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ここが私のアナザースカイ


夕方17時前の中目黒駅。目の前にある、信号の光が明るく見える。空が夜に向かって進んでいること、季節が冬に近づいていることを感じた。アートブックに関する商談を無事に終えて、最近ハマっているカフェミストを飲みながら小休憩。ふと、「人生でまだ一度しか行ったことのない海外経験」のことを思い出した。私にとってのアナザースカイは、フランス・パリ。外資系のアパレルでお洋服を販売していた時代の2015年6月に、一人で国際線へ。この特別ともいえる7日間は、念願の初海外。それまで24年生きてきた中で、決して忘れることができない思い出の一つ。社会人になって働き始めて、やっとやっと叶えることができた夢だったから。24年間は待つのに長すぎた。本当はね、大学在学中にフランスへ行きたかったのよ。けれど、苦学生だったこともあり、夢の実現が到底厳しかった。それなのに、私の身近にいる友人・先輩・後輩は次から次へと海外へ旅立ってゆく。憧れの留学報告話を耳にするだけで、素直に喜べない自分がいた。周りが羨ましさでしかなく、心の奥底はグツグツと煮えたぎっていたぐらい。あの時の感情は燃えていたけれど、「いつかきっと実現させる。。!」と、ひたすら気持ちを堪えながら大学生活を4年間過ごしていたことが懐かしい。


小さな頃から絵を描くことが大好きで、美しい音楽に酔いしれて、綺麗な自然や四季の移り変わりを肌で感じる。故郷である大阪の田舎で五感を養う。日常の中でも、綺麗な瞬間は無数にあって。それを宝探しのように拾い集めて、頭の中にあるキャンバスに空想を膨らませては、ひたすら何か形にして表現することが日課だった。芸術が大好きというよりは、"Life is Art"が一番しっくりくる。そういうのもあって、「もし海外へ行くとしたら、芸術の都であるフランス・パリ」と心の中でずっと誓っていたのだった。フランスといった欧米圏に拘りがなければ、アジアの方が圧倒的にお求めやすく海外へ行くことができる。でも、私はそれが絶対譲れなくて、妥協できなかったのだ。そういうところは、「ほんまに頑固ちゃんやなぁ」と我ながら思う。


2015年5月。はじめて国際線のチケット手配や、憧れのフランス7日間の旅程や宿泊先をインターネットで決めるとき。ちょっと興奮で、手が震えていたことを覚えている。夢が叶うまでに24年を待った甲斐があるほど、嬉しすぎたことだから。あえてツアーは一切組まずに、宿泊先もAirbnbで自らリサーチして「オリジナルプラン」を決めて実施することにした。パリ〜モンサンミッシェル〜友人に会いに行くためのボルドー〜古城を観にトゥール〜そしてパリに戻るという超欲張りルート。主要な観光スポットも訪れたいけれど、寄り道も沢山したかったから。飛行機はもちろん、Air FRANCE。搭乗して乗客の言語が日本語ではなく、"Comment était ta journée ? (今日どうだった?)"と、大好きなフランス語が飛び交っていることを耳にするだけで感動ものだった。12時間近くの今までに一番長いフライトを終えて、初めて日本以外の国に足を一歩踏み入れた瞬間。不思議な不思議な感覚だった。降り立ったシャルル・ド・ゴール空港からパリまでは、バスで約1時間。その日は「おめでとう!」って心から祝福されているような抜群に良い天気でね。初めてこの両眼で見たパリの街並みと景色は、夕暮れ時の光によって黄金色に煌いていた。あのときの感情をちゃんと伝えたいのだけど、うまく言葉が出てこない。やっぱり。待たされた時間の分だけ、夢が叶うときは些細なことにも大きな感動を一気に味わうことができる。このフランス滞在で学び得たこと、新しい出会いは本当に沢山あった。語るとまた1万文字になるかもしれないので(笑)、その辺は今後どこかの機会で書き綴りたい。


時を経て2019年後半。実はワーキングホリデーを利用して再びヨーロッパに行く準備をしていた。ただ、行き先はフランスではなくドイツ・ベルリンを考えていたけどね。しかし、その計画は翌年のコロナ爆誕によって打ち切りとなってしまった。私の人生には海外の縁はあるようだけど、今はまだそのタイミングではないのかもしれない。これまで色々と振り返ってみても、夢が叶うときは「最善の時期」にいつも訪れてきた。実際、フランス7daysを叶えるための準備運動として、語学習得を7歳からずっと続ける努力をさせてくれたし、妥協ができなかった分だけ、忍耐力も嫌というほどつけさせてもらえた後で実ったから。



次にアナザースカイを見る日を夢見て、毎日を生きる。

ささやかな未来の楽しみは、一つでも多い方が頑張れる。



決意は実現する方向へ


願いをそっと唱えよう


叶うまで温め続けて


時間が解決してくれるよ




プリちゃん



アートブックA5フライヤー表

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【祝出版】優しい時間を味わうアートブック『心に灯す光と色彩のパレット』発売中

◇10/16 お取り扱い店舗様◇

梅田 蔦屋書店 (大阪)、 胡桃堂喫茶店 (東京)

「読み終わりには、優しくて幸せな気持ちで満たされて欲しい。明けない夜はないように、病めるときも健やかなる時も寄り添う、友人のような存在になりますように。」


東京を拠点に活動するアーティスト Prius Shota (プリちゃん)、
2021年9月21日(火) 国際平和デーに、初の著書『心に灯す光と色彩のパレット』を出版。

300人以上がクラウドファンディングで応援しあって出版が実現した、
写真のアートと言葉で、心癒されるアートブック】。


淡い光と豊かな色彩が無限に美しく拡がる、『絵のような写真のアート』85点と、ほんのり前向きになれる言葉たちが掲載。巻末には著者Prius Shotaについてや、作品と個展の裏話つき。


好きな音楽をかけたお部屋で、温かい紅茶やコーヒーを飲みながら読書にふける。スマホやパソコンといったデジタルデバイスから一旦離れて、「穏やかな気持ちになれる、贅沢な時間」を味わってみてくださいね。

アートブックA5フライヤー裏

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