげないハートの強さ。

一般的に言われる『メンタルが強い』という言葉は、そうした有事の際の強さについて言及していることが多いのですが、なにもない凪のときこそその人の器の大きさが試されるのかもしれない、というのが

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GW中に読む!積読消化リスト2018

4月に新生活がはじまってから早10日。

まだ会社員としてのリズムが掴みきれていませんが(というかフリーランス時代とほぼ変わらない生活をしている)、あっというまにGWの時期が迫ってきました。

私の場合は長期休みと言えば旅行!…などはせず、家でひたすら積読を消化するのが毎年恒例です。

特に長期休みは普段のちまちま読書とは違って、気合いをいれないと読みきれないもの、上中下巻ある長編小説など、時間が

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なぜ人は見た目が9割なのか?

なぜ人は見た目が9割なのか?

昨日から「#女の価値を決めるバッグ」というハッシュタグがトレンドに入っているのを見ながら思ったことメモを備忘録的に。

個人的には持ち物や身につけているものでその人のことがある程度わかると思っていて、『人は見た目が9割』はわりと真理だと思っています。

よく言われることですが、ファッションは一番外側の中身。

洋服を身につけるということは、自分の選択した結果を晒しながら歩いているということでもあり

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ノウハウを積極的に公開すべき理由

ノウハウを積極的に公開すべき理由

先週、私がモデレーターとして仕事をするときにやっているノウハウを公開した記事を書きました。

ありがたいことに読んだ方々から「勉強になった!」との声をいただき、公開してよかったなと思っています。

と当時に「ここまで公開していいの?」という声も今回にかぎらずよくいただくのですが、私はノウハウは惜しみなく提供してなんぼだと思っています。

それは単に人のためという話ではなく、自分がコツを言語化できる

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『モデレーター』で稼ぐために必要なこと

『モデレーター』で稼ぐために必要なこと

独立してから少しずつ増えてきた『モデレーター』という仕事。

もともと人前で話すのは苦ではないタイプでしたが、NewsPicksアカデミアに関わるようになってから、より本格的にモデレーターの仕事に興味をもつようになりました。

というのも、CCO・佐々木さんに素質があるとお褒めの言葉をいただいたことが明確に仕事として意識しだしたきっかけなのですが、モデレーターをプロとしてやれるレベルになることは、

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褒められることの危険性

褒められることの危険性

毎日noteを書いていると、初対面の方から『あれだけ毎日書くのは大変じゃないですか?』と聞かれることが多々あります。

正直に言います。

実はネタがない日もあると。私は話すように書いているので書くこと自体を苦に感じたことはほぼないのですが、書くネタ探しだけは唯一困るポイント…。

8割以上は『今日はこれを書くぞ〜〜〜〜うおおおおおお』という安定した(?)テンションで書いているのですが、時期によっ

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『どれだけ届くか』ではなく『誰に届くか』の時代へ

『どれだけ届くか』ではなく『誰に届くか』の時代へ

メディアといえば、これまで『何万PVあるか』という指標で語られることがほとんどでした。

そこからインスタグラマーの台頭もあいまって『何万フォロワーいるか』に移り、さらにエンゲージメント的な視点で『何百いいねされているか』『フォロワー対比のいいね数がどれだけあるか』という指標に徐々に移ってきたのが今の状況だと思います。

そしてここからはそうした数字に現れる指標だけではなく、『誰に届くか』が重視さ

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