アルバイトの彼女

明るい部屋は嫌いです

アルバイトの彼女

明るい部屋は嫌いです

最近の記事

  • 固定された記事

大東京

東京の朝。 ヨロヨロ歩くほてった男女。パンツが見えそうなJK。雨水に溺れた吸殻。大股で急ぎ足の労働者。頭脳試しされているような地下鉄。つまづきながらもキャリーケースを引く私。 東京の朝は煩かった。夜中を引きづりすぎている。 早送りされている人達、忙しないんだね。 エスカレーターの利き手の違い。ドラマみたいな喋り方。空の色。もし派手に転んでも、無視されちゃうのかな。道を尋ねても、イヤホン見せながら聞こえてないフリされんのかな。犯罪者とか有名人とかすれ違ってんのかな。同じ国な

    • 『言わぬが花』を救うもの

      占い師に「貴方は口に気をつけなさい。」と言われた 春の匂いって新芽の匂いってことを最近知った あと10日は四国にいるから うちのマンション付近に咲く桜を今年は見ることができるのか 怪しい やっと工事が終わったというのに 帰ったら桜は散ってるんか いやそれもなんか切なくていいかも そういえば春服なんてひとつも用意してない 春はあんまり好きじゃない 新年度きゃぴきゃひしてるように見えて 不安を抱えている人が多いし ハッピーな季節だからって無理をして 病む人が多いんじゃないかって

      • ライブハウスにて

        物販を2回も並んだくせに何も言えなかった 「きてよかったです」しか言えなかった もっともっともっとあるのにもっともっとさ このノートがメンバーの目に留まりますように そんな願いを込めて帰りの電車で書いてます まえに座っているサラリーマン 隣のおじさんの肩に頭を預けて寝ています そんな祝日前夜のことでした いいバンドなんてたくさんいるけど 正直おうちに帰れば フルネームを思い出せなかったり 曲を思い出せなかったりする このバンドは 元々曲は知っていたはずなのに ライ

        • 夏から今

          こんなことを考えてました。考え続けていました。 きっと欲まみれであろう私を許してください。 半年のときを経ました。独占欲でも承認欲求でもなくて、これはそもそも恋愛以外でも満たされる話で、少し論点がズレてましたね。様々な本を読んで映画を見て人の話を聞きました。 至った結論です。「名前をつける」とは「意思表明」ではないかと思いました。"恋人"として大切にするための覚悟を、表すための名前ではないかと。でもこれにマルもバツもつけない予定です。恋愛観は変わり続けていたいです。

        • 固定された記事

          エンドロール

          はじめて別れ涙を流してしまった 私は片想いの延長線上にいる 恋人同士のはずなのに 私だけが重たいんだろうな 私だけが嫉妬しているんだろうな たくさん好きな人がいるうちのひとりなのかな お金と時間を私なんかに使っていいのかな 仕事で疲れてるから私が疲れさせてはいけないな 失礼ながらこんなことを考える瞬間もある それに 触れてもいいかな うざがられないかな とか はあ 目が合うとかわいくて胸が苦しくなってしまうな とかさ 昨日の夜には 寝顔を眺めながら 朝起きたら「こわい夢見

          好きだけでも

          好きな音は沢山あってね、 無限に語彙力が枝分かれしている歌「りんご」を「赤くて丸い果物」とか 「雨」を「空の涙」とか 「好きな人」を「僕の好きな君」とか回りくどいかもしれないけど その丁寧さと 直接的な言葉で伝わってこないじれったさが好きなの 感情の媒介となってる歌 ひと言では表せない感情を どうにかして伝えたり 恥ずかしくて言えない好きを どうしても伝えたかったり 魂がきこえる歌が好きなんだよな これはライブで聞きたいやつね 拳あげたくなるやつね これは場面の話 大

          なぜこんなにも綺麗な空をみて君は泣くのか ぼくが知っている青空の色はもしかしたら 君が見えている青空の色と違うかもしれない 泣き疲れて寝てしまったかと思うと 雨雲に侵食されて雨が降ってきた その日からぼくは 君が泣かない雨の日が好きになった 「どうして青が好きなの?」 「綺麗なものだけがなれる色だからかな。 汚い海や空は青色じゃないでしょう?」 君の目は蒼くて綺麗だ 何年経っても待ち合わせをすると 君ってそんな顔をしてたんだ してたよねって新鮮な気持ちになって

          私は私なりの言葉でしか愛してると伝えることができない

          「〇〇が愛だと思ってたよ。」 「それは愛じゃなくてエゴだよ。」 (おはようとおやすみを言うこと)(こまめに連絡をすること)(お金を貢ぐこと)(傍にいること)(触れ合うこと)(本心で話し合うこと)(叱ること)(愛してると言葉で伝えること) この答えを求めてしまうところが私の欠点なのだろう 回答用紙を空白にして提出したら振られたし 反対に埋めつくしても20点しかくれなかった 模範解答があれば簡単なのに 好きなのに嫌いって言ってごめん 周りの人に関係性をばらしてごめん

