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IT業界ポジションマップ【Div・エンジニア編】

IT業界に転職したいけど、IT業界ってポジションが多くてどのポジョションで転職すればいいか分からない!

という状態になっていませんか?転職においてIT業界を候補に入れた方であれば、こうした悩みをもった経験は一度はないでしょうか。

今回のテーマは、「IT業界のポジションを、体系的に理解する」こと。IT転職に当たってのいわば基礎知識を、【Biz編】と【Div編】の2回に分けてわかりやすくまとめていきます。

前回はBiz編ということで、ビジネスサイドのポジションをまとめました。

今回は、主にエンジニアサイドへの転職を希望する方に向けた【Div・エンジニア編】となっております。最後にはエンジニア転職において皆さんが気になることをQ&A方式で書いていますので、そちらも是非ご覧ください。

こんな人におすすめ👍
・今エンジニアとして働いていて、業界の全体像を掴みたい
・将来的に開発側へのキャリアチェンジを考えており、ポジションを把握したい

IT業界は大きく2つに分けられる

IT業界は「主として情報サービスを扱う企業」か「主として事業自体を扱う企業」かで大別されます。前者にはSIer(エスアイヤー)、SES(システムエンジニアリングサービス)、ITコンサルなどが含まれ、後者にはSaaS企業やゲーム会社などが含まれます

ここからは、前者を代表して「SIer」、後者を「事業会社」に呼称を置き換えて両者を比較していきます。会社目線で大枠をとらえつつ、IT業界の全体像を俯瞰していきましょう。

前提として、日本におけるIT人材構成比は「SIer :事業会社 =7 : 3」となっています。そのため、エンジニアで転職をする場合、多くがSIerへの転職を指しています。

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(1)事業会社

事業会社とは、一言で表すと「自分たちの会社のサービスを自分たちで作っている会社」となります。

すなわち技術を内製化し、製造から販売まで自前で行っている会社です。ビジネス構造的としては企業対クライアント、そしてユーザーという極めてシンプルなつくりをしています。

比較的自由な働き方で自分たちのサービスを成長させていける楽しさがある一方、技術力と自走力を追究される厳しさもあわせもっているのが特徴です。

(2)SIer

次に、SIer(エスアイヤー)です。

SIerは分業制をとります。例えばある大手SIerは、クライアント企業から受注するとIT機器ベンダー、パッケージベンダー、ほか複数のソフトウェア開発会社に各業務をアウトソーシングします。

その注文を受けたパッケージベンダーはさらに別のソフトウェア開発会社にアウトソーシングを、ソフトウェア開発会社はそれ自体でまた別のソフトウェア開発会社にアウトソーシングを・・・・。

一つのプロダクト開発には、こうした分業体制が背後に隠れています。

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またSIerを俯瞰すると、一般に「多重下請け構造」と呼ばれるピラミッド状の産業構造が見えてきます。クライアント企業からの「直受け(一次請け)」を行う大手SIerを頂点とした、二次請けの中堅SIer、三次請けの小規模SIerからなる構成です。このピラミッド構造と対応する形で、業務の流れが出来上がっています。

具体的に見ていきましょう。
まず、直受けした大手SIerは、プロダクト開発における要件定義(どのようなサービスをいくらで作るかを決める)、基本設計、詳細設計を担います。二次請けの中堅SIerは実装・開発の業務を、三次請けの小規模SIerは運用に向けた各テスト(単体テスト、総合テスト、運用テスト)を担当します。

すなわち、大手SIerはSE(システムエンジニア)を、中堅SIerはPG(プログラマ)を、そして小規模SIerがテスターの領域を担当しているということです。ピラミッド構造と、大手~小規模SIerの担当領域、具体的な業務の流れの3つの対応はイメージできたでしょうか。

SIerで自分の望む仕事に就きたいのであれば、この構造理解は必須です。そうでなければ望まない仕事に割り当てられ、せっかくのキャリアプランが崩れてしまう可能性があります。 

