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それはビジネスなの?それとも趣味なの?

Voicy No.267 2023年1月20日放送 
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あなたのやりたいことが趣味なら自分が満足すればいいですが、ビジネスなら他人を満足させないと成り立ちません。Voicyに頂いた質問から、ビジネスと趣味を混同する危険性を語ります。

【質問】ビールづくりを教えて研修費を頂けるか


コメントでいい質問を頂いたので、今日はそれをテーマにしてお答えしようと思いました。まず、こばビールCBさんから頂いた質問です。

昨夜、コテツさんが夢に出てきて、何かビジネスヒントを頂いた気がするのですが覚えておらず、このタイミングで「気軽に質問ください」とのことでしたので、運命と思い質問させてください。
私はクラフトビールをつくっている個人事業主で、全てを1人でやっています。本当にやりたいことはビールをつくることより後進の育成であり、研修を受け入れて研修費を頂くことを最終ゴールに据えています。
この先どんな手順で自己ブランディングを進めるべきでしょうか?

こばビールCBさんの夢にオレが出てきたっていうのは、なかなか面白いですよね。しかも、そこで話したビジネスヒントを覚えていないのでリアルで聞こうというのも、めっちゃ面白い。

夢で回答えていますが、リアルでも答えましょうか。

こばビールさんは、お一人でクラフトビールをつくって売っていらっしゃるので、後進の育成というのはクラフトビールの研修ということでしょうか。「研修費を頂くことを最終ゴールに据えている」なら当然できることだし、ビジネス的に全く可能だと思います。

こばビールCBさんがそうだということではなく、世の中にばらまかれているビジネスノウハウとか自己啓発がそういう向きなので、オレの言い方だと「ビジネスの解釈とか人生の解釈が、病的に訳の分からないことを信じている人が多い」ので、きっぱり今日は話しておきます。


「ビジネス」と「趣味」はどう違うのか


「やりたいことをやる」は結構なことだし、使命感を持ってやるのももちろん大事なことです。ただ、ビジネスとして成立させるのか、趣味としてやろうとしているのかを、ごちゃごちゃにしている人が多すぎるのです。

オレはずっとビジネスをやってきていますが、率直に言うと、需要があるかないかとお客様にどういう価値を出せるかに着目しているから、「オレのやりたいこと」はあまりないんだよね。

「ない」というか、率直に言うと「嫌じゃない」という程度です。
求められるからやっている。

なぜなら、オレはプロだからです。

こばビールCBさんは、クラフトビールをつくる研修をやろうとしているのでしょうし、ご自身がクラフトビールをつくって売るという活動は、ビジネスなのは明らかです。

最終ゴールとしてやりたい「研修費を頂いて」のところは、「ビジネスですか?趣味ですか?」をはっきり整理することが必要です。

フリーとか個人事業主の方が立ちゆかなくなる大きな要因の1つが、需要に合っていないことをやってしまうから。

需要があって、お客様から見たバリューをこちらが確実に出せて、その対価としてお金を頂くという自覚の元、ぐるぐる回すのがビジネスです。

ダメだと言っているわけではないですよ。

やる側の認識がアバウトだと、やる側も受ける側もなかなか難しいというか変になってしまうから、整理したほうがいい。これは、こばビールCBさんに言っているのではなくて、自分が感じていることです。

フリーで仕事を始めたり、独立した個人事業主の方と接したりして、ビジネスがうまくいっていない方から、すごく漂ってくる考え方があって。

社会を良くしたいとか、自分がやっている趣味的なことの延長線上で「そのままビジネスになるだろう」と考えていると踏んでいますが、お客様からお金を頂くことが同じ道の先にあると捉えたら、やっぱりダメだということです。


クラフトビールの研修はビジネスとして成り立つ


こばビールさんが「研修で後進の指導をして研修費を頂く」のは、すぐできることです。

既にクラフトビールをつくって売っていらっしゃる実業家であるという現実から考えて、クラフトビールをつくる方を養成してお金を頂くのは、ビジネスとしては全然ありだと思います。

これは最終目標どころか、何回かディスカッションしたらビジネスとして成り立つし、あとは「やるかやらないか」です。

自己満足?他者満足?

ただ、それが社会活動とか啓もうとしてやろうとしているか、ビジネスとして成立するかという考えをごちゃ混ぜにし過ぎると失敗します。

今回タイトルで書いた「それはビジネスですか?趣味ですか?」というのは、趣味だとダメですと言いたいのではありません。

趣味は自己満足です。

「草サッカーで、休みの日に昼から知り合いとボールを蹴っているのが楽しいんです」と言われたら、趣味に文句を言う人はいないじゃない?

家族サービスをして仕事をちゃんとやるという生活の大前提が成立していれば、「趣味でサッカーをやっています」と言えば、上手かろうが下手だろうが、楽しく本人がやっていればいい。

「プロです」と言ったとたん、どうなるか。

観客がチケット代を払ったら観客の期待があるから、「プロサッカー選手です」となれば、お金を払った側からの何らかの期待を満たすことになるから、他人を満足させる必要がある。

オレは「好きを仕事に」というのが全然ぴんと来ないからぼろくそ言ってしまうんですが、それは売る側の事情でしょう。

ブランドは「この方向です」と明示すればいいので、全てのお客様を満たす必要はないものの、他者満足が成立している前提がわからないと、ビジネスとして成り立ちません。

活動全てが趣味なのか、社会活動なのか、啓もう活動したいのか、「ガチビジネス」なのか。

もしガチビジネスでも、こばさんの質問内容なら、すぐにビジネスとして成立できる気がするから、クラフトビールをつくる楽しさや、研修でビジネス展開できるかなどの価値も明示して、ビジネスとしてちゃんとやったらいいと思っております。

質問ありがとうございました。
コテツでした。

本文は
コテツがVoicyの「ブランディングと商売の話」で語った内容を
文章化し加筆したものです。
Voicyアプリをダウンロードして『コテツ』で検索、無料で聴けます。
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久々野智小哲津
二十数年にわたり、のべ7社ほど(8社目準備中)会社を経営。ITの会社を大きく成長させた後、新規事業でさまざまな事業を立ち上げ、フランス、イタリアを中心にヨーロッパからブランドを日本に持ってきたことをきっかけに、ブランドづくりができるようになった。
海外ブランドの日本進出や、日本国内の会社、サービス、商品、人(タレントさん、議員さん、スポーツ選手など)のブランドプロデュースにも関わっている。
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