          私は私なりの言葉でしか愛してると伝えることができない

          21

          いつまで365分の1日に歳を重ねて喜んぶのだろうか。私はまだまだ嬉しい。表面的に大人になりたい。「まだ若いんだから、〜。」なんてあんまり言われたくない。その言葉に甘えてしまいそうだから。いつまでも甘やかされたいのも本音だからこそ、大人だって勘違いしたくなる。21歳って大人?まだまだ子供でいていい? ハタチって語呂がいいから、21歳でも「何歳ですか?」と聞かれれば「ハタチです。」と言うつもりです。突っ込まないでください。毎年さ、私が主役なんじゃなくて産んだ人が主役になるべきだ

          独語と空笑

          グツグツしている鍋をみていると目眩がする。脳みそが溶ける彼を横目に、私は豆腐にしつこいくらい息を吹きかけていた。よく彼が食べていたインスタント焼きそばの匂いが鼻に染みる。その匂いが彼との会話まで想起させる。実際には「会話」と名付けられないほどの言葉の交わりだった。毎日ベットサイドで、1本だけ長い髭を眺めながら、時間が過ぎるのを待った。 彼が見えている景色を私は見ることができない(幻覚) 妖精が見える彼が少し羨ましい。だって私はティンカーベル以外の妖精を見たことがないもん

          感情方程式

          雨が嘘泣きになる瞬間は 雨雲の右斜め上から太陽の光が差し込むときだと思う 季節外れのもみじが宙に浮いている姿は純粋な橙色で綺麗なのに細くて脆い葉柄が途切れて肥料と化する儚さ と 秋が余韻を残して通り過ぎる儚さ は同等のものだとおもわない? 誰かが電車の中で水筒を落とすと自身の手元に向いていた目線がみな音に注目してるフリしてその誰かの表情を伺う瞬間 と 雷が怒鳴ってグラウンドにいたサッカー部が肩を竦めながら目を見合わせる瞬間 は同じ雰囲気だとおもうんだよね

          来週、呑みに行こう

          あなただけと話したいんだよ だからここに来たんだよ あなたのすべてを教えて 好きな食べ物はなんですか 好きな人はいますか 人を愛した事ありますか パンは耳を残す派ですか 最近泣いたのはいつですか よく眠れていますか 建前とかどうでもいいから捨てなよ 悪口でもなんでもいいから吐きなよ あなたの興味ない部分なんてないから じゃないとここに来ないから 会っている時間だけあなたを独占して 手を振った瞬間に解放するね 寝るまえには思い出して あなたの綺麗な輪郭を作

          来週、呑みに行こう

          赤とグレー

          貴方は綺麗なハートを知らないから 磨いてあげようと思ってたんだけど ヤスリはもうぺらぺらになってきて 私まで歪みはじめてしまったみたい これ以上歪ませると私なにかを失う だから諦めても貴方おこらないでよ それとも鮮やかな血潮をみせようか はじまるきっかけは貴方で おわるきっかけも貴方 私に振り回されるフリして 貴方がかき乱している 私とならシーソーを平行に維持できるとでも? 優雅にゆらゆらしているつもりだろうけどね もう何度も叩きつけられて痛いよ 絆創

          私に足りないのは

          クールな表情とは裏腹に、 歌いはじめた彼女は照れくさそうに笑っていた。 別に喋ったこともないし、どこの誰かもわかんないし、通りすがっただけの歌声、特にすごく上手ってほどでもない歌声に、気がつくと耳は恋をしていた。 私に足りないものを、見つける気がないようにみえた。 足りないのが私でしょ、愛しなよってきこえた。 きっと彼女は誰とも目を合わせない。 足りないものを言わせない。 急に、しゃがみこんだ。クールで上から目線の彼女が、下から覗き込んできた。そこに魅了され、私のよ

          私に足りないのは

          今夜は優しいミルクが飲みたい

          過剰に酸素がおしよせてきた 足の力は抜けてしゃがみ込んだ 反比例して、自分の胸ぐらを掴む手の力は 恐ろしいほどに強くなっていた 「貴方、繊細さんやねえ。」 私の身体は鬱陶しいほどに敏感で、疲れてるよ!っていつも教えてくれるんだけど、主張が激しい。まあきっと、抱え込んでしまう私の心には、その身体能力が採用条件だったんでしょう? (身体)疲れてるよ! (私)疲れてるのかあ。 だって今日、目玉が揺れるくらいに眠たくて、それでも起きとかなきゃいけなくて、耐えてるもんね。

          今夜は優しいミルクが飲みたい