自前で開発する事業会社か、分業で開発するSIerか。環境が違うだけで、働き方は大きく変わると言えそうです。

エンジニア目線で見たIT業界

ここではエンジニア目線で事業会社とSIerをとらえてみます。エンジニア職でジョブチェンジを目指す方であれば、エンジニアと両者がそれぞれどのような関係をとるのか把握しておくことをお勧めします。全体像を把握しておくか、そうでないかで働き方のしやすさに大きな差が生まれるためです。

そもそもエンジニアは、基本的に「開発」の領域か「インフラ」の領域を担います。「開発」ではアプリケーションを、「インフラ」領域ではサーバーやネットワークを作成します。クライアントはアプリケーションを所有し、ネットワークがサーバーとクライアントをつなぐので、エンジニアは「開発」と「インフラ」を結ぶ無くてはならない存在といえます。

(1)事業会社

最初に押さえておきたいのが、事業会社の開発における大まかな階層です。

「サービス設計」
「サイト設計/機能設計/要件定義/仕様策定」
「UIデザイン」
「フロントエンド」
「サーバサイド」
「インフラ(OS/サーバ/NW)」
「ハードウェア」

の計七つに分類できます。
事業会社のエンジニアは、各階層をまたがる形で開発に関わることになります。

補足
フロントエンド..コードを書いて普段見えている画面を作っています
サーバサイド...コードを書いて裏側の仕組みを作っています

事業会社のエンジニアは、一般的にどの階層を担当しているかによって名称が変わります。詳しく見ていくと、以下の通りです。

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ディレクター
「サイト設計/機能設計/要件定義/仕様策定」を中心に、「サービス設計」や「UIデザイン」にも関わります。

プランナー
「サイト設計/機能設計/要件定義/仕様策定」や「サービス設計」を中心に担当します。

UXデザイナー
「サービス設計」や「サイト設計/機能設計/要件定義/仕様策定」、「UIデザイン」を担当します。

UIデザイナー
「UIデザイン」や「フロントエンド」領域を中心に、「サイト設計/機能設計/要件定義/仕様策定」にも関わります。

フロントエンド
「フロントエンド」領域を中心に、「UIデザイン」や「サーバサイド」領域にも関わります。

サーバサイド
「サーバサイド」領域を中心に、「フロントエンド」領域や「インフラ(OS/サーバ/NW)」にも携わります。

インフラ
主として「インフラ(OS/サーバ/NW)」と「ハードウェア」を担当します。

(2)SIer

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先ほど述べたように、SIerは分業体制なので、開発に携わる企業に応じて担当する領域が変わります。

大手はSEを、中堅はPGを、小規模SIerはテスター領域を担う、といった具合です。そして、PM(プロダクトマネージャー)が開発全体の流れを統括します。SIerのエンジニアは、事業会社のエンジニアと違って、別領域の業務を担当することがほとんどありません。

これは自社内で開発を進める事業会社と違って、SIerは分業体制で開発を進めるためです。エンジニアとしてSIerに転職するのであれば、この違いは必ず押さえておくべきでしょう。

よくある質問

さて、ここからはIT業界に転職する際によく出る質問にお答えしていきます。これまでの内容と合わせて、ご自身のキャリアプランに活用してください。

Q.SIerにおいて「多重下請け構造」とあったが、一次請け、二次請け、三次請けの中ではどこにエンジニアが多い?

A.エンジニアの占める割合としては、二次請けの以降で90%です。
Q.フルスタックエンジニアとは何?

A.複数の定義がありますが、一般にエンジニアリング業務において、設計から開発、運用まですべての工程を手掛けることができるエンジニアを指します。
Q.SESとは?SIerとの違いを教えてほしい。

A. SES(システムエンジニアリングサービス)とSIer(エスアイヤー)の違いは、端的に表すと顧客との契約関係が違います。

SIerは請負契約を結ぶため、納品に関して責任を持ちますが、一方でSESはあくまでも手伝う契約までしか結ばないため、納品に関して責任を持ちません。そのため基本的には時給換算で給与が発生しますが、SIerと違って作ったもの(成果物)それ自体に対しての対価は受け取れません。
Q.ITコンサルタントはIT業界の中でどのような位置付けなの?

