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生まれたての1年生作家&編集者が、成仏しそうなくらい面白い本を作りました!

読書の秋に何を読もうかお悩み中の皆さま、
11月16日にこんな本が発売されます!

1巻を読んだ人にとっては、気になりすぎる表紙!

『とっとと成仏してください! ②成仏拒否で、めちゃめちゃピンチ!』(以下『成仏』)です!

以前noteでご紹介した『マリトラ事件ファイル』と同じく、第1回ポプラキミノベル小説大賞から生まれた作品で、こちらはファンタジー・ミステリー部門で〈大賞〉を受賞しました。(現在絶賛第2回の審査中です!)

7月に1巻が、発売されており、この度めでたく2巻が刊行されます!
パチパチパチ~!!


『とっとと成仏してください!』あらすじ
中学1年生の天国玲香(あまくに れいか)は幽霊にとり憑かれやすい特殊体質の持ち主。この世に未練を残した幽霊にとり憑かれては、その成仏を手伝う不幸な中学生活を送っていた。
そんな玲香にとり憑いたのが、記憶喪失の男子の幽霊。自分の名前も、年齢も、何もわからないという幽霊を、とりあえず「(名無しの)ごんべえ」と呼ぶことにした玲香。でもこのごんべえ、超エラそうで超ナマイキ‼ 
果たして、玲香はごんべえを成仏させることができるのか……?



編集担当の畠山は、社会人になってから雑誌一筋で進んできた小説づくり超初心者。ポプラ社に入社して担当作を決める際、「どれか担当してみたい作品はある?」と聞かれてもポカーン状態でした。

同期入社で『マリトラ』担当の磯部が「私はこれがやりたいです!」としっかり意思表示しているのを「すごっ」と思いながら「では私はこちらで……」と出会ったのが『成仏』。

そこからどんどん『成仏』への愛は深まるばかりです……。
登場人物みんなかわいい、尊い。
2巻を校了し、3巻へと動き始めている今、本当にこの作品を担当できてよかったなと思っています。

作者の花さんも、なんと本作がデビュー作。
本づくり1年生コンビが、1巻2巻の制作当時を振り返りつつ、『成仏』愛を熱く語り合います!


花千世子(はな ちよこ)
愛知県出身。第1回キミノベル小説大賞ファンタジー・ミステリー部門で〈大賞〉を受賞。『とっとと成仏してください!』シリーズがデビュー作となる。特技は猫を遊ばせることとカフェオレの早飲み。
Twitter:@hanachiyoko0713

畠山このみ
ファッション誌、カルチャー誌の編集を経て、2022年1月、ポプラ社に転職。趣味は脱出ゲームとミュージカルとポケモン。


好きなドラマの二次創作が、書くことのきっかけ

畠山 2巻、できましたね~! お疲れ様でした!

  ありがとうございます! あっという間でしたね。

畠山 本当に! 1巻を刊行して、2巻が出るまでが一瞬でした。花さんは本作がデビュー作ですが、実際に本になった時はどうでしたか?

  ずっと実感がなかったのですが、実態になったということで、本を震えながら手に取りました。大切に、そっと扱おうと……。

畠山 その気持ち、わかります。うれしいですよね! やはり小さいころから読書がお好きだったんですか?

  それが私、全然本を読まない子どもだったんですよ。

畠山 えっ! 作家さんは皆さん小さいころからたくさん本を読まれているイメージだったので、意外です。

  だから、大人になってからたくさん読まなきゃって思って。子どものころよりも今の方が児童文庫をよく読んでいます。

畠山 書くことはもともとお好きだったんですか?

  そうですね。はじめは好きなドラマの番外編を想像して書いたりするのが好きで。誰に読んでもらうわけでもないけれど、書いていました。

畠山 ストーリーを考えることがお好きだったんですね。小説ではないところから、お話作りの楽しさを知って、作家になる。なんかロマンがありますね! 小説が好きになったきっかけはありますか?

  本当に本を読まなかったので……。大人になってから秋山瑞人さんの『E.G.コンバット』という本を読む機会があって。SF小説なんですけど、それがびっくりするくらい面白くて衝撃を受けました。恐ろしいほど文章が上手いんです! 

畠山 人生を変えるの1冊との出会いってやつですね!

  それで読書の面白さを知って、書くのも好きだし小説家を目指そうと思い始めました。


いろいろな人に『児童文庫が合う』と言われて

  もともと色々な児童文庫さんのTwitterをフォローしていて。キミノベルさんも始められたので、コンテスト(新人賞)をひらかないのかな、と思ってずっと見ていたんですよ。

畠山 そうなんですね。フォローありがとうございます。

  ダイレクトメッセージで、コンテストしないんですかって聞こうかと思って、やめたこともあります。

畠山 ははは! そしたら開催されたと。それはもう運命ですね! ずっとチェックしていただいていたということは、はじめから子ども向けの小説を書かれていたんですか?

