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第246号『なんでCドライブ?AとBはどこへ?』

「ふむ、なるほど、Cドライブってのがパソコンの容量?データとかの保存場所ってのはわかりましたがなんでCなんですか?AとかBはどこに行っちゃったんですか?」

今からおよそ25年くらい前に有限会社サイバーコネクトを立ち上げた時の私は素人同然でした。

というか私はそれまでパソコンにも触った事すら無かったのでゲームソフトを作るクリエイターとしては素人以下の存在ですね。

なのでゲーム開発会社サイバーコネクトが出来て最初に私がやったことは“パソコンの勉強”でした。

毎日カチャカチャとパソコンを触りつつその仕組みから勉強していて、ふと疑問に思ったのが冒頭の質問でした。

社内のプログラマーにこの質問をしたら丁寧に教えてくれました。

「松山くん、AやBもね、昔は存在してたんだよ」

「WindowsというOSが登場する前はね、パソコンはDOSシステムってやつで動いていたんだよ。ディスク・オペレーション・システムってやつだね」

「これはフロッピーディスクを差し込んでから起動するというシステムだったんだ、要するにフロッピー用のドライブが存在してたってこと」

「そのドライブがAドライブとBドライブだったんだよ」

「Aドライブはパソコン起動用のドライブ」

「Bドライブはソフトウェアを起動するためのドライブ」

「昔はハードディスクは非常に高価だったからね、OSもソフトウェアもフロッピーディスクで起動してたんだよ」

「それからハードディスクが安くなってパソコンに搭載されるようになった時にCドライブとして搭載されて、やがてフロッピーディスクが無くなっていってAドライブとBドライブが消えちゃったからCドライブだけが残ったってワケ」

今思うと素人以下の私に対して実に丁寧に教えてくれたもんだと思います。

しかし私は当時その説明を受けて

“なるほど、わからん(何言ってんだ?コイツ)”

って思ってました。

教えていただいている身で本当に不躾ですがやっぱり何言ってるのか全然わかっていませんでしたし、それくらいのド素人(以下)だったんですね。

そういう所から始めた私がプロとしてゲームクリエイターを名乗りこうして会社代表を務めさせていただいてるわけですから不思議なものです。

(正直時代にも恵まれていたとも思います。会社設立の1996年当時はプレイステーション黎明期でこういった正にゼロの状態から初めても努力でなんとか知識や技術を身に着けることが出来た時代だったのです。現在の技術はそれこそ専門的に何年もかけて勉強して身につけなければとても追いつけない情報量になってしまっているので本当に大変です。別に他人事というわけでは決して無いですが本当に恵まれていたと思います)

そんな会社設立時の1996年当時を描いた漫画『チェイサーゲームZERO』はこちらの本に収録されていますので良かったら読んでみてください。

コンクリート会社に勤務していた当時25歳の松山が完全にズブの素人(以下)の存在からやがてサイバーコネクトツーの社長になるまでの物語です。

ネームも絵も全部私自身が描いている漫画です。ファミ通ドットコムで連載中の漫画『チェイサーゲーム』本編ではとても描けないような赤裸々なドス黒さ(ブラック)を描いている作品です。

*****

さて後半部分は【1996年に発売されたゲームソフト『バハムートラグーン』に関する話】をお届けしたいと思います。

ちょうど会社設立の準備をしていた同時期に私は毎週しっかりと週刊ファミ通を購入しては隅々まで目を通してゲーム業界そのものに対する理解を深めようとしていました。

その時に読んだ週刊ファミ通で最も目に留まり強く印象的だったのが『バハムートラグーン』というスーパーファミコン専用ゲームソフトの開発者インタビュー記事でした。

当時のスクウェア(現:スクウェア・エニックス)所属のクリエイター佐々木等さんのインタビュー記事を読んで私は衝撃を受けたのでした。

今までどこでも誰にも一度も語った事の無い話をします。

【『バハムートラグーン』がくれた神龍の伝説】

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