【英論抄読】健康な高齢者における移動に関連する日常生活動作と健康関連QOLの関係
📖 文献情報 と 抄録和訳
健康な高齢者における移動に関連する日常生活動作と健康関連QOLの関係。構造方程式モデリングによる横断的研究
ung H, Tanaka S, Iwamoto Y, Yamasaki M, Tanaka R. Relationship between Mobility-Related Activities of Daily Living and Health-Related Quality of Life among Healthy Older Adults: A Cross-Sectional Study Using Structural Equation Modeling. Gerontol Geriatr Med. 2021 May 12;7:23337214211013166.
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📚 概要
[目的]
高齢者における移動に関連した日常生活動作（ADL）能力が健康関連QOL（HRQOL）の低下と強く関連するかどうかを確認する概念モデルを構築すること。
[方法]
合計153名（男性63名、女性90名）の参加者を分析対象とした。文部科学省による移動関連ADL調査を用いた。HRQOLの評価には，Medical Outcomes Study 36-item Short-Form Health Surveyの日本語版（v1.2）を使用した。構造方程式モデリングにより、「移動に関連するADL能力がHRQOLに影響を及ぼす」という仮説モデルを検証した。
[結果]
カイ二乗の値は有意ではなく（カイ二乗＝9.463、p＝0.305）、適合度の値は高く、モデルが妥当であることを示唆した；適合度指数、0.981；修正適合度指数、0.949；比較適合度指数、0.996；近似二乗平均誤差、0.035であった。その結果、移動に関連するADL能力は、HRQOLにおける身体機能および一般的な健康を含む身体的健康に影響を与えることが示された。
[結論]
本研究では，モビリティ関連ADL能力が特に身体的健康に影響を及ぼすことを確認する概念モデルを構築した．今後、健康な高齢者の身体活動に関する指導・訓練に関する介入研究において、この因果関係を評価する必要がある。
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結論としては、「当り前じゃない？」と思うかもしれないが、この感覚的な「当り前」を、「科学的」に示すことはとても重要であると思う。
本論文の立ち位置は、上記の研究の流れにおける、「記述研究」に位置すると思う。したがって、結論でも述べられているように、今後因果関係の研究(上記のチャートにおけるリスク因子の研究)が行われ、その後に治療・介入、もしくは予後予測等の研究が行われることが望まれる。
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医療従事者における道徳感についても記事にしていますので良かったら読んで頂けると嬉しいです。
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