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演劇研究レポート

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演劇に対する思想やエクササイズを幅広くまとめています。
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#演技

駆け出しの俳優が20代でやるべき5つのこと

駆け出しの俳優が20代でやるべき5つのこと

この記事は20代以下のまだ売れたとは言い切れない駆け出し俳優のために書きました。才能や人気がめちゃくちゃあって、もう売れちゃって売れちゃって困ってるよおという人は対象外です。
俳優としてはまだまだだという自覚があり、これから20代に突入する人や、もう20代半ばという人、もしくはもう20代終わっちゃうよという人もまだ諦めずに読んでいただければと思います。
ちなみに30代以上を対象としていないのは、単

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演技指導に対する僕の考え

演技指導に対する僕の考え

昨日「俳優コーチングWS」なるものを試験的に行いました。
見学者が10名以上もいるという予想以上の反響だったのが驚きでしたが、同時に演技指導というものへの関心の高さは嬉しく思いました。

WSの現場では3人の指導者の思想哲学に寄り添う形でコーチングをしたので、自分の演技に対する考え方などは一切口に出しませんでした。
しかしそれによって、自分がこだわるポイントも浮き彫りになったので、このnoteでは

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イギリスの俳優・演出・指導者がインプロを大事にするわけ

イギリスの俳優・演出・指導者がインプロを大事にするわけ

心身を崩したり、イギリスに来たりでお休みしていたインプロアカデミーで、久々にワークショップを開催します。
俳優さん、声優さん向けのインプロWSです。インプロのパフォーマンスに向けるというよりも、演技や俳優としてのあり方や技術の向上を目指します。

インプロの脚本芝居の繋がりについては、以前もこの動画で語っているのですが、イギリスに来たことでよりその繋がりは顕著なものになりました。

イギリスで学ん

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即興とか演劇についての再考

即興とか演劇についての再考

今日から3日間秩父で合宿。
この3日間、僕は改めて即興について考えようと思う。

以下、現思想哲学の吐露。

即興。
現段階で明らかなのは、単に台本がないことではないということ。
台本がなくても即興してない時はあるし、台本があっても即興してる時がある。
それはその瞬間に生きてるかどうか。コンマ1秒の過去や未来でさえない「イマココ」に生きているということ。

生きる。
生きるためにはまず在る必要があ

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「お客さんの想像を掻き立てる」即興演劇研究会

「お客さんの想像を掻き立てる」即興演劇研究会

寒くなってきたので、身体を擦って温めてスタート。
呼吸と身体を連動させ、グループ全体と合わせる。
ボールを投げ合い、それを奪い合う。時に驚かせる。なんの危険もない安全安定よりも、いつ起こるかわからない危険や驚きがあった方が面白い。
安定は不安定になるための準備段階。ずっと安定してはドラマが生まれない。

今日は早めにシーンに入る。1人がいて、そこの空間にもう1人入る。そこから二言交わすだけ。その後

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「インプロ」から「台本のない演劇」へ

「インプロ」から「台本のない演劇」へ

インプロシアター(Impro Theatre)というカンパニーがロサンゼルスにあります。

彼らはフルレングスインプロ(1時間にも及ぶ即興演劇)というスタイルを探求、上演しているカンパニーで、シェイクスピア、チェーホフ、テネシー・ウィリアムズなど、様々な劇作家を題材にした即興演劇を作り、ロサンゼルス・タイム紙、バック・ステージ・ウェスト紙、ロサンゼルス・ウィークリー紙からの推薦を受けたり、世界中で

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即興で興味深い長編演劇を作るための10箇条

即興で興味深い長編演劇を作るための10箇条

インプロ(即興芝居)は今年で12年になります。
最初は短いシーンを中心に作っていたのですが、段々と60分くらいの長編演劇も作れるようになってきました。
そんな今の僕が思う、特に長編演劇を即興で作る10箇条をまとめました。一般の役者さんにも大切なことがたくさん混ざってます。
では、どうぞ♪

1 ゆっくり演じよう一番大切なことを一つだけ選べと言われたらこれです。
基本、インプロをやると皆演技が早くな

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表現の最適解を見つける旅

表現の最適解を見つける旅

今日の昼、シアターマスクLABOでフルマスクの稽古をしました。

フルマスクの探求をしてると、見せたいものを見せるための最適解が段々とわかってきます。
例えば、「結婚したがってる人」を見せるために必要なのは?
「結婚したいなあ」というセリフ?教会の鐘の音?床に乱雑にばら撒かれたゼクシィ?…
いずれにせよ、頑張って演技することが最適解とは限らないことがわかります。

その後、アメリカでインプロや演技

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クラウンを通して、一番輝く自分に出会った話

クラウンを通して、一番輝く自分に出会った話

※この記事は、2019年に参加したフランスでのクラウンワークショップの終了時に書かれたものです。

フランスでの、2週間のゴーリエWSが終了した。

フィリップ・ゴーリエは、シアタークラウン、フレンチクラウンの権威。
日本でも何度かワークショップしてるし、彼の学校に多くの日本人も通っているから、噂は聞いていた。

その多くは「怖い」

クラウンのワークは、主にお客さん(他の受講者)の前で行う。

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「何もしない」から面白い

「何もしない」から面白い

今日、久々にフルマスクを扱いました。

僕は表現というものは、「見せる」よりも「見られる」方が興味深いと思っていて、特にフルマスクはそのことを思い出させてくれます。

表現とは「見せるもの」だと思われがちなのですが、フルマスクをやると「何もしない」ことの興味深さが際立ちます。
観客は、フルマスクがただ下を向くだけで「寂しそう」と感じ、ただ真っ直ぐ立っているだけで「緊張してるんだな」と感じます。

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