見出し画像

開催レポート:豊富な業務知識にデジタルをプラス シニア層へのリカレント教育 〜現場社員がDXを"自分ごと化"して進めるための事例紹介〜

ー本記事は、2022年2月2日(水)に行われた「豊富な業務知識にデジタルをプラス。シニア層へのリカレント教育〜現場社員がDXを"自分ごと化"して進めるための事例紹介〜」の開催レポートです。ー

<アーカイブ動画はこちら>
https://www.persol-pt.co.jp/ws_digital/archive/

社内DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進担当の方でこんなお悩みをお持ちではありませんか?
「推進体制やDX人材育成の進め方に悩んでいる」
「現場社員は普段の業務で忙しく、なかなか自分ごととして捉えてもらえない」

本セミナーでは、Work Switch+DigitalがDX推進において主要課題の一つである「デジタル人材育成」を支援した事例を詳しくご紹介いたします。

労働人口が減少する中、シニア層の活躍が期待されています。
今回ご紹介するのは、50代~60代の社員を対象にRPAを活用した『リカレント教育』の事例です。
業務経験が豊富な社員がより生産性高く働けるようRPAの開発を3ヶ月かけて体験しました。ロボットを部下にした新しい働き方の実現に向けて、どのような変化が起きたのか?ご紹介します!

【スピーカー】
酒井 裕希
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
ワークスイッチ事業部 事業開発統括部 デジタル人材開発部 サービス推進グループマネジャー

櫻井 友里恵
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
ワークスイッチ事業部 事業開発統括部 デジタル人材開発部 サービス推進グループ

▼セミナーグラレコ
※お時間がない方はこちらのグラレコで概要をご覧いただけます。


リカレント教育とDXを掛け合わせる

はじめに酒井からリカレント教育とDXの関係性についてお話ししました。

--------------------------------------------------------------------
※リカレント教育とは?
『リカレント』とは反復・循環を意味しますが、最近は「社会人になった後に学び直しを行いながら今のビジネスに活かしたり、自身のキャリアアップを行うこと」の意味で使われています。
--------------------------------------------------------------------

リカレント教育はDXと紐づけて語られるケースが最近増えています。
その背景には労働人口の減少があります。2030年には労働需要と労働供給の差が644万人にのぼるとされており、その中でも専門・技術職、いわゆるデジタル人材が特に需給の差が大きくなると言われているのです。労働人口が変化していくにあたり、企業は生産性を上げないと事業が成り立たなくなってしまいます。

外からデジタル人材を採用するのは今の段階でも難しい状況であるため、社内のメンバーを育てようという動きが出ています。

社内育成の一歩目としてデジタルリテラシーを向上しようとeラーニングを導入する企業もあります。しかし、興味のある人は学びますが、学んだことを活かした変革には至っていません。我々としてはDXの要所は"X"であり、いかにX(トランスフォーメーション)を起こすかが肝だと考えています。

DXに関する調査で「推進するにあたって問題になっていること」を聞いた結果、一番多かったのは「推進する人がいない」でした。推進に必要な『業務理解』『プロジェクト推進力』『デジタルリテラシー』を持ち合わせている人が組織にいないことが原因でDXは進んでいません。

一方、みなさんご存知の通り高齢化が進んでおり、生産年齢も同じく高齢化しています。一番のボリュームゾーンは50代〜60代です。(本プロジェクトでは50代以上をシニア層と呼称し、以降本記事ではシニア層と書かせていただきます。)シニア層の強みは「高い業務専門性」と「巻き込み力・推進力」です。

つまり、業務知識と推進力を持つシニア層にデジタル知識をプラスすれば、新しい価値を発揮するデジタル人材を育成することができるのです。

<業務知識+デジタル>シニア層へのリカレント教育事例のご紹介

続いて櫻井より、リカレント教育支援を行ったリアルな事例をご紹介しました。今回は某金融業のシニア層にデジタル知識としてRPAをプラスするプログラムを行った事例です。

RPAとはなんぞや?という方は以下の画像をご覧ください。

参加者とプログラムの内容

■参加者
受講者数:18名

・情報システム部以外の所属社員
・シニア層(50代以上)社員
・ITエンジニアではない
・スキルにはばらつきがある

■目指す姿
・業務改善の旗振り役
・各部署のRPA開発者
・ロボット開発担当者

参加者は役職がある方が多く、中には役員もいらっしゃいました。スキルもプログラミングを経験したことがある方や、ITに苦手意識がありファイルパスなどPCの用語が出てくるとわからない…とう方まで幅広くいらっしゃいました。
3ヶ月間のリカレント研修を実施することで、各部署でRPAを利用した自動化の実施と、受講者が業務改善のリーダーとなりロボットを活用した業務体制の構築を目指します。

