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真夏のアブダビとK-1ボクサーの太い腕 マルマラ海沿い街道の旅★2019(2)

《再勉》時代の友人Mの誘い、それに、日本の大学での教え子の結婚式に招待され、2019年7月の終わり、トルコに旅した。

トルコに行くのは3回目、仕事以外では初めてとなる。
高価な直行便を避け、Ethihad航空セントレア発アブダビ乗り換えイスタンブール行チケットを買う。これが、実は北京経由と知ったのは出発の当日。

イヤな予感は的中し、セントレア発が3時間遅れる。搭乗後に、中国政府から許可が出なかった、とアナウンスがあった。
アラブ首長国連邦の首都アブダビにも遅れて到着したから、イスタンブール行には間に合わず、翌日の便に回された。

アブダビ空港では、半ズボンにTシャツ姿の中国人オジさんが、
「Tomorrow morning? You must be kidding!」
と地上係員に怒鳴っていた。今日ミュンヘンに着かないとたいへんだ、と声高にわめくのだが、そんなん知らんがな、その怒りはオジさんの国の政府に向けなさい。
「北京に天候などの問題はなかった。北朝鮮関連ではないか」
オジさんは、誰かれ構わず唾を飛ばしてわめき続けた。

出発延期の客は、ダウンタウンのホテルに送られた。
その途中、白く大きく美しい、4基の塔(ミナレット)を持つシェイク・ザイード・グランドモスクを見ました。

空港からホテルまでの道すがら、窓越しに見えたシェイク・ザイード・グランドモスク

ホテル到着。ここで、昼、夜、朝とビュッフェで食べられ、翌朝お迎えが来るそうだ。
同じ境遇の美女に誘われ、同じくセントレアから搭乗した、彼女を含む3人と昼食のテーブルを共にすることになった。
女性以外の2人は、とにかく《巨大》だった。

ひとりは体重200キロはありそうなおじさんで、カワサキのオートバイチームの一員として、鈴鹿のレースに参加するため、フランスから来日していた、という。
このおじさんと私が同じ航空運賃なのは、おかしいのではなかろうか。
チームにおける彼の役割は聞かなかったが、レーサーでないことだけは間違いなかろう。

残りの2人は、筋骨隆々たる40代のオジサンと、30代後半ぐらいの大柄な女性のカップルで、やはりパリ往きに乗りそこねたとのこと。
オジサンの腕はハンパでなくTシャツからはちきれそうで、女性の足の太さぐらいはあるだろうか。私がパンチを受けたら即、あの世行きだ。

脂肪と筋肉と、主成分は違えどとにかく巨大なオジサン2人はフランス語で話し始めた。私は向かい合わせの美女に話しかけられる。
「あなた、どこへ行くの? 目的は? 仕事は何してるの?」
なんていう話題から、
「あなた、ボクシングは好き? 見たことある?」
と話が移る。
「テレビで見るくらいっス」
的に答えていると、わたしたちはね、と語り出した。

カップルはK-1ボクサーとそのマネジャー兼パートナーで、岐阜県揖斐川町で開催された試合に出たという。揖斐川町の町長に、古民家に住んでみないか、と勧められた、とのこと。
ボクサーの名は、ジェロム・レ・バンナ、調べたら、「K-1の番長」とニックネームされる格闘技界のスターであり、超・有名人だった。

マネージャー兼パートナーのメリッサは、写真家としてJeromeと知り合ったという。写真の方も続けており、日本で映画を作るのが夢で、日本語を勉強しているという。

たぶん、熱心なK-1ファンには、
「おまえ、何やってんだよ!」
と叱られることだろう。でも、ホントに知らなかったんです。ごめんなさい。

部屋で休むというカップルと別れ、町に出てみる。
7月末、真夏のアブダビは気温40℃を軽く超え、とにかく暑い、いや、熱い。
ホテル前のモスクには、ちょうど礼拝の時間なのか、履物が並んでいる。

ホテル前のモスク。人々は履物を脱ぎ、礼拝所の中に。

イスラム教のモスクは塔(ミナレット)の数で格式が決まるという。
移動の途中に見たシェイク・ザイード・グランドモスクは4本、こちらは2本。モスクの大きさも全然違うもんね。

こんな建物の中は暑かろう、いや熱かろう、と思って裏に回ると、やはりエアコンの室外機が。でも、これくらいじゃ足りないよね。

この日は、英語が話せて良かった! と久々に思いましたが、福井工専女子学生の《通訳メガフォン》があれば、その方が(トルコ語もOKのはずなので)良かったかも。


1日足踏みしましたが、次はいよいよイスタンブールに乗り込みます。
といっても、空港から市街地は通り過ぎ、郊外にある大学キャンパスに直行しますが。


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