  それが全然書いていなくって。20~30代向けの小説を書いていたんですが、読む人読む人に「児童文庫が合うよ!」と言われて。そこから子ども向けも書くようになりました。

畠山 花さんに児童文庫を勧めてくださった方、ありがとうございます~! では『成仏』ははじめから児童文庫を意識されて?

  もともとは青春もののイメージで、高校生の設定で書いていたんです。でもなんかしっくりこなくて。いろいろ迷って中学生にしてみたら、これだってなりました。そこから児童文庫を意識し始めて。でも実は応募前の『成仏』は、ページ数が少し規定に足りていなかったんです。なので応募するにあたって付け足したシーンもあります。

畠山 高校生だったとは! 大人としては、高校生バージョンも気になっちゃいます!


必見! 『成仏』誕生秘話

畠山 『成仏』は児童文庫では定番の幽霊ものでありながら、玲香と幽霊が友達でもなく、家族とも違い、イマジナリーフレンドのようで、そうでもなくて……何とも言えない関係性を築いていくところがとても魅力的だと感じました。“憑かれ体質”の物語は、何をきっかけに生まれたんですか?

  1巻のあとがきにも書いたと思うんですけど、私、すごい怖がりなんです。オバケも怖いし、人間も怖いし、病気も怖いし、事故も怖いし……。

畠山 よく悪夢を見るとおっしゃっていましたよね。読者からも「悪夢を見なくなるといいですね」というコメントが届いたりしています。

  そうなんですよ。でも唯一、幽霊となら友達になれるかもしれないと思って。仮にとり憑かれたとしても、怖いではなく面白いの方に持っていければ、楽しいものが作れるかもと思ったのがきっかけです。
 
畠山 怖いけど友達になれるかもというポジティブな発想が、素敵です。花さんらしい! 

  それで“とり憑かれ体質”のお話を書こうと決めて書き始めました。あとはラストの方向性も最初から決めていましたね。ああいう雰囲気でないと、私が耐えられない!と思って(笑)。

畠山 ラストがいいですよねー! 1巻をまだ読まれていない方もいらっしゃると思うので、ネタバレは避けておきましょう。

この後、1巻のラストについてだいぶ語り合いました……(笑)。


登場人物の目線に立って生まれた、仰天設定

畠山 キミノラジオでわっちゃん(声優・和多田美咲さん)も言っていたのですが、玲香は“脱力系”の主人公ですよね。明るい子、けなげな子、いろいろなヒロインがいる中で、この雰囲気は唯一無二だと思います。

  最初は玲香が本当に心配で。暗すぎないかな、ネガティブすぎないかな、とドキドキしていました。

畠山 かわいそうなことも多いけれど、玲香がゆるっと受け止めている感じが少し笑えたりもして。ザ・ヒロインといった感じではないけれど、リアルにいそうな感じが絶妙です。

  読者にも受け入れられているようでよかったです。ちょっと暗いけど、たくさん食べるからまあいいか、みたいな感じで(笑)

畠山 確かに。食べれば元気になりますもんね! 憑かれると食欲旺盛になるという設定はどのようにして生まれたんですか?

  13歳の女の子って、人前でたくさん食べることを恥ずかしく思う子もいるじゃないですか。憑かれたくない理由の一つになればいいなと思って。単純に二人分の栄養が必要になりそうですしね。

畠山 確かに友だちや好きな人の前でバクバク食べるのは恥ずかしいかも……。登場人物の年代の目線に立って考えられているんですね。

2巻の挿絵をチラ見せ! 玲香さん、さすがに食べ過ぎでは……


個性豊かなキャラクターたち。発想はどこから?

畠山 ご応募いただいた原稿の段階では、玲香の愛猫ツナマヨはいなかったし、クラスメイトのアリスも今ほど個性的ではなかったですよね。

  アリスは、最初は本当にただのモブの予定でした。応募前に読んでくれた方が、「名前を付けたなら、キャラとして立たせた方がいいよ」とアドバイスをくれて、それで書き直したんです。

畠山 そうだったんですね! 改稿の際もアリスは迷いましたよね。途中でさわやかスポーツ少女になったりもして……いろいろ試した末、今のギャルになりました。

  懐かしいですね! 特に頭を悩ませて作ったキャラクターなので、一番思い入れの強い子です。

畠山 設定が変わったといえば、玲香もはじめはサスペンス好きでした。小学生読者を想定すると、少しとっつきにくいかもと思い、何か別の設定にできますかとお願いしたところ、ツナとマヨが登場して。改稿を読んだときは、あまりの変わりようにびっくりしました。猫への熱量がすごい!

