「白いものから」
白い泡が、指と指の間から、むにゅっと出てくる。
泡立てると音を立てて弾けて、はみ出してくる。
出てきた泡を、また、中に奥の方へ収めようとして、
押し込み、むにゅっとを、繰り返し続けて洗う。
泡は泡の子供を産み、親子になって大きく育っていく。
やはり、家族は必要だなぁって、泡を見て思った。
昨夜のお風呂でも、足指の間から、もこもこと泡が出て、
何かを、必死に訴えているようだったから、面白い。
シャワーで流してしまった後も、もこもこの残りが、
小さくなって、足指にまとわり付いていた。
間から顔を出す泡たちは、仲良く弾けて遊んでいる。
絵本のような世界だけど、本当に遊んでいるようだ。
出して遊んでと、言っているように、指と指の間から、
むにゅっと顔を出して、もこもこと歩き出す。
果たして、どこへいくのやら。
泡と戯れる、泡たちとのダンスを、いつになく楽しんだ。
ダンスタイムは、夜通し続いた。
なかなか洗い流せない、夜となった。
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