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今夜は優しいミルクが飲みたい


過剰に酸素がおしよせてきた

足の力は抜けてしゃがみ込んだ

反比例して、自分の胸ぐらを掴む手の力は

恐ろしいほどに強くなっていた




「貴方、繊細さんやねえ。」

私の身体は鬱陶しいほどに敏感で、疲れてるよ!っていつも教えてくれるんだけど、主張が激しい。まあきっと、抱え込んでしまう私の心には、その身体能力が採用条件だったんでしょう?

(身体)疲れてるよ!
(私)疲れてるのかあ。

だって今日、目玉が揺れるくらいに眠たくて、それでも起きとかなきゃいけなくて、耐えてるもんね。人とずっと一緒にいるのしんどいのに、朝から晩まで一緒にいるもんね。おうちのベッドが好きなのに、きゃしゃきゃしゃのシーツで寝てるもんね。音楽が好きなのに、余裕なくて聴けてないもんね。朝に課題をしたいのに、みんなに合わせて夜にしてるもんね。コンビニ嫌いなのに、毎日コンビニ食だもんね。


あ〜〜〜〜もしや、疲れてるな?頑張ってるな?


まぶたが痒くなって、熱くなって、重たくなって、いつの間にか、目が開かなくなった。蕁麻疹。うんうん、疲れたよね、悔しかった。なんでストレスを処理できないんだよ、少しの環境の変化に適応もできないのかよ、って。弱いなあ。涙も出てきたなあ。あそこにいる人にバレないといいなあ。よし、一旦そとにでよう。


涙を拭うために、トイレにはいった。ひとりになった。すると、小説が終わって本を閉じた瞬間のように、感情的になり、呼吸はできなくなった。吸うんだっけ、吐くんだっけ、交互にするんだっけ?


「外で休んでてもいいですか?」


精一杯、勇気を振り絞った逃げの選択。


「実習は続いているので、ここで勉強できますか?周りの目もあるので。」


この目をみてよ、わかってよ。

また、溢れた。


先生は呼吸ができない私をみて、元看護師として冷静に対応してるつもりだろうか、驚いているだろうか。先生の言葉は、まるで影を作らない光のように、耳の穴をすり抜けていった。きっと優しい言葉を掛けられているが、よく聞こえないです。ごめんなさい。そっと、しておいて下さい。


前に過呼吸になったのも、先生の前だったな。


私はこうすることでしか、私を分かってもらえない。

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