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ワーキングマザーの抱える罪悪感について考えてみた

ペルソナの下司(げし)です。

先日、前職の後輩から、育休復帰が決まったと連絡をもらいました。二人の育児と仕事の両立が始まるという話を聞いて、この10年のワーキングマザーとしての自分を振り返ってみました。

私は二児の母です。ムスコはこの春で小学6年生、ムスメは4年生になります。
最初の育児休暇が明けてからちょうど10年、ワーキングマザー歴10年ということになります。

私が出産をした頃に比べれば、ワーキングマザーは増え、国や会社のサポートも手厚くなってきました。しかし、一方でワーキングマザーが抱える罪悪感は少しも減っていないように感じます。

妊娠発覚時から、ワーキングマザーは罪悪感に襲われる

私自身のことでお話をすると、最初の壁は妊娠初期でした。

妊娠が発覚してすぐに悪阻(つわり)が始まり、朝起きると気持ち悪い、満員電車に乗ると気持ち悪い、オフィスで隣に座る上司の体臭がきつくて気持ち悪い、とにかくずっと気持ち悪い。でも、まだ初期も初期、やっと胎のうが確認できた頃なので、最初は上司と最も仲の良かった女性の同僚にだけ妊娠報告をしました。

三児の父である上司も、独身で同い年の同僚も、「おめでとう」と喜んでくれましたが、起床時の体調が悪いことと、満員電車を避けるために、フレックスを使いたいと言う度に上司には嫌な顔をされ、同僚からは「妊婦だからって甘えていないで、気合い入れて出勤しなよ」と言われてしまう日々。可能な限りフラフラになりながらも定時出勤をしていました。

この上司は仕事を軽減してあげると言いながら、私がやりがいを感じていた事務系の業務は全て取り上げたのに、オフィス移転の工事の立ち会いなどは私に全て担当させていました。当時は「マタハラ」なんて概念も言葉もなく、自分は使えない人間なんだと情けなくなり、この時期は周囲への罪悪感でいっぱいでした。

復職直後は仕事勘を取り戻す前に時間との戦いがやってくる

子供が生まれ、復職すると、時間との戦いの日々がやってきました。

どれだけ朝早く起きても、自分の身支度を可能な限り簡素化しても、子供の支度はすんなりいかないことが多く、授乳も続けていたので、家を出る時には半日分の体力を使い果たしている感覚でした。大きな布団や荷物と子供を抱えて保育園に到着しても、子供は母から離れることを拒み、説得もできず、先生に無理矢理引き渡して逃げるように保育園を飛び出す日々。駅までの道中で、泣きながら出勤する日も沢山ありました。あまりにも辛くなり、朝の送りは夫に代わってもらい、帰りのお迎えを私の担当にしてもらいました。

帰りは帰りで、定時ではお迎えに間に合わないため、フレックスで17時に退勤し、乗り換えのターミナル駅では猛ダッシュをして1本でも早い電車に乗り込んで保育園へ向かっていました。帰宅後も朝同様に戦場で、夫が残業して帰ってくる頃には沢山の家事を残したまま子供と寝落ちする日々。この時期は、そもそも仕事の勘を取り戻すことへの焦りと共に、子供への罪悪感と、結果的に家事を押し付けてしまっている夫への罪悪感と、いつも早く退勤することによる職場への罪悪感で押しつぶされそうになっていました。

子供が二人になり、負担もどんどん増えて、忙しいなんて言葉だけでは片付けられない日々で、正直その頃の記憶は殆どありません。ただ、ずっとずっと罪悪感を抱えながら仕事をしていたことだけは鮮明に記憶に残っています。自分の不甲斐なさに嫌気が差して、夜、一人で泣いたことも何度もありました。

子供にとっては、お母さんが働いているのは当たり前だった

ムスメがようやく言葉を話し始めた頃の出来事です。

電話のおもちゃを貰ったムスメ。電話を肩で挟んで耳に当てながら、絵本をパラパラとめくって「もちもち(もしもし)、うん、うん」と言いながら、ドアを開けて廊下へ出ていきました。

