精神科の「見る診察」と「受ける診察」

初診から約1ヶ月経ち、4回受診しました。心の方はだいぶ改善され、徐々にポジティブ思考になっている実感はありますが、身体の方が少しついてきてないようで、大した事はしていませんが疲れているような感覚があります。

職員として働いていた当時は「受診する可能性はあるかもな」くらいは思っていましたが、まさか本当に受診する日が来るとは想像していませんでした。仕事として何度も見てきた診察ですが、実際受診すると違った印象だったので、今回はそれをここに書き残したいと思います。

ちなみに、私が受診した精神科医は、開業されている精神保健指定医で、病院勤務時には夜勤対応、応急入院や措置入院なども経験されている方です。

  • 患者側の視点

職員時はあくまでも第三者でしたが、視点はどちらかというと医療寄りでした。その中で、患者さんが医師の質問に対してうまく返答できない場面を、時々見かけることかありました。その時「自分のことなのに、なんで答えられないのだろう」と疑問に思うこともありました。
それがいざ自分の立場になると、驚くほどうまく答えられないものでした。診察前に伝えたいことを考えたり、特に初診時はメモを持参していたりと、それなりに準備はして行くのですが、それでも8~9割くらいしか伝えられず、ちゃんと表現できなかったり、「あ、あれ言い忘れた」が毎回1つはあったりします。
私は一人で受診していますが、こういう時に家族や同伴者がいると状況や状態がより正確に伝わり、より良い治療につながるのでは、と思います。

  • 支持的精神療法の効果

精神科の診察の主軸である「支持的精神療法」ですが、これこそ「見る」と「受ける」では大きく異なっていました。
見る側の時は、先述の通りどうしても医療寄りの影響か、支持的精神療法は「患者さんを肯定(支持)してあげるもの」くらいの感覚でした。気落ちしていたり興奮していたりする患者さんに、否定は逆効果のように勝手に思っていたからです。

ところが実際に診察を受けてみると、少し異なる印象でした。うまく言えませんが、肯定する訳でも否定する訳でもなく、私の状況や思いを聞き取り、回復への道筋やステップのきっかけを作る、というのが最も近い説明になると思います。
診察を重ねる毎に、私の行動に関して「それはいいですね」「続けていきましょう」「○○していくことが回復につながりますよ」と、まさに「支持」をしてもらっているようでした。実際、それが嬉しかったり自信になったりしています。

もちろん、できる限り先入観は除いて受診しました。と言うより、自身の治療のためだったので、そこまで考える余裕が無かっただけです。ここで書いているのは「振り返ればこうだった」という感じです。

  • 処方について

私の場合、鬱に対して3種類、不眠(中途覚醒)に対して1種類の処方でした。受診毎に経過や症状を確認され、それに合わせて増減していってます。現在は鬱2種類(うち1つは増量、他方は減量)、眠剤1種類(増減無し)です。

人によって異なるところかもですが、薬はあくまでもサポート的な感じで捉えています。実際に効果があるのかもしれませんが、どちらかというと日常生活が少しでも楽に過ごせるように処方している、という捉え方をしています。

なお、薬の効果については専門外なのでどうこう言うつもりはありません。あくまでもいちケースとしてご覧いただければと思います。


おかげさまで、今は気持ち的にはだいぶ楽になり、少しずつ前向きな思考ができるようになってきました。
ただ、睡眠に関してはまだまだかな、という感じで、体力的な面は少し落ちているように思っています。治療についても身体面の回復を目指しているように感じています。まだ治療中なので、良い方向に行けばいいなと思って、日々を安静に過ごしています。

人によって、医師によって、環境によってなど、それぞれの状況によって感じ方は十人十色かと思います。精神科ってどうしてもファジーなところがあるので、それは仕方が無いところもあるかもしれません。繰り返しになりますが、あくまでも私の場合、ひとつのケースとしてご覧いただければ幸いです。

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