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閉店する地元のお店に寂しさを感じた転職コンサルタントが後継者不在の中小企業の経営者候補には想像力が必要と考えたわけ。

ペルソナ株式会社の「金曜どうでしょう」は、弊社のコンサルタントが業務の中で考えたこと、感じたことをコラム形式でお伝えしています。
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今回は大学卒業後お酒好きが乗じて居酒屋の店長としてキャリアをスタート、紆余曲折して人材業界で約10年、転職コンサルタントの鳴海 幸仁が担当します。今回はどうぞ、よろしくお願いします。

さて、タイトルに書かせていただいた地元のお店の店じまい。オーナーの高齢化、そして後継者がいないという理由でして、惜しまれながらも…という閉店でした。
雇われだったものの元店長としてお店を経営する楽しさ、苦労の両面を少し知っているだけにお店が閉まると聞くと、なんとも言えない寂しい気持ちになります。

転職コンサルタントとして活動をしていると、「経営的には続けられるけど、次期社長候補となる後継者が見当たらない」という現・社長さんのお悩みをお伺いします。
後継者不在問題は、地元の店じまいのような話にとどまらず、日本全国の中小企業が抱えている問題です。

中小企業の後継者不足の現状


中小企業の後継者、事業承継問題の概要を知っていただくため、経営者の高齢化と後継者不足について、中小企業庁HPのコメントをご覧ください。

中小企業の経営者の高齢化が進んでおり、経営者年齢のピークはこの20年間で50代から60~70代へと大きく上昇しています。

また、後継者の不在状況は深刻であり、近年増加する中小企業の廃業の大きな要因の一つです。このままでは日本経済・社会を支える貴重な雇用や技術が失われる可能性があります。

中小企業庁:財務サポート「事業承継」 (meti.go.jp)

ホームページでは、2020年時点で経営者年齢のピークは60~70代で、その世代の後継者不在率は60代で48.2%、70代で38.6%ということです。
また、廃業した企業においては「6割が黒字にも関わらず廃業」「廃業理由の約3割が後継者難による廃業」というデータも示されています。

経営者の高齢化により後継者が不在だったため、廃業を選択した企業が約3割。

この数字は決して少ない割合ではないと感じますが、みなさまはどのように感じますか?

後継者不在を解決する中小企業のM&A


このような状況の中で、親族や従業員など経営を引き継ぐ人材が見当たらない中小企業は、M&A(株式や事業の譲渡)により事業承継を進めるケースが増えています。中小企業庁のまとめによると年間3~4千件程度のM&Aが行われているそうです。

M&Aに取り組む中小企業は右肩上がりで増加しており、足下では年間3~4千件程度の成約があると推計されます。

中小企業庁:財務サポート「事業承継」 (meti.go.jp)

最近ではM&Aをマッチングするwebサイトも増えてきており、サイトを覗いてみると売りたいと考えている企業が多いことがわかります。

「投資先経営者候補」という求人が増えている


実はM&Aを予定しこれから体制が変わる中小企業やすでにM&Aを実行した中小企業で経営者採用のご相談も増えています。

転職市場をにぎわしている【投資先経営者候補】のご相談です。

・PEファンドが事業承継支援のため、黒字経営を続けてきたC社への投資を検討しているが適切な後継経営者がみつからない。

・企業Aが事業シナジーを見込み、後継者不在の企業B社をM&Aしたものの社内にはB社をマネジメントできる経営者候補がいない。(役員が兼務をしているため専任のマネジメントが必要というケースも)

といった状況のご相談など、適切な人材を外部からでも採用したいという流れがあります。

「投資先経営者候補」は転職エージェント泣かせの求人


もちろんこういった事業承継フェーズの経営者採用は一筋縄ではいきません。
特に前者のケース、なにより難しいのが、求人情報の少なさ、そして経営者の求人情報がどの企業も似たりよったりであるということです。
M&Aを検討している段階で経営者候補を探すことも少なくないのですが、
当初いただける情報はとてもとても、少ないです。

投資検討中のため、詳しい情報はお伝えできません。
〇〇業界経験(5年以上)、経営経験(5年以上)の方で良い方がいれば
ぜひご紹介ください。

情報過多の時代に、上記のような、実際のところはほとんど何もわからない求人のご相談をいただくこともあります。(こういった相談が少なくないのです…。)

もちろん、ここからヒアリングをします。
初動の情報はこれぐらいでも驚かず、小出しでいただける情報をもとに
後継者を求めている企業がどのような状況であるかの仮説をたて、転職希望者にお話をさせていただきます。
(M&Aの実行が間近になるなど、一定の段階にはいると秘密保持契約を締結し、より具体的な情報をお伝えできるようになります)

事業承継フェーズの経営者に求められる想像力


求人があってないような状況から、情報収集して企業のご紹介をするものの、たいていの方の反応は「もっと詳しい情報がないと判断できない」といったものです。

ただ、経営者としてのご縁をつくらせてもらった方のやりとりを振り返ると、少ない情報の中でご自身の経験と想像力を発揮して企業の実像をイメージし、企業を理解しようとしてくれることが少なくありません。

情報が少ない、ある意味では未知の中小企業に対してご自身で想像を膨らませて

”きっとこういう課題が発生しているだろう”
”将来にむけてこういった成長戦略を描けるのではないか”
”経営者として○○を進めていきたい”
 

と考えられること、そういった姿勢をお持ちであることが、
事業承継フェーズの経営者にとって大事なことだと思います。

これまで経営をしてきた現・経営者さんからすれば、主体的に考え、行動をしてくれる方に企業をお任せしたいと考えるはずです。
そして、何より経営者として、今後はすべての情報が揃わない中で、意思決定をしなければなりません。

経営者として”泥臭い仕事”や”失敗すること”も想像する


「泥臭い仕事も必要です」
「経営者と着任してから見えてくる課題もあります」

転職を希望する方に投資先経営者候補のお話をする際には、このようなお話もさせていただきます。

事業承継のため後継経営者を探している企業は、健全な経営を継続するために次期経営者を探しているケースがほとんどですが、前向きな想像だけでなく、企業との面談・面接を通じて、ネガティブなことも含め、どんなことが起こり得るかをしっかり想像してもらいたいと考えています。(「泥臭い仕事」も企業によってはまったく違う仕事だったりします。)


中小企業の後継者不足の状況から、これから大廃業時代がやってくるとも言われており、企業存続のためには次の経営者が必要です。
そんな課題感をもっている転職コンサルタントの視点でM&Aによる事業承継、後継経営者探しのすこしリアルなお話を書かせてもらいました。

中小企業の後継経営者について興味をもち、お話を聞いてみたいという方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。

鮮度の高い、リアルなお話をお伝えできればと思っております。

ペルソナ株式会社 鳴海 幸仁

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