「ムスメちゃん、何してるの?」と聞いたら、「ムスメちゃんは、おちごとちてるの(お仕事してるの)」「かあかといっちょ(かあかと一緒)」と笑顔で答えてくれました。

人材紹介コンサルタントの仕事は、求職者の方の就業後に電話連絡をすることが多々あります。電話がかかってくると子供のいない場所に手帳をめくりながら避難している私の様子を、ムスメはかっこいいと思って見ていてくれたようです。私は自分のやってきたことを子供に認めてもらえていた気がして涙が止まりませんでした。

おちごとちてるの

ムスコもムスコで同じくらいの時期に突然話してくれたことがありました。

「オレ、かあかの仕事がなにか知ってるよ。お仕事の会社に、お仕事頑張りたいなって人を教えてあげるんだよね。みんなにありがとうって言われるんだよね。かあか、いつも笑いながら楽しそうに電話してる仕事なんだよね」と、教えたこともないのに人材紹介業のフレームを理解して、楽しそうに働いているお母さんという認識をしてくれていました。(かなり大雑把な把握ではありますが笑)

残業して帰宅すると、お風呂の壁に料理をしている私が描かれていました

たまたま同時期のこれらの出来事をきっかけに、私は罪悪感を抱きながら働くことを辞めました。

優先順位を見直しても、時間には限りがある

労働時間の長さではなく成果で組織に貢献する、オフィスに居る時間は極力チームメンバーに貢献できる仕事を優先する、仕事と家庭の時間を切り分けずに柔軟に組み込むことで心の平穏を優先する、子供が生まれる前から母は仕事をしているのだから、彼らにとってはそれは当たり前のことなんだと開き直る、夫だって同じ親なんだから同じだけの負担を求めたっていい、ネット記事やSNSで見るような完璧なワーキングマザーを目指さない。自分の心のスタンスを大きく変えることで、心の負担はグッと減りました。

ところが、時間はみんなに平等。心のスタンスを変えても、使える時間は変わらない。なので、仕事を優先しすぎれば家の中はどんどん乱れ、外食が増えたり、明らかに手抜きなメニューが食卓に並びます。家庭を優先しすぎれば、仕事の行動量が落ち、数ヶ月後の売上にダイレクトに影響します。

子供はどんどん成長していくので、身の回りのことは自分でできるようになっていってくれたけど、宿題を見たり、時間割を手伝ったり、長期休暇はお弁当作りもあります。

結局、ずっとこのバランスをどう取るかを考えながら悶々とやってきました。

突然起こったパラダイムシフトに救われる

でも、ここで大変革が起こります。

新型コロナウイルスが猛威を振るい、私の在籍していた会社は最初の緊急事態宣言を受け、一気にフルリモートワークとなりました。最初は戸惑いもありましたが、通勤に使っていた時間を家事に当てられるようになり、オンライン商談や面談が一般化してきてどんどん効率化が図ることができて、同じ勤務時間でも1.5倍は行動量を増やすことができました。

私にはこの働き方がとてもフィットしていて、業績を伸ばすことができ、自信が芽生えました。

罪悪感なんていらないし、『ワーキングマザー』もいらない

ペルソナで働くようになり、全メンバーがフルリモート・フルフレックスで自立して勤務する環境で、少なくとも私は職場への罪悪感を抱くことはなくなりました。成果で評価される仕組みは、自分を律することにもなるのでサボっている暇はありませんが、自己肯定感を持って仕事に取り組めています。

ムスメはそんな私を見て、「かっこいい」と言ってくれるし、「私はどんな仕事をしようかな」と今からキャリアに向き合うマインドを持ってくれています。

これからの時代、私の理想は『ワーキングマザー』という言葉が世の中からなくなること。お父さんだって、お母さんだって、子供を持たない選択をする人だって、そして子育てを終えた人だって、みんなが楽しく前向きに働く世の中になってほしい。そういう世の中を作ることに貢献していけるこの仕事が大好きです。

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