関谷すばる

平塚出身、府中を拠点に市民活動支援、まちづくり事業、中高生の学びの場づくり、シェアハウ…

関谷すばる

平塚出身、府中を拠点に市民活動支援、まちづくり事業、中高生の学びの場づくり、シェアハウス運営など人と人の間にあるものを大切に生きてます。誰もが居心地よくいられる有機的な社会を目指して。

マガジン

  • スカラベテーブル

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  • たまりば

    シェアハウスたまりばのこと

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    すばるくんの日記。たわいのないことなど含め

  • 第3の学びの場”Posse”

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最近の記事

スカラベテーブル‐残像から生まれるもの-

私は残像を愛している。 たまりばというシェアハウスを始めて5年。様々な人が集う場に住み続けていると、日常のそこかしこで今までこの場に集った人々の残像に出会う。私はその残像たちと日々会話をし、癒され、また新たな発見をもらいながら日々を進めている。 残像というのは私にとって大きなテーマであり、私が気になってしまうもの、例えば文化や街、言葉や表現は、すべて残像の結晶であると思う。人々が生きた名残が文化となり、人々が動いた証が街となって今目の前に現れる。私が読んでいる本は誰かの思考

    • ブックカバーチャレンジ5日目-発酵文化人類学-

      最初に見掛けたのは、京都で本屋巡りをしていた時。 恵文社で見かけて、何だこのめちゃくちゃ面白そうな本は。となったのを覚えています。 その後大学4年生の時に地元平塚で有機農業の研修を受けていたのだけれど、その中でも発酵の面白さに少しずつ気づくようになり、また同時に、私の活動の軸であるまちづくりやコミュニティビルディングと有機農業や発酵との共通点を見出すようになっていきました。 その後満を持して発酵文化人類学を読み、発酵と社会との類似性にある種の自信を持って話ができるよう

      • ブックカバーチャレンジ4日目‐最初の質問‐

        今日あなたは空を見上げましたか。 空は遠かったですか、近かったですか。 ブックカバーチャレンジも4日目、折り返し地点になりました。 今日は、今日という日にぴったりな僕が好きな絵本の話。 『最初の質問』 長田弘さんの詩に、いせひでこさんが絵を重ねた絵本です。 長田弘さんはやさしくてあたたかくて、この世界のはかなさとうつくしさを思い出させてくれる詩を書くとても好きな詩人です。 そしていせひでこさんの描く大きな木やおじいさんが好きで、いつかこんな大きな木のような人にな

        • ブックカバーチャレンジ3日目‐反逆する風景‐

          3日目、今日紹介するのは、「反逆する風景」。 「もの食う人々」という本で有名な辺見庸さんの本。 この本を手に取ったのは、これまた大学1年生だったかと思う。それまで優等生チックな「意味ある世界」で生きてきた自分にとって、反逆する風景というコンセプトそのものが衝撃だったことを覚えている。 同時に、この本が好きな幾人かの友人にも出会い、その出会いもまた大きな衝撃であった。 私の小中高校での生活というのは、思うにものすごく単純だったのだと思う。訪れる出来事が語る「意味」を拾

        スカラベテーブル‐残像から生まれるもの-

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          ブックカバーチャレンジ2日目-星の王子さま、禅を語るー

          ブックカバーチャレンジ二日目、今日紹介するのは、「星の王子さま、禅を語る」という本。 これは大学1年生の時に、大学の生協でたまたま目に入って衝動的に買ったもの。 英米文学を研究し、禅林句集などの翻訳を通して欧米に禅を紹介している禅宗の住職さんが出している本で、 皆さんご存じ星の王子様の物語を通して禅の心を紹介しています。 なぜ星の王子様が禅?となると思うのですが、 星の王子様も禅も本質を語ったもので、本質的なものはやはり似てくるといいますか、相互に共鳴するものがある

          ブックカバーチャレンジ2日目-星の王子さま、禅を語るー

          ブックカバーチャレンジ1日目-グスコーブドリの伝記-

          お世話になった高校の先生から回ってきたブックカバーチャレンジ。 色々忙しくて遅くなってしまったけれど、ようやっとやってみようと思います。 ノートはながーいコメント書く用。 一冊目は、グスコーブドリの伝記 思い返すと、宮沢賢治はなんだかいつも近くにいる気がする。 1番初めの記憶は、家族で宮沢賢治の催しに行ったときのこと。まだベビーカーに乗ってた気もするし、歩いていた気もする。時期を考えると生誕100年のイベントだろうか。だとしたら1996年、3歳の時の記憶だろうか。 そこ

          ブックカバーチャレンジ1日目-グスコーブドリの伝記-

          たまりばonline、始めます。

          何かうれしいことがあった時、疲れてくたびれた時、悲しくて誰かに話を聞いてほしい時、とても面白いことを思いついて誰かに話したくなった時、一人本を読んで、音楽を聴いてリラックスしたいとき、、、 一人ひとりの今の気持ちに合わせて、心地よく居られる場になれば。 普段あんまり言語化はしないけれど、たまりばはそんな場であれたらな。と思っています。 そして、来たら来たで、自分の話に耳を傾けてくれる誰かがいて、隣で音楽を聴いて話せる誰かがいて、今日あったばかりのはずなのにいつの間に

