シェア
Pino
2021年6月23日 17:38
生きているだけじゃだめかなと君が言った生きているだけじゃ努力にならないかなと君が言ったあの時どうして何も言えなかったのだろう生きているだけはまるで、悪?君は確かに此処にいて呼吸をするそれって素敵だねさっき風がそう言った
2021年6月6日 21:12
夏期休暇はあの子の故郷水面は静かな音楽を奏で白い衣は陽射しに溶ける翠と手をつないだ逃避行あの日見た青い蝶たちは僕らの胸の中で輝く宝石瞳に刻まれた想い出は愛この永遠を忘れないため吐息で磨き続ける夢の名其は過ぎ去りし白日の夏撮影:大澤 瞳さん被写体:ゆうがさん&Pino
2021年5月31日 02:36
空と窓が特別だったあの頃確かに私の背中には翼があって何処にだって飛び立てた生まれながらの原始的な美しさを信じただそこに立っていられる無条件の安心と偽物みたいな幸福あの頃を宝物と呼ぶには記憶がやわらかすぎてこれから先に期待をするには自分があまりに薄っぺらい空と窓が特別だったあの頃確かに私の背中には翼があって強い風さえも味方のようで空と窓が特別だったあの頃今はも
2021年5月31日 02:25
胸に大きな裂け目があって何度か繕ってはみたもののいつかはほころびが出来て血潮に染まった糸が垂れる針の通る様は痛々しいのにどこかでそれを望んでいて裁縫道具は優しい色のまま指ぬきには鈴蘭が彫られて真っ白な絹糸は束ねた姿でまだ何も知らない夜のなか
2021年5月13日 02:32
神様が命を掌で掬った時に指の間から取り零した命が私だったとしたら悔しいか誰かに尋ねられたとしても私は私で良かったなと思うたくさんの中から零れた命それでも私のちょっと歪な透明な愛や中途半端な心も弱くて優しい振りもぜんぶ全然悪くないと思えるから一匙の葛藤は良質な香辛料生きる上では必要な味付けそれ位の事だと思っている
2021年3月6日 18:05
夜の帳をかき集め閉じ込めたような薄暗い詩を君のために綴っている夜が明ける頃その言葉たちを青い封筒に入れて記憶の棺桶へとそっと仕舞う私の夢の続きを見る君へ宛先の分からない小さな手紙それが私の詩すべての夢と記憶が葬られる日この手紙の封は君のナイフで開いてみせて-----------------------------------------------
2020年10月21日 15:10
【少年】星降る日白いシーツを抜け出して夜空の下は君と僕だけもし君が嘘つきの眼で僕を見て微笑むのならそれは真実夢の淵扉が開けばあの時のベルガモットの君がいる神様はさっき僕から消えたのでそれから僕は嘘を愛した一粒の葡萄に込めた僕の闇艶めく光飲み干して香草をひとさじ含む君の口残り香だけが永遠のゆめ今朝の事僕は気付くと海の中クジラの骨に成る夢をみた【月】あ