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特別編『ゲーム業界志望者の不合格理由2021年版④』

「ゲームを遊ぶ時って一本のゲームソフトをとことんやり込むのと、色んなゲームソフトをなるだけ数多く遊ぶのではどっちの方ががいいですか?」

こんな質問をいただきました。これはゲーム業界を志望している学生さんからの質問でした。

正直に言ってしまうと「なんで遊び方までレクチャーしなきゃならんの?」とも思いますがこれも教育の一環だと思うことにして、グッと飲み込んで。

「どっちも大事ですね、やり込むことでそのゲームソフトの懐が見えてくると思います、が、同時にそれだけだと学びが偏ってしまうのでなるだけ多くの作品にも触れてください、全部をしっかりとやり込む必要はありません、しかし多くの作品に触れているという経験が必ずご自身のクリエイティブに活きてきますよ」

と答えるようにしています。

「つか、聞く前に答えが想像つかないかな?なんでも聞かないとわからないですか?考える力は無いんですか?」

という言葉もグッと飲み込みました。

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他にもこんな質問をいただきました。

「少年ジャンプを読んでいないのですがこんな私でも応募は出来ますか?」

これも絶句しながらもグッと堪えて

「弊社は少年ジャンプで連載されていた漫画作品原作のゲームソフトを数多く制作していますので読んでいないとかなり厳しいですね、ご応募いただく分には結構ですが……」

と答えるようにしています。

これってですね、更に掘り下げて聞いてみたら

「だってサイバーコネクトツーが制作している『鬼滅の刃』だってもう連載終了していて今の少年ジャンプには掲載されていないですよね、『ドラゴンボール』も『NARUTO-ナルト-』も『ジョジョの奇妙な冒険』も昔は載ってましたけど今はどれも載っていません、それでも今の少年ジャンプを読む必要があるんでしょうか」

という意味だったんですね。

更に絶句することになってしまったわけですが、もうなんか色々脱力してしまって「あぁ、うん、自分が良いと思うことをやったらいいと思います、頑張ってください」と答えてしまいました。

本来なら答えをしっかりと言葉にして伝えるべきだってことはわかっているのですが、いざその言葉を頭の中でシミュレートして声に出そうとしたら

「絶対に読んでください、だって我々が一緒に仕事をしているのはその少年ジャンプなんですから、開発したゲームソフトの最新情報は少年ジャンプに掲載されてそれを手に取った子どもたちに情報として伝わるわけですし、そもそも今のジャンプに載っているかどうかなんて問題じゃなくて、その、え、これ、言わないとわかんない?ウソやろ?え……」

と、なってしまって、喋りながら絶望しかねないと思って言葉にすることをやめました。

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この、なんでしょう、「え、聞かなくてもわかるでしょ?」とコチラが思ってしまうタイプの質問って、本当にわからなくて聞かれてるんでしょうか。

それとも本当にわからなくて、言って欲しくて聞いてる?ということ?

正直に言ってしまうと、こうした「え、なにそれ?」というような不思議な質問をしてしまうタイプの人は面接で落ちます。

100%不合格になってしまいます。

いくらその人にモノを作る能力があっても、ゲーム開発の現場では必ずたくさんのスタッフ同士で多くのやり取りをしながら話し合って作っていくという工程があるためです。

なので、どれだけ能力が高くても「え、なに言ってるの?意味が分からん」と思われてしまうタイプの人とは一緒に仕事をしたくない、と思われてしまうのです。

採用の時に見ているポイントは大きく言うと2つしかありません。

①能力
ゲームソフトを開発していく能力があるか

②人柄
一緒に仕事をしたいと思えるか

間違いなく最初の難関は①能力です。作る力が無いと話になりません。

しかし、いくら作る能力が備わっていたとしても、②人柄で「あぁ、この人とは一緒にやれないな」と思われたら絶対に不合格となります。

だって一緒に仕事が出来ないと思われたのですから。

*****

では、そう思われないためにどうしたらよいか?「一緒に仕事がしたい」と思われるような人ってどんなタイプなのでしょう。

特別編『ゲーム業界志望者の不合格理由2021年版④』

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ぶっちゃけて言うと「こういうタイプの人がいい!」なんてものはありません。要するに『ゲーム業界に求められるタイプはこんな人柄』なんて傾向やルールがあるわけではない、ということです。

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