■プログラム内容
まずは集合研修でRPAの概要やロボット開発で利用するツール「UiPath」について学びます。

次に講師とマンツーマンでロボット開発を行います。
ロボット開発は以下3つの工程を1ヶ月1サイクル、計3サイクル実施しました。
①担当している業務から自動化する業務をリストアップし、講師と相談しながらRPA化する業務を選定していく「業務ヒアリング」
②どのような意図があってこの部品を設置するのか等の背景も含めて受講者に説明していただきながら行う「ロボット開発」
③ロボットの性能に関してだけではなく、開発ルールを守れているか、運用・管理方法をレクチャーなども実施する「レビュー」

また、プログラムの最中だけでなく自習をしているときや、実際にロボットを動かしてみたが止まってしまったという場合にもサポートができる体制を整えていました。修了後も自習用のテキストやトレーニング用動画を用意することで継続して学び、ロボット開発ができるようにしました。

あらわれた効果

研修の効果を定量、定性という2つの視点から見てみます。

まず定量的な効果としては、大きく業務の作業時間が減っていることが<研修効果:定量>の図からわかります。リリースした24体のロボットで1台あたり26時間ほど時間削減に成功しました。開発時間を加味しても、大幅な時間削減です。

<研修効果:定量>

次に定性的な効果を見ていきます。
作業の際、ミスをしないよう気を張っていた人はロボットのおかげでストレスが緩和され、長い期間同じ部署で働いていた人は新しい技術を知って刺激になり、手が届いていなかった業務があったチームはロボットで業務を自動化できるなど、ロボットと協力することで本業へより集中でき、より大きな成果を出せるようになりました。

<研修効果:定性>

また、予測していなかった好ましい効果もありました。

<研修効果:予想外>

1点目に関して、研修が始まるまではITスキルを測る機会がなく、会社のシステム部や事務局の社員が他の社員が持つITスキルを把握できていませんでした。しかし、蓋を開けてみると想定しているレベルではない社員がいることがわかりました。そのため、研修を行う今回のタイミングで「スキルチェック」で統一の基準を作り、ITスキルの判定と教育をすることで、全体のスキル向上に繋がりました。

2点目に関して、研修中に「今行っている業務手順の確認」がありました。確認すると、かつては必要だったけれども今は必要のない慣例的な手順が見つかりました。必要がないと気づいたとしても、若手の社員は指摘しにくいものです。しかし、今回の受講者は現場の中でも発言力のある社員だったため、「変えよう」と声をあげると一気に手順が改善、効率化されました。

3点目に関しては2点目と少し似ていますが、部内ではなく社内のルールを変えたことです。
自動化しようとしていた業務が日々行うにもかかわらず社内のセキュリティルール上、手間がかかっていることがわかりました。受講者である役員の方が、「なぜこんなに面倒になっているんだ」と疑問に思い、その場でセキュリティ部門の方に連絡してすぐに社内のルールが変わったということがありました。

特に2点目と3点目は、今回の受講者が現場での発言権を持ち、業務をよく知っているシニア層だったからこその効果と言えます。

受講者の声

受講者アンケートでは、今後自分の業務でRPAを活用できるので学習を続けたいと答えた方が多くいらっしゃいました。
研修を通してITスキルを身に付け、新しい気づきを得ることでモチベーション向上にもつながったということがわかりました。

以上がシニア層社員を対象にRPAを活用したリカレント教育の事例でした。
是非、今お読みいただいている皆様の企業でも業務知識と推進力を持つシニア層にデジタル知識をプラスし新しい価値を発揮するデジタル人材を育成することで、現場の変革を促しませんか?

-------------------------------------------------------

Work Switch+Digitalでは、今回ご紹介したRPA研修やデジタル人材を育成するための人材要件と育成メニューの設計等を通してデジタル人材を育成するお手伝いをしています。

デジタル人材の育成に関してお悩みをお持ちでしたらお気軽にご相談くださいませ。

▼ご相談はこちらから
https://www.persol-pt.co.jp/ws_digital/contact.html

▼Work Switch+Digital(ワークスイッチ・プラスデジタル)

------------------------------------------------------------------

▼無料Webセミナー毎月開催中!
毎月デジタル人材育成やDXに関する情報を発信しています。
こちらへのご参加もお待ちしております!

文・グラレコ/さーや
Twitter:https://twitter.com/sayaaan1582

※記載されている情報は公開日時点での情報です。


















みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!