          たまりばonline、始めます。

          人が好きなんだね そんなことをよく言われるが、そうなんですと全力で思えたことはそんなにない。 嫌いではないのだけれど、好きとも違う。 人のいいところを見つけるのがうまいよね といわれるけれど、その言葉もなんだかしっくりこない。 思うに、僕はただただ、羨ましいのだ。 自分とは違う時間を、ただただ「その人」であるという時間を生きてきたそのものが羨ましい。 どんな時間を過ごし、どんな喜びを得て、どんな悲しみを心に刻んできたのか、そのひとつひとつを僕も味わいたい。 そ

          畑の香りとアブラムシ

          4月25日(土) 料理をするのは、間借りでカフェを開くくらいには好きだ。でも最近はなかなか時間も取れず、料理とは疎遠になっていた。 在宅になったおかげで、料理をする時間ができた。 せっかく料理を楽しめるようになったので、良いものを使いたいじゃない。 ということで、前に有機農業の研修を受けていた会社の野菜の定期便を頼むことにした。 いかすのたんじゅん野菜。 私の地元平塚を拠点にしている会社で、日本中で炭素循環農法という無肥料無農薬、炭素と窒素のバランスを保つことで健や

          畑の香りとアブラムシ

          虹かかる夜

          月に虹がかかり、一つ一つの電灯に虹がかかる夜。 なんだか街がやさしく包み込んでくれるような夜がたまにある。 今日はそんな夜だ。 こんな日は、バルセロナの街を思い出す。 自慢ではないが、私はバルセロナの街に3度抱かれたことがある。 最初に訪れたのは世界一周の最中で、 バルでピンチョスを一つとワインを一杯嗜み、寝場所を探して歩いていた。 少し霧がかった夜を徘徊し、静まり返った街を堪能する。 賑やかな昼とはまた違う、オレンジのやさしい色をした街の顔

          虹かかる夜

          【第3の学びの場を作る①】~自分と向き合える場~

            私はPosseという場で、中高生の第3の場を作りたいのですが、それはなぜかというと   中高生たちが、 自分と向き合う時間も場所もないから。   です。(ちなみにこれは中高生に限らず多くの日本の大人もそうだと思っています) 中高生たちは主に家庭と学校という二つのコミュニティないし、部活や習い事といった何らかの目的のある場所に所属しているかと思うのですが、多くの場合彼らはその場所で何らかの役割と演じることとなります。 つまり、家では「子ども」という役割、学校では「生徒」とい

          【第3の学びの場を作る①】~自分と向き合える場~

          青空

          いつも青空だ。 アウシュビッツで沈んだ時も トゥールスレンで目を見開いた朝も ワールドトレードセンタービルを見上げた朝も 青空を抜けて照り付ける日が僕を離してくれはしない。 いつまでもどこまでも広く青い空が、 いつもは心を解き放してくれる青空が、これらの瞬間だけは、僕に重くのしかかる。 8月6日8時15分 今日も、あの時も、この青空の下で僕らは無防備に立っている。

          絵本の世界

          「絵本」とは、「読み聞かせ」とは何なのだろう。 5月19日(日)の朝、職場のプラッツの企画で、リトミックや絵本の読み聞かせを行っている団体「とんとんぱっ」の読み聞かせを聞いていた。 今回の読み聞かせの対象は、「子ども」だけではなく「大人」。 絵本が子どものためのものという固定概念がある中で、大人の世界において絵本はどのような効果を発揮するのだろう。 そんな挑戦を込めた企画だ。 1時間半の中で読まれた絵本は11冊。 アニメみたいな絵本、音楽のような絵本、映画を観た後のよ

          絵本の世界

          旅の効用

          「旅」なることをするのが好きだが、それは一体なぜなのだろうか。 一つの理由としては、旅をする中で、大きな世界の中で自分の存在の小ささを感じ、だからこそ自分の存在価値を感じるという一見矛盾した感情になるというのがある。旅に出ると、ああ、これをやろうと気持ちを新たにすることが出来るのだ。しかしなぜそう感じるのだろうか。 一般に流布している旅のイメージは、なんだか私にはしっくりこず、インターネット上で見る旅や、人から聞く旅話にはそこまで興味を惹かれないし、だからこそ、旅について

          ナルシスト

          そういえば、ナルシストという言葉は今も使われるものなのだろうか。 中高生の時に毎日のように聞いていたこの言葉、ナルシなどと略され、基本揶揄の言葉として使われていたように思う。 そんな中を、「優等生」なる私はナルシと言われないように、指をさされないように細心の注意を払って生き抜いてきた。 今でも、鏡を見るたびに、ナルシストという言葉が頭をよぎる。 さて、しかし今になって冷静に振り返ってみると、鏡で身だしなみを整え、かっこいい自分を保つことの何がそんなにいけないのだろう。

          ナルシスト

          Thank you 2018, Hello2019

          2019年になった。あけましておめでとう。 2018年は、本当にいろいろあった。 卒論を書き上げ、たまりばの家族たちは家を出ていき、新たな仲間が加わった。府中での大きなFESTIVALを企画運営し、大学を卒業できず、でもプラッツの正職員として働かせてもらうことになり、有機農業の研修を受け、外語会の理事となり、キミマチプロジェクトを開催し、とある団体の立ち上げに加わり、小学校とのコーディネートもし、様々なところで講演やトークをさせてもらい、ありがたいお話をもらったりもした。

          Thank you 2018, Hello2019