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絵本の世界

「絵本」とは、「読み聞かせ」とは何なのだろう。

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5月19日(日)の朝、職場のプラッツの企画で、リトミックや絵本の読み聞かせを行っている団体「とんとんぱっ」の読み聞かせを聞いていた。

今回の読み聞かせの対象は、「子ども」だけではなく「大人」。
絵本が子どものためのものという固定概念がある中で、大人の世界において絵本はどのような効果を発揮するのだろう。
そんな挑戦を込めた企画だ。

1時間半の中で読まれた絵本は11冊。

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アニメみたいな絵本、音楽のような絵本、映画を観た後のような幸せな疲労感のある本、考えさせるドキュメンタリーのような本、美しい日の散歩のような本。あらゆる感情を引き立てる絵本が表現されていく。

絵、読み語る声、そして映画のような音楽が合わさった時、今いる場がすっと引いていって、絵本の世界が目の前に広がっていく。

その世界はどこか不思議で、だけどなんだか現実的で。
「言葉」だけで表されうる世界ではなくて「言葉」と「感情」と「想像」が合わさってできる自分だけの世界なのだ。

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例えばそれは、
イベリア半島の南の端、タリファにたつ岩でできたお城からアフリカ大陸を眺めている時、大陸から吹いてくる風の中からふっと生まれた物語の世界であり

6月の雨の日、室内に漂う甘いホットケーキの香りから生まれる本であり

インドの砂漠で、旅した記憶を遡っている時に星の間から降ってくる物語であり

大雨の降る風の強い夜に不安な気持ちで目を開けた時に頭の横にすっと現れる本であったりする。

絵本というのは想像と感情が合わさった時に生まれるもので、

でもそれらの物語たちは自分だけで読んでもあんまりしっくりこなくて

風や香りや星や不安を代弁する語り部が、音楽や声やその拍を駆使したときにこそ輝く物語なのである。


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とんとんぱっの二人は、音大時代のリトミックコースで出会い、ずっと一緒に活動をしてきた。音楽・表現を追求してきた二人が織りなす世界観を浴びることができる子どもたちは、なんと幸せなことだろう。そしてそれを身近に感じることのできるぼくら大人たちも。

絵本にはなんだか縁がある。母親はそれこそ絵本の読み聞かせの会に入っていて、絵本は昔から身近な存在であった。中学の時には自分でも絵本を書き、大学に入った時は仲の良い友達が絵本が好きで絵本の家に遊びに行った。働き始めた今も、各所で絵本に出会い、絵本に感銘を受けている。

絵本が表す世界は本当に多様で、自分にしかその世界は想像できず、かつ語り部によってその世界は突き動かされる。こんなにも豊かな世界が、すぐ横に広がっている。そんなことにふと気づかされた、日曜の朝だったとさ。

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