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#75 「玉ねぎ」のガチ解説

「玉ねぎ」あるある。

切れ味悪い包丁で切ると目が死ぬほど痛くなる。

千切り、みじん切りのとき、マジで憂鬱。

『新玉ねぎ』は、ほんとに美味しい。

1/4くらい残った「玉ねぎ」冷蔵庫にしまってそのまま放置しがち。

新しい「玉ねぎ」切った後に、残ってたやつがあることに気づく。

◯「玉ねぎ」について

では、今回は「玉ねぎ」について解説して行きます。

「玉ねぎ」の起源は、実はかなり古く、
イランを中心とした西アジアが起源と言われています。

しかし、もっと広い範囲であると言う説もあり、
その理由として、インド、トルコ、エジプトなどで
野生種に近い品種が古くから栽培されているものの、
野生種については、未だ発見されていないと言うことから
そのような説もあります。

紀元前27〜25世紀にはエジプトで栽培されていたと言う
記録が残されていて、当時のピラミッド建設の様子を記したものには、
建設に従事する労働者に対して

『にんにく』、『だいこん』と一緒に「玉ねぎ」も配給」されていた
とされる記録が残っています。

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「玉ねぎ」が日本へ来たのは、江戸時代。

南蛮船によって、貿易の拠点であった長崎に伝えられましたが、
当初は観賞用にとどまり、栽培までには至りませんでした。

実際に栽培に着手し始めたのは、明治以。

北海道開拓使が明治4年にアメリカから導入した各作物と一緒に
「玉ねぎ」の一種である“イエロー・グローブ・ダンバース“を
導入したことがきっかけとなりました。

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寒さに強い「玉ねぎ」は、北海道の気候に適していたため、
北海道での栽培が盛んになり、北海道の春蒔き「玉ねぎ」である
「札幌黄」が誕生するなど、普及が進みました。

北海道の「玉ねぎ」栽培の基礎を築いたのは、中村磯吉氏などの
先駆的な活動によって、定着するようになり、大正時代初めには
約500ha程度、栽培されるようになりました。

また、「玉ねぎ」が日本に定着した理由の一つに
明治初期に関西で流行した“コレラ“が関係していると言う話もあります。

当時“コレラ“は、感染性・致死率が非常に高く、『三日コロリ』などと
呼ばれ、大変恐れられていました。

そんな中で、「玉ねぎ」が“コレラ“に効くと言う噂が広まり、爆発的に広がるようになりました。

実際には、「玉ねぎ」には、そのような作用はないのですが、
ヨーロッパで“コレラ“が流行った時にも同じような噂が広まったそうです。

「玉ねぎ」の独特な香りなどから、古代エジプトやヨーロッパでは、
魔除けのような要素を持っていたことが関係しているかもしれません。

◯「玉ねぎ」の栄養価と効能

ここからは、「玉ねぎ」の栄養価と効能について解説して行きたいと思います。

・・が、調べた結果、「玉ねぎ」にはあまり突出して多く含まれる栄養価が
ないことがわかりました。笑

「玉ねぎ」の色からして、緑黄色野菜のように濃い色をしているわけではないので、栄養価もあまりないと言うことがわかると思います。

ただ、「玉ねぎ」特有の“辛み“や“香り“、そして涙を出させている主成分などがあるので、それについて少し解説して行きます

・硫化アリル

『硫化アリル』は、「玉ねぎ」特有のツンとした香りや辛味の素になる成分で、
「玉ねぎ」の他に、ネギやニンニク、ニラなどのユリ科の野菜に含まれています。

「玉ねぎ」を切った時に目が痛くなったり、涙が出たりするのは、この『硫化アリル』が原因です。

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『硫化アリル』には、さまざまな種類がありますが、アリル基と硫黄元素を含んでいる化合物になります。

『硫化アリル』には、血液凝固作用を抑制する働きがあるため、動脈硬化や血栓を予防するためには効果的です。

これが「玉ねぎ」を食べると血液がサラサラになると言われる所以でもあります。

さらに、血中コレステロール値の正常化やインスリン分泌の促進、免疫機能向上、抗がん作用などの効果もあるとされています。

・アリシン

『アリシン』は、『硫化アリル』の一種です。

「玉ねぎ」の辛味成分の正体の一つです。

ただし、「玉ねぎ」に元々多く含まれている成分ではありません。

どう言うことかというと、

生の「玉ねぎ」には“アリイン“と言う『硫化アリル』が含まれています。
「玉ねぎ」を切ったり、すりおろしたりして、細胞が破壊されると、
同じく「玉ねぎ」に含まれる“アリイナーゼ“と言う酵素が働きます。

この酵素の働きによって、“アリイン“から『アリシン』が生成されると言う仕組みです。

『アリシン』には、殺菌作用と抗酸化作用があり、風邪や食中毒の予防、抗がん作が期待できるとされています。
さらに、『アリシン』には、血流を改善する作用もあるので、血液をサラサラにしてくれます。

また、『アリシン』はビタミンB1と結合する性質があるため、同時に取ることで
ビタミンB1の吸収を促進してくれます。
ビタミンB1は、エネルギー代謝に関与しているため、疲労回復にもつながります。

・ケルセチン

『ケルセチン』は、ポリフェノールの一種であるフラボノイドに分類される成分です。
「玉ねぎ」の皮に多く含まれている黄色の色素成分です。

ポリフェノールには、抗酸化作用があることは、以前の記事でも何度か書きましたが、『ケルセチン』は、その中でも特に強い抗酸化作用を持っています。

動脈硬化や糖尿病といった生活習慣病の予防、抗がん作用、抗炎症作用、さらにはアンチエイジングにも効果が期待できる成分です。

また、『ケルセチン』は非常に吸収がされやすいと言う特徴もあります。

◯まとめ

「玉ねぎ」を切った時に目に染みる原因がなんだったのか、含まれる栄養素と
その効能について、理解できましたか?

途中でも言いましたが、「玉ねぎ」の色を見て貰えばわかるように、そこまで多くの栄養素を含んだ食材ではありません。

ただし、その数少ない栄養成分には、

血液をサラサラにしてくれる作用や生活習慣病予防効果、抗酸化作用など、
体にとってとても重要な役割を果たしてくれるものが存在します。

「玉ねぎ」は、カロリーも低いので、ダイエットをしつつ、健康的に痩せたい人、特に女性にはおすすめの食材だと思います。

ぜひ、この知識を自分の食生活でも生かして見てください。


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