玲香の愛猫、ツナ(左)とマヨ(右)。ちなみに花さんは猫派で畠山は犬派。

  やっぱり入れ込み具合がわかりますかね(笑)。私が一番共感できるので、猫好きにしたらいいか!と思って。

畠山 ははは! 「猫好き」は花さんと玲香の一番の共通点ですもんね!

  そうですね。玲香には自分の後ろ向きさと前向きさが半々なところを反映させていて、アリスには学生の頃の勢いがあった自分をちょっと当てはめています。

畠山 ご自身の性格や経験を、登場人物に落とし込むことが多いんですか?

  そうかもしれません。でもごんべえと、リエ、マミなどの後半に登場するキャラクターは、私の頭の中で生まれたキャラクターです。

畠山 リエとマミは2巻で大活躍しますよね! 1巻は玲香とごんべえふたりのやりとりが中心でしたが、2巻ではぐんと登場キャラも増えるので、よりにぎやかになった『成仏』ワールドを楽しめると思います!

1巻では半ページに収まっていたキャラ紹介が、2巻では見開きに。にぎやかー!
1巻のネタバレになりそうなところは、隠させていただいております。悪しからず。


自分の文章のクセを指摘され、猛勉強⁉

畠山 ストーリもキャラクターもとっても魅力的で、語り始めると止まらなくなってしまう『成仏』ですが、初めての刊行に向けた執筆作業、大変だったことはありますか?

  応募前は、クライマックスを盛り上げなきゃとばかり考えていました。先ほども言った通り方向性は決めていたものの、そこに持って行くまでどうしたらいいかと。喧嘩が終わって、とかだと小さくなってしまうし……。

畠山 1巻のクライマックス、想像とは全く違う展開で燃えました! ご応募いただいた原稿から結末は変更していないけれど、そこへの持って行き方は何度もご相談させていただきましたよね。結果すごく盛り上がる展開になったと思います!

  ストーリー作りに関して難しいと感じることはあまりなかったのですが、校正が入った後、自分の文章のクセを目に見えて指摘されたときは大変でした。同じ表現を使いがちという指摘をいただいたんですけど、言い換えを考えるのが難しくて……。ストーリーを作るのとはまた違う頭の回路が必要でしたね。

畠山 確かに、おひとりで書かれているときには気がつきにくい指摘ですね。私も校正が入るまで気がつけなかったので、一緒に勉強させていただきました。

  大変ではあるんですけど、それはそれで楽しいんですよ。自分の言葉の引き出しの少なさに愕然としたので、インプットを増やさなくてはと思いました。類語辞典を買おうかな、とか……。

畠山 2巻では表現の幅がとても広がっていて、さすがだなぁと思いました。

  1冊でも多く読んで、語彙を盗もうとしています。小説だけでなく、ネットで読めるコラムなどでも、何かを読むときは常に意識して、とにかく自分のものにしていきたいという気持ちです。

畠山 花さんの文章は、まるで話しているときのようにスッと入ってくる感じが魅力だと思うんです。小説以外にも、いろいろな媒体に触れられていることが、文章の個性として生きてきているのかもしれませんね。

  そうだと嬉しいです!


読んでくれた人の感想が、宝物

畠山 『成仏』は、玲香とごんべえの会話の面白さが高く評価され、大賞の受賞につながりました。読者からのメッセージでも、「読みやすい!」とか「玲香とごんべえのやり取りが楽しい!」といった感想が多く来ているんですよ。

  会話は書いていてめちゃくちゃ楽しいです!

畠山 やっぱり! 文章からもそれが伝わってきます。ちなみに私は、ふたりのやり取りがかわいくて、よくデスクでにやにやしています(笑)。

  よかったー! 独りよがりが一番怖いので、本になって、いろいろな人からの感想が聞けるのがうれしいです。

畠山 感想はがきやキミノマチへのコメントなど、続々と反応が来ていて私もうれしいです。1巻が出て、読者からの感想が来て、どうでしたか?

  泣きましたね。すごい純粋なものを感じて。自分にこんな言葉を向けてもらえるんだって、感動しました。一つ一つが宝物です。

畠山 うんうん。

  作家志望の方は多くがそうだと思うのですが、みんな一人で書いているんですよ。コンテストに落ちるとそれで終わりで。それに慣れてくると、感想とかそういうものはもらえないもの、みたいな感覚になってしまうんです。私はひとりでやっていくから大丈夫、みたいな。なので実際にお手紙や掲示板でのコメントをいただくと、ほんっっっとうにうれしいです。


ヒーローが挿絵に登場できない罠が!

畠山 イラストを描いてくださっている海ばたりさん(Twitterはこちら!) も、児童文庫の絵を描くのは初めてだそうです。花さんの文章だけでもかなりキャラが立っている『成仏』ですが、イラストが来たとたん、動き出した感がありましたよね!