A.クライアント企業のITに関連する分野全般におけるアドバイスや、システム導入の支援を行う文字通り「コンサルティング」の役割を果たします。手を動かして実際に開発するエンジニアとは、活動領域が異なると言えるでしょう。
Q.人材の不足領域はどこにある?また、高い人気度の背景には何があるのか。

A.人材の不足領域に関しては、結論から申し上げると「どの領域でも足りていない」です。ただし、どこに視点をおくかによっては濃淡が見られます。

たとえば、事業会社のエンジニアは専門的なスキルが求められます。専門性を持った人材は希少なので、不足している状態が確認できます。またポジション別にみると、PM人材は不足しています。その理由は、新卒採用からいきなりPMを任せられるわけではないうえに、育成にも時間がかかるためです。この点に関しては、事業会社もSIerも同じといえるでしょう。
Q.エンジニアを採用しようかと思うのだが、そもそも自社にエンジニアを採用したらどう変わる?

A.専門性を持ったエンジニアを採用することで、他社よりも多くのサービスを、スピード感をもって実装することが可能になります。
Q.エンジニアは、フリーランスが多い?

A.スタートアップ企業におけるエンジニアは、スポット的な位置づけで働いていることが多く、時間をかけて成長したいなら正社員として働くことも手の一つです。フリーランスという働き方は、ことエンジニアにおいては仕事が見つかるまでのつなぎとして見ている人も多いようです。
Q.文系からキャリアチェンジするなら、PG(プログラマー)とPM(プロジェクトマネージャー)のどちらが大変?

A.圧倒的にプログラマーのほうが大変です。結論としても、IT業界においては理系のほうが相性がいいことは事実でしょう。とくに理系出身は、プログラミングがメインとなる二次請け以降で多い印象です。ただ一方で、一次請けSIerでは文系が多い新卒もあるようです。
Q-1.プログラミングスクールを出た人は、PMになれないのでしょうか?

A.プログラミングスクールを出る出ないはさておき、新卒であればPMは狙えますが、中途であるならば厳しいでしょう。その理由は、顧客(クライアント)にしっかりとした提案ができないと判断されるからです。中途であるならば、専門性のあるプログラミングスキルが必須だと考えられます。なおここでいう新卒は、主にポテンシャルを見極められて採用されます。
Q-2.新卒はポテンシャル採用ということでしたが、採用後はどういったキャリアパスが想定されますか?

A-2.一例ではありますが、開発案件の経験を積み、実績を示せれば事業会社に採用される可能性があります。最低でも、下積みとして3年はかかるとみてよいでしょう。
Q.フリーランスと正社員の違いは何ですか?

A.ここでは違いを、採用の切り口から紹介します。端的にまとめると、「現状持っている武器(スキル)とポテンシャルで決まるのが正社員、現状持っている武器(スキル)のみで決まるのがフリーランス」です。開発プロセスにあたって重要な部分は、正社員が担っているケースが多いです。また、PM領域は正社員が担当していることが多いのが現状です。

まとめ

今回は、Div・エンジニア編として開発側で募集されることが多いポジションについて解説しました。業界の全体像や、転職したいポジションは見つかりましたでしょうか?

未経験からのエンジニア転職は基本的に難しく、最初はSIerでのテスター業務などになる可能性が大きいです。着実に経験を積めばより上流への転職も可能になりますので、自分の実力が発揮されるポジションに是非飛び込んでみてください!

・自分は事業会社向きなのか、SIer向きなのかを知りたい
・自分の今の経験と技術では、どのポジションに転職可能化を相談したい
・今はBizサイドだが、成果を出せばエンジニアにジョブチェンジできる企業を知りたい

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