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0316

悪戯に 時間が 経過してゆくのを
ただひたすらに 待ちつづける この時こそ
ムダに死に近づいてゆく 気づいても なお
やめられぬ 人間という生き物の かなしさ

(0316)

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0316 朝から春の陽気。仕事なんて休んでしまえ!という悪魔とみんなの迷惑になるからだめよ、と囁く天使と。わたしは天使との交流を選ぶ。愚かでつまらない人間だわ。
まじめでつまらない いい子ちゃんな大人になってしまった。
4日間も仕事を休んでしまっては時給制の私にはとてつもない痛手。
現実はゆったりする暇なんて与えてくれなくて。どうしたって時間に追われて、時間の背中を見つけ続けて追いかける日々。拘束という名の労働。労働という名の拘束。拘束を経た果てのちっぽけな幸せに縋る。
いつだって 現代を生きる人間という生き物は時間の奴隷。先人よ、身を粉にしすぎだ。

自由 愛 幸せ 健康 生きる 働く 食べる 寝る 結婚 性行為
たくさんの言葉の羅列を今日も働いている本屋さんの棚で目にする。これまでの人生で一体私はこのうちのどれほどを理解しただろうか。理解なんてひとつもしていないしどれだけ生きたってこれらを言語に昇華できるのは谷川俊太郎くらいのものだろう。
私はなんのために生きているのだろう 理由は必要か 理由がなければ生きていくには長すぎる時間。若輩者はこうして人生に意味を求める。私も何かに縋っていないとふんわりとした春風に舞って他所の惑星まで飛んでいってしまいそう。

労働を終えたらまた別の場所へ移動して労働。

自分にとって居心地の良い労働を探し求めている。その労力は惜しまない。次へ次へと流れていきたい。

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桜が咲きそうな予感をふとした瞬間目にしたり肌で感じている。あの儚くて意地が悪くて愛らしい桜の季節。寒さでかちこちに凍えた人の思考や身体を解きほぐして悲しかったことや忘れたくて仕方のなかったことを春の暖かさに絆された人間たちは突如思い出す。そうして人は春に病んだ心を取り戻してしまう。あの暖かくて心地のよい日々に隠されたこころ。
桜を見ると泣きたくなるのはそのせいか。私は今年の春も喜びに満ちて悲しみに打ちひしがれるのだろう。

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