  ほんっとうにかわいいんですよ!

畠山 キャラクターデザインが来た時に、ふたりでめちゃめちゃ興奮したのを覚えています。

  イラストがあると、全然違うんだなっていうのをはじめて実感しました。キャラクターも生きているんだな、というのを身をもって感じて、とてもうれしい気持ちになりました。

初公開! 海ばたりさんが最初に描いてくださったキャララフです。かわいー!!!

畠山 海ばたりさんのイラストはとても表情豊かで、絵を見ているだけでいろいろな背景が想像できて。『成仏』の世界観をより深いものにしてくださっているなと感じます。新しいイラストを描いていただいて、花さんにお送りするのが、編集中好きな作業ランキングトップ3に入るくらい、本当にいつもワクワクするんですよ!

  私もいつも楽しみにしています。

畠山 でも玲香は幽霊が見えない設定で、自分にとり憑いているごんべえがどんな姿なのかずっとわからないんですよね。本文は玲香視点だから、挿絵にもごんべえを出せなくて……。そこには海ばたりさんと私、とても苦労しました。挿絵が玲香ばっかりになっちゃうって(笑)。

  なるほど! 確かに!

畠山 玲香の目線をそこにいるであろうごんべえの方を向かせてもらったり、無駄にアリスの挿絵をいれてバリエーションを増やしたり……。よく「ごんべえがいないっ!」って頭を抱えていましたね(笑)。

  そんなことがあったんですね(笑)。こんなに近くにいるのに、姿が見えない、イラストにも出てこないって、確かになかなかないですもんね。

畠山 カバーにも出さない方向も考えたのですが、編集部の人にも相談して、「男子はいた方がいい! カバーだけは出そう!」ってなりました。

  そんなことがあったなんて、知らなかったです(笑)。

畠山 今では懐かしい思い出です(笑)。イラストと言えば、1巻では読者からキャラクターが着るお洋服のデザインを募集する“第1回お洋服コンテスト”を実施しましたね。グランプリ受賞者の作品を2巻の挿絵として海ばたりさんに描き起こしていただきました。

  どれも本当にかわいかったです! 審査にめちゃくちゃ悩みました。力作ぞろいで、みんなうますぎじゃないかと!

畠山 お手紙を添えてくれる子もいて、読者とつながれた感じがしてよかったですよね。“繋がる”はキミノベルのレーベルテーマでもあるので、こういった試みからも『成仏』ファンになってくれる子が増えるとうれしいなぁと思います。

  2巻でも3巻に向けて“第2回お洋服コンテスト”が開催されるんですよね。

畠山 はい! 『玲香の夏私服&アリスのドレス』というテーマで開催します。主人公とは…といった感じのテーマですが……(笑)

  確かに(笑)

畠山 第2回の詳細と第1回の結果は、『とっとと成仏してください②』の巻末をチェックしてくださいね!


広がれ! 『成仏の輪』

畠山 はー、まだまだ語りたいことがたくさんあって時間が全然足りないです! これ以上話したら、2巻のネタバレしちゃいそう! 私はルイくんが大好きです!(突然の告白)

  嫌われたらどうしようと思いながら書いていたので、その反応はうれしいです(笑)。

畠山 確かに人によってどうとらえられるか、気になるキャラです。あの良 さに気がついてほしい!! 2巻発売前なので、これを読んでいる方にはなんのこっちゃって感じですよね……すみません(笑)。

  海ばたりさんもルイが好きっておっしゃっていました。私もルイ、大好きです!

畠山 大人女子からの人気、高いですねぇ……(笑)。

2巻の新キャラ、“ルイ”について、散々語り合う……

畠山 2巻では○○に☆☆がそなわったおかげで◇◇ができるようになり、1巻とはまたガラッと印象が変わりましたよね。

  そうなんですよ。○○、能力開花って感じで。

畠山 そのおかげで私はとても助かりましたー!! ○○ありがたや~!!(伏字ばかりですみません。気になってきたでしょ?)そして、今、私の手もとには3巻の初稿があります。読ませていただいたのですが、とても面白かったです!

  どういう反応をいただけるかドキドキしていたので、安心しました。
長く続くシリーズにしたいなぁ……!!

畠山 本当に! 今後の展開に期待大な3巻も控えているので、1巻がまだの方はまずは1巻から、1巻を読んでくださった方は2巻を、チェックしていただけるとうれしいです! たくさんの方に読んでいただいて、『成仏の輪』を広げていきたいですね!


『とっとと成仏してください!』
花千世子/作 海ばたり/絵
①憑かれて疲れて もう、サイアク⁉    試し読みはこちらから! 
②成仏拒否で、めちゃめちゃピンチ! 試し読みはこちらから!

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