『そこから始まる物語』
故郷を思い出し、今の自分を思い
ギャップのような、ズレのような
慈しむ気持ち、過去の記憶と重ねて
隙間を埋めて、今の自分を作っている
日中の暖かみを忘れ、夜に厚着になって
メールや溜まったものに、埋もれていく
春になれば、本当の春がやって来れば
たった一つの、素っ裸の自分になって
迎え入れるものが見え、自ずと馴染んでいく
創られた、映画や音楽や物語の世界ではなく
今、目で見ている世界が、全てになる日が
余計なものが、全て溶けていき身軽になって
分離されたもの、一つに混ざり合うように
きれいに重なりあって、温かさが増して
足並みを揃えて、一緒に歩いていける
だから今は、そのままでいいのだと
言って聞かせるように、一人つぶやく
人の形をした、魂の塊のようなもの
そこから始まる物語
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