第344号『拳を使うまでもないたやすい相手であった』
山口貴由さんの漫画『覚悟のススメ』の中盤くらいのエピソードで、いわゆる知略(卑怯)型の敵と闘うシーンがあって主人公の葉隠覚悟は幾度となく窮地に立たされます。
卑怯な罠に落ちてしまった主人公は洗脳されてしまったヒロインに手が出せずまさにボロボロになり瀕死となってしまいます、が、愛の力で洗脳を解いて再び立ち上がるのです。
そして劣勢になった敵幹部が「いずれまた!」と逃げようとする姿に「勝負に二度目は無い!」と槍を投げて串刺しにして完勝するのですが、さすがにやられ過ぎて全裸で満身創痍の状態です。
しかし、その直後に主人公・葉隠覚悟はこう言ってのけます。
「拳を使うまでもないたやすい相手であった」
こんなカッコいいセリフ、こんなカッコいいシチュエーションってあります?死にかけてるんですよ、ボロボロなんですよ、瀕死だったんですよ、それなのにこのセリフ、この不屈、男だったら逆境に立たされた時こそこんなタフなセリフを吐きたいと思いますね。
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私自身も意識的に(やはり山口貴由先生に憧れているところもあって)普段からこういったタフなセリフを吐けるように、自分自身を律していつだって心の準備を完了させた状態で生きています。
しかし最近は私よりも遥かに年下であっても一部の『覚悟完了』した若者が、こういったセリフを吐くという瞬間に立ち会うことが多くなってきたように感じます。
そう、つい先日もそんなことがありましたね。
ボクがやらない理由にはならないでしょう
先日、サイバーコネクトツーの社内定例イベントである『絵描き合宿』を開催しました。
この『絵描き合宿』というイベントはこれまでは年に2回実施していたのですが、昨今の世の中の情勢を見て自粛してずっと延期していました。
が、緊急事態宣言も解除されたこともあって実に1年ぶりに実施することになったのでした。
『絵描き合宿』というイベントの内容をざっくり説明すると『1泊2日で漫画を10ページ以上描く』といったシンプルながらも社内の絵描きの成長を促すためのものです。
普段あんまり外に出たがらない絵描きの特性を逆手に取って、色んな場所に出向いて初めて訪れる場所や施設で新しい知見や刺激を得ることで、絵描きとしての幅を広げることを目的としています。
またサイバーコネクトツーには漫画室という漫画を描くための部署はあるものの数名しかいませんので、この『絵描き合宿』には普段ゲームソフトの開発を行っているメンバーからも数名選出されて参加することになっています。
だいたい6名~8名程度で実施することが多い『絵描き合宿』ですが、今回は8人目の参加者として魚川貴央が選ばれました。
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